試用期間について

多くの企業では、本採用の前に従業員としての適格性等を判断するための期間として試用期間を設けております。
そこで、本日は、このような試用期間の法的性質等について、ご説明いたします。

 

1 試用期間の法的な位置づけ

試用期間の法的位置づけについて、裁判所は、個別の契約毎に具体的に判断されるとの留保を付しつつ、通常は、解約権留保付労働契約として構成されると考えているようです(最大判昭48・12・12民集27・11・1536(三菱樹脂事件))。
また、試用期間の長さについては、基本的に法令上制約はありませんが、1から6ヶ月程度とする企業が大多数であるようです。
もっとも、合理的理由がないにもかかわらず、長期に試用期間を設定する場合、公序良俗違反等と認定されてしまう場合もあるので、注意が必要です。

 

2 企業による解約権の行使

試用期間中に企業が解約権を行使する場合、その有効性は、通常の解雇の場合よりも広く認められます。
しかしながら、無制約に解約権の行使が有効であると認められるわけではなく、あくまでも、解約権留保の趣旨、目的に照らして客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当として是認されうる場合にのみ有効であるものと判断されます。
そして、企業側は、従業員の適格性がないと判断した根拠を客観的な資料に基づき示す必要がありますので、単に直属の上司が感覚的に当該従業員の適格性がないと判断した、等ということでは解約権の行使が有効であるとは認められない可能性が高いですので、注意が必要です。

 

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