解雇権濫用により整理解雇を無効とした裁判例

本日は、解雇権濫用により整理解雇を無効とした裁判例をご紹介いたします。
整理解雇の有効性に関しては、これまでも本らコラムにおいて何度かご紹介してまいりました。
会社側、労働者側いずれにとっても、整理解雇の有効性は非常に重要な問題となりますので、是非ご参照いただけますと幸いです。

 

1 あさひ保育園事件(最判昭58・10・27労判427・63)

保育園において園児の数が減少したことに伴い、人員を整理するために保母の一部を解雇したことが解雇権濫用に該当し無効であるかどうかが問題となった事案です。

【判示の概要】
原審の適法に確定した事実関係のもとにおいては、上告人において、園児の減少に対応し保母二名を人員整理することを決定すると同時に、被上告人ほか一名の保母を指命解雇して右人員整理を実施することを決定し、事前に、被上告人を含む上告人の職員に対し、人員整理がやむをえない事情などを説明して協力を求める努力を一切せず、かつ、希望退職者募集の措置を採ることもなく、解雇日の六日前になって突如通告した本件解雇は、労使間の信義則に反し、解雇権の濫用として無効である、とした原審の判断は、是認することができないものではなく、原判決に所論の違法はない。

以上の裁判例は、整理解雇の有効性を判断する4要素の内の解雇回避努力義務に関するものですが、整理解雇が無効と判断される一つの典型的な事案といえますので、他の事案でも参考となる裁判例といえます。

 

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