税関職員の調査権限の概要について

本日は、税関職員の調査権限の概要をご紹介いたします。
まず、関税等に関する法律の規定による職務の執行を円滑にし、これらの法律の実施の確保に支障がないようにする目的から、税関職員には、輸出入貨物について、輸出入者等に対して質問し、当該貨物についての帳簿書類を検査する権限が与えられております(関税法105条1項4号の2、6号)。

なお、この質問又は検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならないものとされております(関税法105条4項)。

 

1 輸出された貨物に係る調査

税関においては、輸出された貨物について、その輸出手続きなどに疑義が生じたような場合にその輸出手続等について再調査する必要があります。
このようなことから、税関職員は、輸出者、その輸出に係る通関業務を行った通関業者、当該輸出の委託者その他の関係者に質問し、又は当該貨物についての帳簿書類を検査することができることとされております(関税法105条1項4号の2)。

 

2 輸入された貨物に係る調査

貨物の輸入については、申告納税方式が前提とされているので、必ずしも、法令の規定に従った正しい申告が行われているとは限りません。
そのため、適正かつ公平な課税を実現するために、輸入貨物の通関後に納税申告が関税法等の規定意従って正しく行われているか否かを確認し、不適正な申告がある場合には、これを是正するとともに、併せて輸入者に対して適正な申告を行うよう指導する仕組みとして、輸入事後調査制度が導入されています。

輸入事後調査は、関税法105条1項6号の規定に基づいて実施されており、同号においては、税関職員の権限として、「輸入された貨物に付いて、その輸入者、その輸入に係る通関業務を取り扱った通関業者、当該輸入の委託者」、「その他の関係者に質問し、又は当該貨物を検査すること」ができることとされています。

 

3 弁護士へのご相談をご希望の方へ

当事務所は、代表弁護士が輸出入や通関に関する唯一の国家資格である通関士資格を有しており、輸出・輸入や通関上のトラブルに関するご相談を幅広くお受けしております。
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輸出・輸入や通関に関するトラブル、税関事後調査を含む税関対応等でお悩みの場合には、ご遠慮なく当事務所までご相談ください。

 

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