Archive for the ‘コラム~その他~’ Category

混同的商標について

2022-08-01

商標法においては、商標登録を受けることが出来ない事由が列記されております(商標法4条)。
このうち、本日は、「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標(第十号から前号までに掲げるものを除く。)」(15号。いわゆる混同的商標)の概要をご紹介いたしますので、ご参照いただけますと幸いです。

 

1 混同的商標について

この点について参考となる裁判例としては、「レール・テュ・タン」審決取消請求事件(最判平成12・7・11判時1721・141)をご紹介いたします。

【判示の概要】
商標法四条一項一五号にいう「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」には、当該商標をその指定商品又は指定役務(以下「指定商品等」という。)に使用したときに、当該商品等が他人の商品又は役務(以下「商品等」という。)に係るものであると誤信されるおそれがある商標のみならず、当該商品等が右他人との間にいわゆる親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品等であると誤信されるおそれ(以下「広義の混同を生ずるおそれ」という。)がある商標を含むものと解するのが相当である。けだし、同号の規定は、周知表示又は著名表示へのただ乗り(いわゆるフリーライド)及び当該表示の希釈化(いわゆるダイリューション)を防止し、商標の自他識別機能を保護することによって、商標を使用する者の業務上の信用の維持を図り、需要者の利益を保護することを目的とするものであるところ、その趣旨からすれば、企業経営の多角化、同一の表示による商品化事業を通して結束する企業グループの形成、有名ブランドの成立等、企業や市場の変化に応じて、周知又は著名な商品等の表示を使用する者の正当な利益を保護するためには、広義の混同を生ずるおそれがある商標をも商標登録を受けることができないものとすべきであるからである。

そして、「混同を生ずるおそれ」の有無は、当該商標と他人の表示との類似性の程度、他人の表示の周知著名性及び独創性の程度や、当該商標の指定商品等と他人の業務に係る商品等との間の性質、用途又は目的における関連性の程度並びに商品等の取引者及び需要者の共通性その他取引の実情などに照らし、当該商標の指定商品等の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として、総合的に判断されるべきである。

 

以上のとおり、混同的商標に関して、具体的な事情を踏まえて総合的に判断する必要がありますので、ご注意ください。

 

2 弁護士へのご相談をご希望の方へ

当事務所は、契約書の作成・レビュー、商標や著作権を含む知的財産関連の問題、労働問題、輸出入トラブルへの対応をはじめ、企業法務を幅広く取り扱っております。
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周知商標の概要について

2021-11-08

商標法においては、商標登録を受けることが出来ない事由が列記されております(商標法4条)。
このうち、本日は、「他人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であつて、その商品若しくは役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするもの」(10号。いわゆる周知商標)の概要をご紹介いたしますので、ご参照いただけますと幸いです。

1 周知商標の概要について

この点について参考となる裁判例に、麗姿事件(東京高判平14・12・25判時1817・135)があります。

【判時の概要】
本件は、原告を製造元、ちえの輪を総発売元とする原告らの企業グループから申立人が離脱して以降、同企業グループと、申立人に関連する企業グループとの双方が、いずれも自己の業務に係る商品を表示するものとして麗姿商標を使用してきたという事案に係るものである。

仮に、麗姿商標を使用する企業グループが申立人らの企業グループのみであるとするならば、麗姿商標に接した取引者、需要者は、麗姿商標が広く知られていないために特定の企業グループの業務に係る商品を表示するものと認識し得ないか、又は、当該商標が広く知られており申立人らの業務に係る商品を表示するものと認識するかのいずれかであるということができる。しかしながら、本件のように、麗姿商標を複数の企業グループが使用してきた場合には、当該商標そのものが広く知られたとしても、なお、これが複数の企業グループのいずれの業務に係る商品を表示するかについてまで広く知られていなければ、特定の企業グループの業務に係る商品を表示するものとして広く知られているということはできない。その意味でも、本件においては、麗姿商標が、原告らの企業グループではなく、申立人らの企業グループの業務に係る商品を表示するものとして広く知られていると認めることは困難である。

そのため、本件商標の登録出願時において、申立人商標を含む麗姿商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして取引者、需要者の間に広く知られていたということはできない。

 

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イベント運営と都市公園法について

2021-08-15

本日は、イベント運営と都市公園法について、ご紹介いたします。
イベント運営において注意すべき規制は様々なものがありますが、都市公園法上の規制も重要なものといえますので、イベント運営において都市公園を利用することを予定されている方は是非ご参照いただけますと幸いです。

 

1 イベント運営と都市公園法について

都市公園法上、都市公園に公園施設以外の工作物その他の物件又は施設を設けて都市公園を占用しようとするときは、公園管理者の占用許可を受けなければなりません(都市公園法6条1項)。
そして、占用許可の対象としては、イベント関連では、競技会、集会、展示会、博覧会その他これに類する催しのため設けられる仮設工作物(都市公園法7条1項6号参照)が、挙げられています。

占用許可の基準としては、①占用許可の対象の物件であること、②都市公園の占用が公衆のその利用に著しい支障を及ぼさず、かつ、必要やむを得ないと認められるものであること、③都市公園法施行令で定める技術的基準に適合する場合であることが必要です。

また、国の設置に係る都市公園において、①物品を販売し、または頒布すること、②競技会、集会、展示会その他これらに類する催しのために都市公園の全部又は一部を独占して利用すること等を行おうとするときは、都市公園法施行規則で定めるところにより、公園管理者の行為許可を受けなければなりません(都市公園法12条)。

したがって、イベントを実施するに際して都市公園を用いる場合には、都市計画法上の占用許可または行為許可を得る必要がある点には注意が必要です。

 

2 弁護士へのご相談をご希望の方へ

これまでも本コラムにおいて、イベント運営に関する様々な規制をご紹介してまいりましたが、これまでご紹介したもの以外にも、イベント運営に関する規制は様々なものがありますので、イベント運営を検討されている方は、まずは専門家にご相談いただき、必要な規制等を把握いただくことをお勧めいたします。

 

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