保税倉庫で保管中の売買と輸入取引該当性について

1 保税倉庫で保管中の売買と輸入取引について

貨物を日本の保税倉庫に搬入後、輸入許可が下りる前に、当該貨物の売買が行われた場合の輸入取引の考え方はどのように考えることになるでしょうか。

例えば、日本に拠点を有するAが、海外在住のBから商品を購入し、日本の保税倉庫に搬入後、日本国内のCに対して、当該商品を転売したとします。
この場合、AB間の取引が輸入取引に該当するのか、それとも、AC間の取引が輸入取引に該当するのでしょうか。

ここで、そもそもの「輸入取引」の定義にさかのぼって考えてみますと、「輸入取引」とは、日本に拠点を有するものが買手として貨物を日本に到着させることを目的として売手との間で行った売買のことを指し、現実に当該貨物が日本に到着することとなった原因としての取引のことを指します(関税定率法第4条第1項、同法基本通達4-1(1))。

この定義を前提に考えますと、AC間の取引はあくまでも日本国内における国内取引過ぎず、AC間の取引があったことから貨物が日本に搬入されたわけではありません。
そのため、AB間の取引が輸入取引に該当すると考えて問題ないでしょう。

実際に輸入許可が下りるまでの間に複数の取引が行われている場合には、貨物が日本に到着することとなった直接の取引が何であるかを特定することが重要です。

2 輸出入をめぐるルールには様々なものがありますのでご注意ください

貨物の輸入や輸出に関するルールは、関税法や関税定率法、これらの通達等に規定されておりますが、なかなか一般的には理解が難しい点も多く、知らずに輸出入を行うと刑事罰や追徴課税などの様々なペナルティを課されてしますリスクがございます。

例えば、輸入する貨物の輸入申告価格を実際の貨物の価格よりも低額に申告した場合には明確な脱税となりますので、刑事罰や追徴課税など様々なペナルティがあります。輸入申告価格は、単に貨物の仕入れ価格と考えればよいわけではなく、様々な加算要素がありますので、慎重に検討することが非常に重要です。
他にも、輸出入特有の規制は多数ありますので、可能であれば、輸出入を継続的に行う最初の段階で事業計画が法的に問題ないかどうかをリーガルチェックすることをお勧めいたします。

最初の段階できちんとした体制を整備しておくことで、事業を円滑に進めることが可能となります。
弊事務所は、税関事後調査を含む税関対応や輸出入トラブルを中心に企業法務を幅広く扱っておりますので、お困りの点等ございましたら、まずはお気軽にお問い合わせいただけますと幸いです。

 

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