周知商標の概要について

商標法においては、商標登録を受けることが出来ない事由が列記されております(商標法4条)。
このうち、本日は、「他人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であつて、その商品若しくは役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするもの」(10号。いわゆる周知商標)の概要をご紹介いたしますので、ご参照いただけますと幸いです。

1 周知商標の概要について

この点について参考となる裁判例に、麗姿事件(東京高判平14・12・25判時1817・135)があります。

【判時の概要】
本件は、原告を製造元、ちえの輪を総発売元とする原告らの企業グループから申立人が離脱して以降、同企業グループと、申立人に関連する企業グループとの双方が、いずれも自己の業務に係る商品を表示するものとして麗姿商標を使用してきたという事案に係るものである。

仮に、麗姿商標を使用する企業グループが申立人らの企業グループのみであるとするならば、麗姿商標に接した取引者、需要者は、麗姿商標が広く知られていないために特定の企業グループの業務に係る商品を表示するものと認識し得ないか、又は、当該商標が広く知られており申立人らの業務に係る商品を表示するものと認識するかのいずれかであるということができる。しかしながら、本件のように、麗姿商標を複数の企業グループが使用してきた場合には、当該商標そのものが広く知られたとしても、なお、これが複数の企業グループのいずれの業務に係る商品を表示するかについてまで広く知られていなければ、特定の企業グループの業務に係る商品を表示するものとして広く知られているということはできない。その意味でも、本件においては、麗姿商標が、原告らの企業グループではなく、申立人らの企業グループの業務に係る商品を表示するものとして広く知られていると認めることは困難である。

そのため、本件商標の登録出願時において、申立人商標を含む麗姿商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして取引者、需要者の間に広く知られていたということはできない。

 

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