輸入事業者の書類保存義務

輸入や輸出を業とする個人、法人は、該当の貨物に関する品名、数量及び価格等を記載した帳簿を備え付け、帳簿、書類及び電子データを保存する義務を負います。

ただ、実際のところ、このような各書類の保存を適切に行うことができていない事業者も多く存在するように思います。

そこで、本日は、輸入者が保存すべき各書類をご紹介いたします。輸出者が保存すべき書類と大枠では同様ですが、保存期間が異なりますので、十分注意が必要です。

 

1 保存義務がある書類

(1)帳簿

まず、輸入者は、輸入許可が下りた日の翌日から7年間、帳簿を保存する必要があります。

帳簿における具体的な記載事項としては、該当の貨物の品名、数量、価格、仕出人の氏名(名称)、輸入許可年月日、許可書の番号を記載する必要があります。ただし、必要な事項が網羅されている場合には、既存の帳簿や仕入書等に追記したものでも代替可能であるとされております。

 

(2)輸入関係書類

輸入者は、輸入許可が下りた日の翌日から5年間、輸入関係書類を保存する必要があります。

輸入関係書類とは、

①輸入許可貨物の契約書、②仕入書、③運賃明細書、④保険料明細書、⑤包装明細書、⑥価格表、⑦製造者又は売渡人の作成した仕出人との間の取引についての書類、⑧その他税関長に対して輸入の許可に関する申告の内容を明らかにすることができる書類、

のことを指します。

 

(3)電磁的記録

輸入者は、輸入許可が下りた日の翌日から5年間、電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存する必要があります。

電磁的記録の具体的な内容としては、電子取引(インターネット等による取引、電子メール等により取引情報を授受する取引等を指します。)を行った場合における当該電子取引の取引情報、のことを指します。

 

2 輸出や輸入に関する不明点はお気軽にご相談ください

輸出や輸入に関しては、通常の売買とは異なる習慣や法規制が存在しますので、通常の売買と同じイメージをもち安易な対応を行うと思わぬ部分で足元をすくわれてしまうリスクがあります。

その一方で、輸出や輸入に関する知識を詳しく教えてもらうことができるケースは限られており、また、なんとなく輸出や輸入の手続を進めたとしても、手続自体は一見すると問題なく進む場合も多くあります。これは、輸入においては申告納税制度という制度が取られていることも多きない要因ではありますが、法律上は、輸入事業者は、輸入制度を適切に理解し、手続を行うことを前提として考えられております。

以上から、輸出や輸入という特別な取り扱いを行っていることを踏まえ、どのようにすればトラブルを回避することができるかを事前に把握した上で対応を行うことが非常に重要です。自社の輸出や輸入に関するフローが適切かどうかを再度確認いただくとともに、必要に応じて専門家にセカンドオピニオンを求める等、万全の態勢をトラブル発生前に構築しておくことが重要です。

 

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