Archive for the ‘コラム~通関手続、輸出入トラブル~’ Category
災害などによる期限の延長について
関税法又は関税定率法その他関税に関する法律に基づく申告、請求、納付等の期限についてですが、東日本大震災のような大規模な災害(特定災害)が発生した場合には、その規定された期限までに申告、請求、納付等を行うことができなくなることがあるので、特別に期限の延長が認められることとされております(関税法2条の3)。
以下、概要をご紹介いたしますので、ご参照いただけますと幸いです。
1 特定災害による被災者等に対する期限の延長(関税法2条の3第1項、関税法施行令1条の4)
震災、風水害、火災、雪害、落雷、噴火、その他の自然現象の異変による災害及び火薬類の爆発その他の人為による異常な災害であって財務大臣が指定した特定災害があった場合において、特定災害によって相当な災害を受けた地域として財務大臣が指定した地域に当該災害が発生した時に住所又は居所を有していた被災者が、特定災害が発生した日から財務大臣が指定する日までの間に到来する関税法又は関税定率法その他関税に関する法律に基づいて行わなければならない申請、請求、届出その他書類の提出、納付又は徴収の期限については、財務大臣が指定する日の翌日まで延長されます。
特定災害により、期限が延長された者がその申請等をする場合には、延長された期限に該当する旨を記載した書面に、当該特定災害が発生した時に指定地域に住所又は居所を有しており、かつ、その被災者であることを証明する書類を添付して、税関長に提出します(関税法2条の3第2項、関税法施行令1条の5)。
2 特定災害被災者に対する期限の2月以内の再延長について(関税法2条の3第3項)
税関長は、上記1によって延長された期限について、その指定した特定災害地に起因するやむを得ない理由により、その延長された期限・指定日までに申請等をすることができないと認めるものがあるときは、その理由のやんだ日から2月以内に限り、その者に係る当該延長された期限を再び延長することができます。
3 弁護士へのご相談をご希望の方へ
当事務所は、代表弁護士が輸出入や通関に関する唯一の国家資格である通関士資格を有しており、輸出・輸入や通関上のトラブルに関するご相談を幅広くお受けしております。
輸出・輸入や通関に関するトラブル、税関事後調査を含む税関対応等でお悩みの場合には、ご遠慮なく当事務所までご相談ください。
輸入とみなさない外国貨物の使用・消費について
先日のコラムにおいてみなし輸入に関してご紹介いたしました。
そこでは、外国貨物が輸入される前に本邦において使用され、又は消費される場合には、その使用し、又は消費する者がその使用又は消費の時に当該外国貨物を輸入するものとみなさる(関税法2条3項)、とご紹介したものと思います。
しかしながら、このような外国貨物の使用又は消費について、輸入とみなさない場合がありますので、注意が必要です。
本日は、どのような場合に輸入とみなさないのかをご紹介いたしますので、ご参照いただけますと幸いです。
1 輸入とみなさない外国貨物の使用・消費について
外国貨物の輸入前における本邦での使用又は消費を全て輸入とみなすことは適当ではないので、以下の場合には、輸入とみなされておりません(関税法2条3項かっこ書き、関税法施行令1条の2)。
①保税地域において関税法により認められたところに従って外国貨物が使用され、又は消費(指定保税地域、保税蔵置場における見本の展示、簡単な加工等、保税工場における保税作業保税展示場における展示、使用等)される場合
②本邦と外国との間を往来する船舶や航空機に積まれている外国貨物である船用品や機用品をそれらの船舶や航空機においてその本来の用途に従って使用し、又は消費する場合
③旅客や乗組員がその携帯品である外国貨物をその個人的な用途に供するため使用し、又は消費する場合
④税関職員その他の公務員がその権限に基づいて収去した外国貨物である見本等をその権限に基づいて使用し、又は消費する場合
このように、一定の場合には、外国貨物の使用・消費を輸入とはみなさない点には注意が必要です。
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みなし輸入について
貨物を輸入する場合には、適切に輸入申告を行い輸入許可を受ける必要があります。
しかしながら、一定の場合には、貨物が輸入されたものとみなすという対応が取られる場合があることをご存知でしょうか。
本日はこのような、みなし輸入について、ご紹介いたします。
ご参照いただけますと幸いです。
1 みなし輸入について
保税展示場又は総合保税地域に入れられた外国貨物が保税展示場等内で販売された場合には、その販売が輸入とみなされます(関税法62条の4第2項、第62条の15)。
また、外国貨物が輸入される前に本邦において使用され、又は消費される場合には、その使用し、又は消費する者がその使用又は消費の時に当該外国貨物を輸入する物とみなされます(関税法2条3項)。
これは、関税法2条1項1号に掲げる輸入の定義においては、「輸入とは、外国貨物を本邦に(保税地域を経由する者については、保税地域を経由して本邦に)引き取ることをいう。」と規定しているため、貨物を保税地域内又は保税地域以外の場所で使用し、又は消費することを輸入とすることはできないので、これを特に輸入とみなすこととしたものです。
貨物の使用、消費の例としては、所定の輸入手続きをする前に、外国貨物である自動車を乗り回すことや、酒類を飲用すること等があります。
また、保税地域に蔵置されている外国貨物の一部を、その所有者が分析のための見本として当該保税地域内で消費する行為や保税展示場内において観覧者が外国貨物である食品を試食する行為も、使用、消費に該当するものと考えられております。
2 弁護士へのご相談をご希望の方へ
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内国貨物の意義
輸出入をビジネスとして行っている場合には、税関や通関業者との間のやり取りをする機会も相当程度あるものと思われます。
このやり取りの中では、輸出入、通関に関する専門的な用語が利用される場合がありますが、税関や通関業者の言っている専門用語がよくわからなかったことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
輸出入、通関に関す専門的な用語のうち、基本的なものだけでも正確に理解しておくと、税関や通関業者とのやり取りがスムーズに進む可能性があります。
そこで、本日は、関税法2条に定義されている基本的な用語である「内国貨物」の意義をご紹介いたします。
これは、輸入、輸出の通関手続きを利用する際の前提知識であり、税関や通関業者との間のやり取りの中でよく使用される表現となりますので、是非ご理解いただけますと幸いです。
1 内国貨物の意義
内国貨物とは、日本にある貨物で外国貨物でないもの及び日本の船舶により公海で採捕された水産物をいいます(関税法2条1項4号)。
輸入の許可前引取りの承認を受けた貨物はその引取りの承認をもって実質的に輸入が行われ自由流通の状態に置かれることになるので、内国貨物とみなすものとされています(関税法73条3項)。
以下の貨物は、輸入の許可を受けたものではありませんが、所定の手続を経て適法に国内に引き取られたものであり、関税法の規制の対象とする必要がありませんので、輸入を許可された貨物とみなすこととされています(関税法74条、関税法施行令64条の2)。
①日本郵便株式会社から名宛人に交付された郵便物又は信書便物の送達を行う者から名宛人に交付された信書
②収容貨物、領置物件等で、公売に付され又は随意契約により売却されて買受人が買い受けたもの
③国庫に帰属した一定のもの
④一定の外国貨物で関税が徴収されたもの
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「外国貨物」の意義
輸出入をビジネスとして行っている場合には、税関や通関業者との間のやり取りをする必要があります。このやり取りの中では、輸出入、通関に関する基本的な用語が利用される場合がありますが、一般の方にとってはなかなか馴染みのない表現と言わざるを得ません。
そこで、本日は、関税法2条に定義されている基本的な用語である「外国貨物」の意義をご紹介いたします。
これは、輸入、輸出の通関手続きを利用する際の前提知識であり、税関や通関業者との間のやり取りの中でよく使用される表現となりますので、是非ご理解いただけますと幸いです。
1 外国貨物の意義について
外国貨物とは、輸出の許可を受けた貨物及び外国から本邦に到着した貨物(外国の船舶により公海で採捕された水産物を含む。)で輸入が許可される前のものをいいます(関税法2条1項3号)。
ここで、輸出の許可を受けた貨物には、本邦で生産された貨物で輸出の許可を受けたもののほか、外国から本邦に到着した貨物(外国の船舶により公海で採捕された水産物を含む。)で、いったん輸入された後再び外国に向けて送り出すために輸出の許可を受けたものを含みます。
保税工場における保税作業で外国貨物と内国貨物を使用して製造された保税製品は、課税上区分することが困難であるため、外国貨物とみなされます(関税法59条1項)。
ただし、あらかじめ税関長の承認を受けて、外国貨物と同種の内国貨物を混じて使用した場合には、外国貨物の数量に対応する保税製品のみが外国貨物とみなされますので注意が必要です(同条2項)。
*「みなす」とは、本来異なるものを、法令上、一定の法律関係につき同一のものとして、同一の法律効果を生じさせることです。
2 弁護士へのご相談をご希望の方へ
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輸出入通関書類、帳簿書類の保存義務について
輸出入通関で利用する書類をはじめ、帳簿書類を保存する必要があることはご存知でしょうか。
各書類の保存は、非常に重要なルールとなりますので、輸出入をビジネスとして行っている方は、正確に理解しておくことが重要です。
そこで、本日は、関税法で規定されている輸出入通関で利用する書類をはじめ、帳簿書類の保存義務についてご紹介いたします。
ご参照いただけますと幸いです。
1 輸出者の保存義務について
輸出者は、輸出許可の日の翌日から起算して5年間、帳簿を備え付ける必要があります。
帳簿への記載事項としては、品名、数量、価格、仕向人の氏名(名称)、輸出許可年月日、許可番号(既存帳簿や仕入れ書等に必要項目を追記したものでも可)です。
また、輸出者は、書類(仕入書及び輸出許可貨物に係る取引に関して作成し、又は受領した書類)を輸出許可の日の翌日から起算して5年間保存する必要があります。
2 輸入者の保存義務について
輸入者は、輸入許可の日の翌日から起算して7年間、帳簿を備え付ける必要があります。
帳簿への記載事項としては、品名、数量、価格、仕向人の氏名(名称)、輸入許可年月日、許可番号(既存帳簿や仕入れ書等に必要項目を追記したものでも可)です。
また、輸入者は、書類(輸入許可貨物の契約書、運賃明細書、保険料明細書、包装明細書、価格表、製造者又は売渡人の作成した仕出人との間の取引についての書類、その他輸入の許可を受けた貨物の課税標準を明らかにすることができる書類)を輸入許可の日の翌日から起算して5年間保存する必要があります。
3 電子メール(電磁的記録)の保存義務について
輸出入にかかり取引の関係書類を電子メールでやり取りをした場合には、そのメール等を、輸出入許可日の翌日から5年間保存することを義務付けている。
4 弁護士へのご相談をご希望の方へ
当事務所は、代表弁護士が輸出入や通関に関する唯一の国家資格である通関士資格を有しており、輸出・輸入や通関上のトラブルに関するご相談を幅広くお受けしております。
輸出・輸入や通関に関するトラブル、税関事後調査を含む税関対応等でお悩みの場合には、ご遠慮なく当事務所までご相談ください。
コンテナの種類について
本日は、貿易取引をする場合に、不可分の関係にある輸送手段であるコンテナの種類についてご紹介いたします。
輸出入をビジネスとして行っている方にとっても、あまり馴染みのない内容となるものと思われますが、コンテナの種類を知っておくことで、通関業者や税関とのやり取りがスムーズになる可能性もありますので、概要だけでもご認識いただくことをお勧めいたします。
コンテナの種類は、大要以下のとおりです。
1 ドライコンテナ(Dry Container)
一般的なコンテナのサイズは、20フィートと40フィートのコンテナがあります。
この他には、背高コンテナ(High Cube)もあります。
容積勝ち貨物に適した45フィートコンテナもありますが、日本での使用は極めて限定的であると言えます。
2 冷凍・冷蔵コンテナ(Reefer Container)
温度管理が必要な貨物、肉、魚、精密機器、薬品、フィルム等を運搬に適しております。
近年では、生鮮食品用に輸送中のコンテナ内の空気塑性をコントロールできるCA(Controlled Atmosphere)コンテナの利用も始まっています。
3 オープントップ・コンテナ(Open Top Container)
屋根が解放されており、天井部分からの貨物の積み下ろしが可能なことから機械類の重量物貨物や背高貨物等の輸送に適しております。
4 フラットラック・コンテナ(Flat Rack Container)
屋根と側壁が解放されており、フォークリフトやクレーンで側面からの積み下ろしが可能なことから、鋼材、木材、パイク等の長尺物、重量機械物、背高貨物の輸送に適していると言えます。
5 タンク・コンテナ(Tank Container)
液体貨物を輸送するタンクを持ちます。危険品化学品等液体を輸送することに適しています。
6 弁護士へのご相談をご希望の方へ
当事務所は、代表弁護士が輸出入や通関に関する唯一の国家資格である通関士資格を有しており、輸出・輸入や通関上のトラブルに関するご相談を幅広くお受けしております。
輸出・輸入や通関に関するトラブル、税関事後調査を含む税関対応等でお悩みの場合には、ご遠慮なく当事務所までご相談ください。
CIF条件について
本日は、インコタームズ2010の1つである、CIF条件をご紹介いたします。
インコタームズは、国際貿易において広く利用されている定型的な貿易条件ですが、その中でもCIF条件は特に利用されることが多い最も有名な条件の1つです。
国際貿易における貿易条件として利用されることとの他に、例えば日本においては、輸入時の輸入申告価格としてCIF条件に基づく価格を申告する必要がありますので、仮に貿易取引としてCIF条件を利用しない場合でも、その具体的な内容を理解しておくことは非常に重要です。
以下、ご紹介いたしますので、ご参照いただき、必要に応じて貿易取引においてご利用いただけますと幸いです。
1 CIF条件の概要について
CIF条件は、運賃保険料込み条件とも呼ばれます。
CIF条件は、FOB条件をベースとしたものであり、FOB条件の派生条件であるものと考えられます。
具体的には、CIF条件は、売主が、本船上で貨物を引渡すか、または既にそのように引き渡された貨物を調達することを意味します。
2 CIF条件における注意点について
CIF条件において注意すべき点は以下のとおりです。
①売主は、指定仕向港へ貨物を運搬するために必要な契約を結び、かつ、その費用と運賃を支払う必要があります。
②売主は、運送中における貨物の滅失・損傷についての買主の危険に対する保険契約を締結します。
③売主は、貨物が仕向地に到着した時点ではなく、選択された規則に規定されている方法で、運送人に貨物を引渡した時点で、引渡しの義務を果たすことになります。
④売主は、貨物が引き渡されるまでの貨物に関する費用を負担し、その時点までの貨物の滅失・損傷の危険を負担することになります。
3 弁護士へのご相談をご希望の方へ
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CFR条件について
本日は、インコタームズ2010の1つである、CFR条件を紹介いたします。
インコタームズとは、国際貿易において利用されることが多い貿易条件のことを指します。それまでの取引慣習などを踏まえて、10年ごとに内容の改訂等が行われ、最新のインコタームズは、インコタームズ2020です。
もっとも、依然としてインコタームズ2010を利用されることが多いといえますので、インコタームズ2010の各条件を概要だけでも認識しておくことは非常に重要です。
1 CFR条件について
CFR条件は、FOB条件をベースとする条件であり、FOB条件の派生条件であるものと考えられます。
具体的には、CFR条件は、売主が、本船上で貨物を引き渡すか、又は、既にそのように引き渡された貨物を調達することを意味します。
2 CFR条件における注意点
CFR条件の注意すべき点は以下のとおりです。
FOB条件に類似しておりますが、異なる条件となりますので、注意して理解する必要があります。
①貨物の滅失・損傷の危険は、貨物が本船の船上に置かれた時に移転します。
②売主は、指定仕向港へ貨物を運ぶために必要な契約を結び、かつ、その費用と運賃を支払わなければなりません。
③売主は、貨物が仕向地に到着した時点ではなく、選択された規則に規定されている方法で運送人に物品を引き渡した時、引渡しの義務を果たすことになります。
④売主は、買主に対して、保険契約を締結する義務を負いません。
⑤売主は、適用できる場合には、事故の危険と費用により、貨物輸出に必要な輸出許可を取得し、一切の通関手続きを行う必要があります。
3 弁護士へのご相談をご希望の方へ
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輸出・輸入や通関に関するトラブル、税関事後調査を含む税関対応等でお悩みの場合には、ご遠慮なく当事務所までご相談ください。
FOB条件について
本日は、インコタームズ2010の1つである、FOB条件について、ご紹介いたします。
インコタームズは、国際貿易において広く利用されている定型的な貿易条件ですが、その中でもFOB条件は特に利用されることが多い最も有名な条件の1つです。
貿易条件として利用されることとの他に、例えば日本においては、輸出時の輸出申告価格としてFOB条件に基づく価格を申告する必要がありますので、仮に貿易取引としてFOB条件を利用しない場合でも理解しておくことは非常に重要です。
以下、ご紹介いたしますので、ご参照いただき、必要に応じて貿易取引においてご利用いただけますと幸いです。
1 FOB条件について
FOB条件は、本船渡し条件とも呼ばれます。
具体的には、売主が、指定船積港において、買主によって指定された本船上で物品を引き渡すか、又は既にそのように引き渡された物品を調達することを意味します。
2 FOB条件における注意点について
FOB条件において注意すべき点は以下のとおりです。
①貨物の滅失又は損傷の危険は、貨物が本線上に置かれた時点で移転し、買主は、その時点以降、一切の費用を負担することになります。
②売主は、貨物が引き渡されるまでの貨物に関する費用を負担し、その時点まで、貨物の滅失・損傷の危険を負担することになります。
③売主は、買主に対して、運送契約・保険契約を締結する義務を負いません。
④売主は、適用できる場合には、事故の危険と費用により、貨物輸出に必要な輸出許可を取得し、かつ一切の通関手続きを行う必要があります。
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