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日本在住の当事者間での売買に基づく輸入について

2023-03-13

1 日本在住の当事者間での売買に基づく輸入について

輸入というと、通常のイメージでは、日本在住の法人又は個人が、海外の法人又は個人から商品を仕入れることを指します。
では、日本在住の当事者間での売買に基づき輸入する場合、何か異なる対応が必要になるのでしょうか。

例えば、日本に所在する法人Aが、同じく日本に所在する法人Bから、法人Bが海外で保管している商品を購入した場合を想定しましょう。
このような場合には、そもそも日本に所在する法人同士の取引である以上、通常の輸入とは考えられないのではないか、というイメージをお持ちになる方もいるかもしれません。

ここで、そもそもの「輸入取引」の定義にさかのぼって考えてみますと、「輸入取引」とは、日本に拠点を有するものが買手として貨物を日本に到着させることを目的として売手との間で行った売買のことを指し、現実に当該貨物が日本に到着することとなった原因としての取引のことを指します(関税定率法第4条第1項、同法基本通達4-1(1))。

このような輸入取引の定義を前提に考えますと、買手は日本に拠点を有することが必要ですが、売手は必ずしも日本に拠点を有する必要はありません。
そのため、買手のみではなく、売手も日本に所在するような日本国内での通常の取引に思われる場合でも、輸入取引には問題なく該当することとなります。

この辺りは、なかなか通常のイメージとは乖離する部分でもありますが、基本的な定義やルールを出発点に考えていくことが肝要です。

2 輸入申告価格の算定にはご注意ください

貨物の輸入や輸出に関するルールは、関税法や関税定率法、これらの通達等に規定されておりますが、なかなか一般的には理解が難しい点も多く、知らずに輸出入を行うと追徴課税を含む様々なペナルティを課されてしますリスクがございます。

例えば、輸入する貨物のライセンス料を輸出者側等に支払っている場合には、当該ライセンス料については、課税価格に加算しなければならず、加算せずに輸入申告を行う場合には、過少申告となり、事後的に追徴課税が行われることとなります。

他にも、輸出入特有の規制は多数ありますので、可能であれば、輸出入を継続的に行う最初の段階で事業計画が法的に問題ないかどうかをリーガルチェックすることをお勧めいたします。
最初の段階できちんとした体制を整備しておくことで、事業を円滑に進めることが可能となります。

弊事務所は、税関事後調査を含む税関対応や輸出入トラブルを中心に企業法務を幅広く扱っておりますので、お困りの点等ございましたら、まずはお気軽にお問い合わせいただけますと幸いです。

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