本日は、インコタームズ2010の1つである、DAP条件についてご紹介いたします。
インコタームズは、当事者間の合意により契約内容の一部となるものであり、合意がない限り当事者間の契約に適用されるものではありませんが、幅広く利用されておりますので、是非ご参照いただけますと幸いです。
なお、インコタームズ2010として公表されている条件はこれ以外にも複数あり、当事者間の必要に応じて適切なインコタームズを利用することとなりますので、本コラムでも適宜ご紹介いたします。併せてご参照ください。
このページの目次
1 DAP条件について
DAP条件は、仕向地持込渡し条件とも呼ばれます。
具体的には、指定仕向地において、荷卸しの準備ができている、到着した輸送手段の上で、貨物が買主の処分に委ねられた時点で、売主が引渡しの義務を果たすことを意味しております。
2 DAP条件の注意点について
DAP条件の注意点としては、以下のとおりです。
①売主は、指定仕向地まで物品を運ぶことに伴う一切の危険を負担します。
②売主は、自己の費用により、指定仕向地、又は、指定仕向地における合意された地点があれば、その地点までの物品の運送契約を締結する必要があります。売主は、貨物を引き渡すまでの運送契約に伴う費用を負担します。
③売主は、貨物が引き渡されるまでの、貨物に関する一切の費用を負担します。
④売主は、適用できる場合には、事故の危険と費用により、物品の輸出のため、及び第三国通過のために、必要な輸出許可その他の認可を取得し、かつ一切の通関手続きを行わなければなりません。他方で、輸入に関わる通関、許認可取得は、買手側の義務となります。
3 弁護士へのご相談をご希望の方へ
当事務所は、代表弁護士が輸出入や通関に関する唯一の国家資格である通関士資格を有しており、輸出・輸入や通関上のトラブルに関するご相談を幅広くお受けしております。
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