輸出代行業者や輸入代行業者を利用する際の課税価格の決定方法について

従来、輸出入といえば、商社や規模の大きな会社が中心になって行うものと考えられていました。

しかしながら、インターネットを利用すれば世界中とつながることが可能であるため現在では、中小企業や、ひいては一個人までが幅広く輸出入を業として行うことが日常となっております。

ここで、貨物を輸出入する際には、貨物の課税価格の決定のために「売手」及び「買手」を特定することが必須ですが、輸出代行業者や輸入代行業者を利用する場合には、誰が「売手」、「買手」に該当するのかわからない、というご質問をいただくことがあります。

1 輸出代行業者や輸入代行業者を利用する際の「売手」、「買手」について

「売手」、「買手」とは、実質的に自己の計算と危険負担に基づいて輸入取引を行う者のことを指します。より具体的には、輸入貨物の品質、数量、価格等を自らの責任により決定し、貨物の欠陥や数量不足等の取引上の危険を負担する者のことを指します(関税定率法第4条第1項、同法基本通達4-2(1))。

輸出代行業者や輸入代行業者については、形式的な名称だけで判断することは難しいですが、通常は、単に輸出や輸入の手続の代行業務を行うだけであり、実質的に自己の計算と危険負担に基づいて輸入取引を行うことはありません。

そのため、「売手」、「買手」はそれぞれ売買契約の当事者が該当することとなります。

例えば、個人で副業として輸出入を行う方も増えておりますが、輸出入の代行業者を利用したとしても、一切輸出入に関係ないということにはなりませんのでご注意ください。

2 輸入や輸出を継続的に(業として)行う場合には、ご注意ください

貨物の輸入や輸出に関する規制は、関税法や関税定率法等に規定されておりますが、なかなか通常の感覚では理解できない部分も多く、知らずに輸出入を行うと予想外の対応を事後的に強いられる場合もございます。

例えば、貨物の輸入のために現地でパートナーに動いてもらう場合、パートナーに支払う委託料については、課税価格に加算しなければならない場合も多く、加算せずに輸入申告を行う場合には、過少申告となり、事後的に追徴課税が行われることとなります。

他にも、輸出入特有の規制は多数ありますので、可能であれば、輸出入を継続的に行う最初の段階で事業計画が法的に問題ないかどうかをリーガルチェックすることをお勧めいたします。

弊事務所は、税関事後調査を含む税関対応や輸出入トラブルを中心に企業法務を幅広く扱っておりますので、お困りの点等ございましたら、まずはお気軽にお問い合わせいただけますと幸いです。

 

 

無料相談ご予約・お問い合わせ

 

ページの上部へ戻る

トップへ戻る

03-5877-4099電話番号リンク 問い合わせバナー