従業員が秘密保持義務に違反した場合における懲戒処分

本日は、従業員が秘密保持義務に違反した場合における懲戒処分に関する裁判例をご紹介いたします。
ご参照いただけますと幸いです。

 

1 古川鉱業事件(東京高判昭55・2・18労民31・1・49)

本事案は、従業員が、極秘資料を複写し、社外に漏洩させた行為について、労働協約及び就業規則上の秘密保持義務に違反するかどうかが問題となった事案です。

【判示の概要】
労働者は労働契約にもとづく附随的義務として、信義則上、使用者の利益をことさらに害するような行為を避けるべき責務を負うが、その一つとして使用者の業務上の秘密を洩らさないとの義務を負うものと解せられる。信義則の支配、従つてこの義務は労働者すべてに共通である。もとより使用者の業務上の秘密といつても、その秘密にかかわり合う程度は労働者各人の職務内容により異るが、管理職でないからといつてこの義務を免れることはなく、又自己の担当する職務外の事項であつても、これを秘密と知りながら洩らすことも許されない。
このような義務は、仮に自己の担当する業務についても同様に課されるものであり、秘密を漏洩することは許されない。

 

以上のとおり、従業員が秘密保持義務に違反した場合には、懲戒処分の対象となりますが、どのような場合でも一律に懲戒処分の対象とすることができるわけではなく、具体的な経緯等を踏まえる必要がありますので、注意が必要です。

 

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