通告処分という言葉を聞いたことがある方は少ないのではないでしょうか。
なかなか一般の方が通告処分の対象になることは多くはないので、あまり知られておりませんが、輸出入をビジネスとして行っている方にとっては、非常に重要な制度です。
以下では、通告処分の概要をご紹介いたしますので、これまで通告処分をご存知でなかった方は是非ご参照いただけますと幸いです。
1 通告処分について
税関長は、犯則事件の調査により販促の心証を得たときは、その理由を明示し、罰金に相当する金額、没収に該当する物件、追徴金に相当する金額、書類の送達並びに差し押さえ物件の運搬及び保管に要した費用を税関に納付すべき旨を書面により通告する必要があります(関税法146条1項)。
当該通告処分は、敢えて刑事上の処罰をもって臨むことを要しない犯則事件について、行政秩序の維持等を図るため、行政官庁の行政処分としてなされるものです。
反則者が通告の旨を履行したときは、同一事件について再び公訴を提起されることはありません(関税法146条5項)。
関税法の規定による通告処分は行政処分であるので、反則者が仮にその旨を履行したとしても法的には、単に行政処分に服従したにとどまり、必ずしも、国の刑事件が消滅したことになるとはいえません。
そのため、犯則者が更に刑事訴追を受けることがあるとすれば適当ではないので、関税法では、このような不合理を避けるため、明文の規定をもって、犯則者が通告の旨を履行したときは、一事不再理と同様の法律効果を生じることを規定しています。
2 弁護士へのご相談をご希望の方へ
当事務所は、代表弁護士が輸出入や通関に関する唯一の国家資格である通関士資格を有しており、輸出・輸入や通関上のトラブルに関するご相談を幅広くお受けしております。
弁護士に相談をした方がよいかお悩みの方もいらっしゃるものと思いますが、お悩みをご相談いただくことで、お悩み解消の一助となることもできます。
輸出・輸入や通関に関するトラブル、税関事後調査を含む税関対応等でお悩みの場合には、ご遠慮なく当事務所までご相談ください。