減給処分の上限について

懲戒処分の一類型に減給処分があることは皆さまご存知だと思います。
では、減給処分を課す場合、会社側が任意の割合の減給処分を課すことができるのでしょうか。
結論としては、減給処分を課す場合も上限があり、会社側が任意の割合で減給処分を課すことはできません。

そこで、本日は、従業員に対して懲戒処分の1類型である減給処分を課す場合の上限についてご紹介いたしますので、ご参照いただけますと幸いです。

 

1 減給処分を課す場合の上限について

この点については、労働基準法91条において、「就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない」と規定しております。

要するに、懲戒対象である1つの事由に対する減給は、平均賃金の1日分の半額を超えてはならず、また、複数の事由に対して減給をする場合には、その総額が賃金支払い時期の賃金の10分の1を超えてはならないということが規定されております(昭和23.9.20基収1789号)。
なお、同条は、労働者が具体的賃金請求権を取得していることを前提に、制裁としてこれを減給する場合に適用される規定ですので(広島高判平成13.5.23)、遅刻・早退等の場合にその時間分に対応する賃金をカットする場合や、出勤停止処分に伴う賃金の不支給の場合は同条の適用はありません。

会社が従業員に対して減給処分を課す場合の上限に関する規律は上記のとおりですので、会社としては十分注意をして対応をする必要があります。

 

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