DAT条件について

インコタームズは、当事者間で利用することを合意しない限りは適用されることはありませんが、国際貿易においては、非常に幅広く利用されております。
最新のインコタームズは、インコタームズ2020ですが、依然としてインコタームズ2010の利用が一般的ですので、本日は、インコタームズ2010の1つである、DAT条件についてご紹介いたします。
ご参照いただけますと幸いです。

 

1 DAT条件について

DAT条件は、ターミナル持込渡し条件とも呼ばれます。
DAT条件は、指定仕向港または仕向地における指定ターミナルで、物品が、いったん到着した輸送手段から荷下ろしされてから、買主の処分に委ねられたとき、売主が引渡しの義務を果たすことを意味します。
DAT条件におけるターミナルには、屋根があるかどうかを問わず、埠頭、倉庫、コンテナヤード、又は道路、鉄道もしくは航空貨物ターミナル等の場所が含まれます。

 

2 DAT条件の注意点について

DAT条件については、以下の点を注意する必要があります。

①売主は、指定仕向地または仕向地におけるターミナルまで物品を運び、かつ、ターミナルで荷下ろしすることに伴う一切の危険を負担します。
②売主は、自己の費用により、合意された仕向港または仕向地における指定ターミナルまでの物品の運送契約を締結する義務があります。また、売主は、物品を引き渡すまでの運送契約に伴う費用を負担する必要もあります。
③売主は、適用できる場合には、自己の危険と費用により、物品の輸出のため、および第三国通過のために、必要な輸出許可その他の認可を取得し、かつ一切の通関手続きを行わなければならない。他方で、輸入に関わる通関、許認可取得は買主の義務となります。

 

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