先日のコラムにおいて、複数の事業者との間で雇用契約を締結した場合における労働時間の考え方をご紹介いたしました。
本日は、同じ会社との間で複数の雇用契約を締結した場合における労働時間の考え方をご紹介いたします。
経営者の方にとっては非常に重要な考え方となりますので、ご参照いただけますと幸いです。
1 同じ会社との間で複数の雇用契約を締結した場合における労働時間の考え方
この点について、参考となる裁判例として、千代田ビル管財事件(東京地判平18・7・26労判923・25)をご紹介いたします。
この事件は、Aという会社のパートタイマーとして「清掃夜勤契約」を締結した従業員が、その後、A社の正社員として「清掃日勤(深夜)契約を締結して働いた場合において、労働時間の考え方が問題となった事案です。
【判示の概要】
両契約は、当事者が同一、就労場所が同一であること、両契約は勤務時間が違うだけであるという側面があること、清掃夜勤に続いて清掃日勤(深夜)契約が正社員契約であり、本件清掃夜勤契約がパートタイマー契約であること等が認められ、これらの諸事実に照らすと、原告は、被告の正社員として22時から6時までの間就労義務を負っており、これに加えて、清掃夜勤として18時から20時30分までの間働くのは、本件清掃日勤(深夜)契約の時間外労働、換言すれば早出残業をしていると位置づけるのが相当である。
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