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休暇について
休暇は、従業員にとって重要な仕組であり、また、昨今では適切に休暇を取得させない場合には、インターネット上等で労働環境が劣悪な企業等と書き込みがなされ、その結果、企業の評判に深刻な悪影響をもたらすリスクがあります。
そのため、経営者の方は、休暇に関する法的な仕組を正確に理解することが必須といえます。
そこで、本日は、労働基準法上規定されている代表的な法定休暇である年次有給休暇および産前産後休暇について、ご紹介いたしますので、ご参照いただけますと幸いです。
なお、一般に休暇と呼ばれているものには、労働基準法等の法律の規定に基づいて発生する法定休暇と、就業規則や労働協約等会社独自の規定によって発生する会社休暇の2種類があります。
1 年次有給休暇(労働基準法39条)
初年度に10日、翌年度より継続勤務年数1年ごとに1日ずつ、3年後からは2日ずつ増加する。最高20日で、2年間有効です。
初年度の要件としては、6ヶ月間の継続勤務及び全労働日の8割以上出勤する必要があります。
また、翌年度以降の要件としては、原則雇い入れの日から1年6ヶ月以上継続勤務していることと、全労働日の8割以上出勤が必要です。
2 産前産後休暇(労働基準法65条)
産前6週間(多胎妊娠14週間)、産後8週間の期間が設けられております。
なお、ここでいう「出産」とは、妊娠4か月以上の分娩をいい、生産のみではなく死産の場合も含み、人工妊娠中絶であっても、妊娠4か月以上の場合にはこの出産に該当します(昭和23・12・23基発1885号)
3 弁護士へのご相談をご希望の方へ
当事務所は、人事労務に関するご相談を幅広くお受けしております。
日々の業務の中で発生する人事労務に関するご相談や、新しい労働関連法規の成立、修正により自社にどのような影響が生じているかを確認したいといった場合まで、人事労務に関してご不明な点やご不安な点等ございましたら、お気軽に当事務所までご相談ください。

有森FA法律事務所の代表弁護士、有森文昭です。東京大学法学部および法科大学院を卒業後、都内の法律事務所での経験を経て、当事務所を開設いたしました。通関士や行政書士の資格も有し、税関対応や輸出入トラブル、労働問題など、依頼者の皆様の多様なニーズにお応えしています。初回相談から解決まで一貫して対応し、依頼者の最良のパートナーとして、共に最適な解決策を追求してまいります。
減給処分の上限について
懲戒処分の一類型に減給処分があることは皆さまご存知だと思います。
では、減給処分を課す場合、会社側が任意の割合の減給処分を課すことができるのでしょうか。
結論としては、減給処分を課す場合も上限があり、会社側が任意の割合で減給処分を課すことはできません。
そこで、本日は、従業員に対して懲戒処分の1類型である減給処分を課す場合の上限についてご紹介いたしますので、ご参照いただけますと幸いです。
1 減給処分を課す場合の上限について
この点については、労働基準法91条において、「就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない」と規定しております。
要するに、懲戒対象である1つの事由に対する減給は、平均賃金の1日分の半額を超えてはならず、また、複数の事由に対して減給をする場合には、その総額が賃金支払い時期の賃金の10分の1を超えてはならないということが規定されております(昭和23.9.20基収1789号)。
なお、同条は、労働者が具体的賃金請求権を取得していることを前提に、制裁としてこれを減給する場合に適用される規定ですので(広島高判平成13.5.23)、遅刻・早退等の場合にその時間分に対応する賃金をカットする場合や、出勤停止処分に伴う賃金の不支給の場合は同条の適用はありません。
会社が従業員に対して減給処分を課す場合の上限に関する規律は上記のとおりですので、会社としては十分注意をして対応をする必要があります。
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うつ病の社員による無断欠勤への対応について
昨今、社員がうつ病になり欠勤するケースが多くなってきております。
実際、社員がうつ病になった経験のある経営者の方も相当程度いらっしゃるものと思われます。
うつ病が業務に起因するものである場合はもちろんのこと、私傷病である場合にも会社としては適切に対応することが必要です。
仮に適切に対応しない場合には、会社の人事労務に問題がある等の評判がインターネット上で投稿されるリスクもあり、会社の評判に大きな影響を及ぼす可能性がある問題といえます。
以下では、会社の対応に関して参考となる裁判例をご紹介いたしますので、ご参照いただけますと幸いです。
1 参考となる裁判例について
最判平成24.4.27は、以下のとおり判示しました。
事案としては、うつ病の社員が無断欠勤をしたことを理由として、会社が当該社員に対して懲戒処分をしたというものです。
【判示内容】
精神的な不調のために欠勤を続けていると認められる労働者に対しては、精神的な不調が解消されない限り引き続き出勤しないことが予想されるところであるから、使用者である上告人としては、その欠勤の原因や経緯が上記のとおりである以上、精神科医による健康診断を実施するなどした上で(記録によれば、上告人の就業規則には、必要と認めるときに従業員に対し臨時に健康診断を行うことが出来る旨の定めがあることがうかがわれる。)、その診断結果等に応じて、必要な場合は、治療を勧めた上で休職等の処分を検討し、その後の経過を見るなどの対応を採るべき
として、そのような対応を会社が取っていない以上、欠勤は懲戒事由である正当な理由のない無断欠勤に当たらず、懲戒処分は無効であるものと判断しました。
以上を踏まえますと、うつ病の社員が無断欠勤をしていたとしても、直ちに懲戒処分とするべきではなく、まずは、当該社員に対し、精神科医の受信を求めるなどの対応を求めることを検討する等慎重に対応した方がよいものと考えられます。
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他所蔵置について
外国貨物は、難破貨物、他所蔵置貨物、特定郵便物、特例輸出貨物等を除き、原則として保税地域に置く必要があります(関税法30条1項)。
もっとも、一定の条件の下で、外国貨物を保税地域以外の場所で保管することも可能であり、このことを他所蔵置といいます。外国貨物を保税地域に保管できない場合には非常に便利な制度といえます。
外国貨物の保管に関しては、基本的に業者に依頼しているため、保税地域に保管されているか、それともそのほかの場所に保管されているか全く知らないという方も多いものと思われます。
もっとも、通関業者や税関とのやり取りをスムーズに行うという観点からは、保税地域以外の場所で外国貨物を保管できるケースについてもご認識いただいた方がよいと思われます。
そこで、以下では、他所蔵置の概要をご紹介いたしますのでご参照いただけますと幸いです。
1 他所蔵置の概要について
他所蔵置ができる場合としては、外国貨物の特殊性により、保税地域に置くことが困難又は著しく不適当であると税関長が認めた上で、(i)期間及び(ii)場所を指定して許可したものについては、例外的に他所蔵置を行うことが可能であると認められております(関税法30条1項2号)。
具体的には、
①巨大な重量物であって、保税地域にこれを置く設備がない場合
②大量の貨物であって、保税地域に置くことができない場合
③貴重品、危険物、生鮮食料品であって、蔵置保管に特殊な施設を要するもの
④その他貨物の性格、保税地域の設置状況等をから「、税関長が保税地域以外の場所に置くことが誠にやむを得ないと認められたもの
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当事務所は、代表弁護士が輸出入や通関に関する唯一の国家資格である通関士資格を有しており、輸出・輸入や通関上のトラブルに関するご相談を幅広くお受けしております。
輸出・輸入や通関に関するトラブル、税関事後調査を含む税関対応等でお悩みの場合には、ご遠慮なく当事務所までご相談ください。

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会社の貸与PCを社員が私的利用していた場合について
「昨年からテレワークを導入しており、その関係で、社員に対して業務用にPCを貸与しております。ところが、ある社員が、当該PCを業務とは関係なく私的に利用していることが判明しました。当社としてはこのような行為は、会社に対する背信行為であると考えており、厳しく対応することを検討しております。例えば、懲戒解雇まですることはさすがにやりすぎでしょうか。」、というご相談があった場合、どのように回答するかは難しい側面があります。
というのも、懲戒を行うことは可能と考えられますが、重い懲戒処分をすることは事後的に違法と判断される可能性が高いからです。
以下では、参考となる裁判例をご紹介いたしますので、ご参照いただけますと幸いです。
1 会社の貸与PCを社員が私的利用していた場合について
裁判例を前提としますと、会社の貸与PCの私的利用は、社員の職務専念義務違反に該当するものと考えられます。
しかしながら、当該事実だけをもって、重い懲戒処分を行うことができるということにはならず、会社においてPCの取扱い規定を設けているかどうかや、PCの私的利用の頻度やその内容を踏まえて、処分の相当性を判断することになります。
例えば、裁判例(札幌地判平成17.5.26)においては、会社にPCの取扱規程がないことや使用の頻度も多くはないこと、注意や警告が十分にされていなかったこと等を理由に、会社が社員に対して行った減給処分が重すぎるとして無効であるとの判断をしたものがあります。
また、他の裁判例(福岡高判平成17.9.14)は、社員が出会い系サイト関連と思われるメールのやり取りをしていた事案において、頻度、やり取りの内容を踏まえて、パソコンの取扱規程がない場合でも、到底認められない場合に当たるとして、懲戒解雇を有効と判示したものがあります。
以上の裁判例はあくまでも個別具体的な判断に基づくものといえますが、社員への対応に関して参考となる裁判例といえます。
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船用品の積込みについて
本邦と外国との間を往来する船舶又は航空機に船用品として外国貨物又は内国貨物を積み込む場合は、税関長に申告し、その承認を受けることが必要です(関税法23条)。
輸出入をビジネスとして行っている方にとってもあまり馴染みのない内容である者と思われますが、実際の貨物の運搬に関しては重要な意義がありますので、本日は、船用品の積込み関する手続の概要をご紹介いたします。
ご参照いただけますと幸いです。
1 外国貨物である船用品の積込み
上記のとおり、外国から本邦に到着した外国貨物である船用品は、税関長に申告し、その承認を受けて、保税地域から本邦と外国との間を往来する船舶に積み込む場合に限り、外国貨物のまま積み込むことができます。
この場合において、税関長は、当該船用品が取締り上支障がないものである場合は、1年以内で税関長が指定する期間(最長6月)以内に積み込まれる船用品の積込について特定の複数の外交船舶に対し、複数の開港において包括的に承認することができます(関税法23条1項、関税法施行令21条の3第3項、関税法基本通達23-1-2)。
2 内国貨物である船用品の積込み
内国貨物を船用品として、本邦と外国との間を往来する船舶に積み込もうとする者は、あらかじめ税関長に申告し、その承認を受けなければなりません(関税法23条2項本文)。
もっとも、同条項但書において、遭難その他やむを得ない事故により不開港に入港し、その船用品又は機用品を積み込むことについて緊急な必要がある場合において、税関職員がいないときは、警察官にあらかじめその旨を届け出なければならないと規定されている点には注意が必要です。
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経歴詐称の従業員に対する懲戒解雇について
「先日入社した従業員について、入社面接時に提出してもらった履歴書に記載された経歴が事実とは異なること、要するに、経歴詐称が発覚しました。会社としては、このような従業員に対しては厳格に処分することを考えているのですが、懲戒解雇まですることは可能でしょうか。そもそも、入社の前提とされた事実が異なる以上、当然に懲戒解雇が可能であると考えられるのですが。」、というご相談をお受けすることがあります。
そこで、本日は、経歴詐称の従業員に対する懲戒解雇の可否についてご説明いたします。
1 経歴詐称の従業員に対する懲戒解雇について
従業員が経歴詐称をしていた場合について、裁判所は、経歴は企業秩序の維持に関係する事項であることから、労働者は経歴につき真実を申告すべき義務があり、これを詐称することは懲戒事由となり得るとの立場を取っております(最判平成3.9.19)。
そして、経歴詐称につき、正しい経歴を使用者が認識していた場合には当該社員を採用しなかったといえる場合には、懲戒解雇が認められると判示した裁判例もあります(東京高判昭和56.11.25、東京地判平成22.11.10)。
上記の裁判例を前提とすると、経歴詐称があった場合でも、採用時に経歴が重視されていなかった場合には、懲戒解雇までは認められない可能性がありますので、経歴詐称を理由に社員を懲戒解雇するかどうかを検討する際には、「正しい経歴を知っていれば、採用したかどうか」、について、慎重に検討した上で判断をする必要があります。
2 弁護士へのご相談をご希望の方へ
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日々の業務の中で発生する人事労務に関するご相談や、新しい労働関連法規の成立、修正により自社にどのような影響が生じているかを確認したいといった場合まで、人事労務に関してご不明な点やご不安な点等ございましたら、お気軽に当事務所までご相談ください。

有森FA法律事務所の代表弁護士、有森文昭です。東京大学法学部および法科大学院を卒業後、都内の法律事務所での経験を経て、当事務所を開設いたしました。通関士や行政書士の資格も有し、税関対応や輸出入トラブル、労働問題など、依頼者の皆様の多様なニーズにお応えしています。初回相談から解決まで一貫して対応し、依頼者の最良のパートナーとして、共に最適な解決策を追求してまいります。
イベント運営に関する道路交通法上の規制について
本日は、イベントの実施に関する規制として、道路交通法上の規制をご紹介いたします。
ご参照いただけますと幸いです。
1 道路交通法上の規制について
道路交通法上、道路の本来の用途に即さない道路の特別の使用行為で、交通の妨害となり、または交通に危険を生じさせるおそれのある行為は一般的に禁止されています。
もっとも、その行為自体が社会的な価値を有する者については、一定の要件を備えていれば、所轄警察署長の許可によってその禁止が解除されて、道路を使用することができます。
イベント関連では、場所を移動しないで道路に露店、屋台店等を出そうとする行為、道路において祭礼行事等をしようとする行為があげられており(道路交通法77条1項3号、4号参照)、具体的には、露天、屋台店の出店、公道上でのマラソン大会、パレードなどが想定されています。
そして、所轄警察署長は、①現に交通の妨害となる恐れがないと認められるとき、②許可に付された条件に従って行われることにより交通の妨害となる恐れがなくなると認められるとき、③現に交通の妨害となるおそれはあるが交易上または社会の慣習上やむを得ないものであるときのいずれかに該当する場合には道路使用の許可をしなければならないとされています(道路交通法77条2項)。
要するに、交通の妨害の程度と公益性又は社会の慣習上の必要性との比較考量により道理使用許可の可否が判断されることになります。
かつての交通量の増大に道路整備が追い付かない時代には、その比較衡量において、交通の妨害の程度を厳格に解する運用が行われていたが、近年、交通量が減少した道路もある中では、地域活性化等に資する道路利活用の観点から弾力的な運用が図られているようです。
2 弁護士へのご相談をご希望の方へ
イベント運営に関する規制は様々なものがありますので、イベント運営を検討されている方は、まずは専門家にご相談いただき、必要な規制等を把握いただくことをお勧めいたします。

有森FA法律事務所の代表弁護士、有森文昭です。東京大学法学部および法科大学院を卒業後、都内の法律事務所での経験を経て、当事務所を開設いたしました。通関士や行政書士の資格も有し、税関対応や輸出入トラブル、労働問題など、依頼者の皆様の多様なニーズにお応えしています。初回相談から解決まで一貫して対応し、依頼者の最良のパートナーとして、共に最適な解決策を追求してまいります。
輸入貨物の積卸しについて
本日は、輸入取引により日本に貨物を持ち込んだ場合の貨物の積卸しについて、ご説明いたします。
ご参照いただけますと幸いです。
開港に入港した外国貿易船に貨物の積卸しをする場合には、税関に対して次のような手続をとる必要があります。
1 貨物の積卸し
外国貿易船に対する貨物の積卸しは、税関に対して積荷に関する事項について報告がない場合にはしてはなりません(関税法16条1項、3項)。
ただし、旅客及び乗組員の携帯品、郵便物及び船用品については、その性質上迅速な処理を要するとともに、一般の貨物とは同様に取り扱うことが不適当であるので、上記の報告前であっても、その積卸ができます(関税法16条1項ただし書き)。
2 開庁時間外における貨物の積卸しの届出
税関官署の開庁時間以外の時間において、外国貿易船等に外国貨物を積卸し等するときは、あらかじめその旨を税関長に届け出なければなりません(関税法19条)。
3 外国貨物の仮陸揚げの届出
外国貨物を船積み、荷繰り等やむを得ない事由によって、本来目的とした陸揚地以外の場所に仮陸揚げする場合には、船長は、あらかじめ税関に届け出なければなりません(関税法21条)。
なお、仮陸揚げした貨物は外国貨物であるが、船積み、荷繰り等の都合絵一時陸揚されたものであるので、その貨物が外国に向けて送り出されることがあるとしても、外国為替及び外交貿易法48条1項の規定による許可を受けなければならないものを除き、関税法では輸出又は積戻しとしては取扱わないこととされております(関税法2条1項2号、21条、75条)。
4 弁護士へのご相談をご希望の方へ
当事務所は、代表弁護士が輸出入や通関に関する唯一の国家資格である通関士資格を有しており、輸出・輸入や通関上のトラブルに関するご相談を幅広くお受けしております。
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懲戒解雇の普通解雇への転換について
「問題行動を起こした従業員に対して懲戒解雇をしたものの、その後再検討したところ懲戒事由に該当する事由までは認められず、普通解雇とすべき事案であったことが判明しました。そこで、既に行った懲戒解雇を普通解雇に転換したいのですが、このような取扱いは可能でしょうか。」、というご相談をお受けすることがあります。
そこで、本日は、懲戒解雇の普通解雇への転換、すなわち、社員を懲戒解雇とした後、事情を再検討したところ、普通解雇が相当との判断となった場合に、事後的に無効な懲戒解雇を有効な普通解雇に転換することができるかどうか、についてご説明いたしますので、ご参照いただけますと幸いです。
1 懲戒解雇の普通解雇への転換について
この点について、裁判例において、「懲戒解雇としては無効であるが、普通解雇としては有効である」と判断することは、懲戒権の行使として行われる懲戒解雇の意思表示と民法の解雇事由の原則の中で行われる中途解約の意思表示である普通解雇の意思表示とでは法的性質が異なる、という点を無視するものであり、このような無効行為の転換を安易に認めれば、労働者の地位を著しく不安定にするとして、原則的に許されないという趣旨の判示をしております(福岡高判昭和47.3.30、東京地判24.11.30)。
したがいまして、会社としては、原則的には、事後的に無効な懲戒解雇を有効な普通解雇に転換することはできないとの前提に立って、懲戒解雇を行う場合には、慎重に対応する必要がある点にはご注意ください。
2 弁護士へのご相談をご希望の方へ
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