編集著作物の意義

事典、雑誌、文学全集、新聞等のように、編集物であり、かつ素材の選択または配列によって操作性する者は編集著作物となり、著作権法上保護されます(著作権法12条1項)。
本日は、編集著作物に関する裁判例をご紹介いたします。
著作権に関する問題は、あまり馴染みがないようで、実は日常生活やビジネスに密接に関係する問題ですので、是非ご参照いただけますと幸いです。

 

1 編集著作物の意義

この点について参考となる裁判例としては、浮世絵春画一千年史事件(東京地判平成13・9・20判タ1097・282)があります。
本件は、浮世絵画集編集のための原稿であるペーパーレイアウトが編集著作物として認められるかどうかが問題となりました。

【判示の概要】
本件著作物のうち、解説文等の文章部分は春画浮世絵の分野における原告の学識・造詣を発揮して作成したもので、創作性を有する著作物であることはいうまでもない。
また、文章以外の部分、すなわち春画浮世絵の画像を選別し、これを配列したものに題字等を付した部分も、前記のとおり、春画浮世絵の分野における原告の学識・造詣を発揮して選別し、歴史的順序やデザイン上の観点からの考慮に従って配列したものであるから、原告の精神活動の成果としての創作性を有するものであって、「編集物でその素材の選択又はその配列に創作性を有するもの」(著作権法12条1項)、すなわち編集著作物に該当するものということができる。

 

以上のとおり、編集著作物となるためには、一定の編集方針に従って編集する必要があるものといえ、単に適当にまとめただけでは、編集著作物とは認められない点には注意が必要です。

 

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