本日は、輸入貨物の再販売収益を売手に交付する場合の課税価格の考え方について、ご紹介いたします。
貨物の輸入をビジネスとして行っている方にとっては、課税価格の考え方は非常に重要な問題となりますので、是非ご参照いただけますと幸いです。
1 輸入貨物の再販売収益を売手に交付する場合について
買手による当該輸入貨物の処分又は使用による収益で直接又は間接に売手に帰属するものは、加算要素の一つとされております。
また、「輸入貨物の処分又は使用による収益」とは、当該輸入貨物の再販売その他の処分又は使用によって得られる売上代金、賃貸料、加工賃等を構成するものを言うとされております。さらに、輸入貨物の利潤分配取引に基づき売手が買手に対して分配する利潤は、売手に帰属する収益に該当することとされております(関税定率法4条1項5号、関税定率法基本通達4-14)。
注意点としては、例えば、買手と売手が共同で事業を行っており、毎会計年度末に、買手の当期純利益の50%を売手側に配当するという場合、買手から売手への配当金の支払いは、輸入貨物と関係ないものですので、輸入貨物の再販売その他の処分又は使用により得られる収益ではないことから、課税価格に加算する必要はありません。
ただ、ここでの配当金については実質的に判断いたしますので、形式的に配当金として交付しても意味がない点は注意する必要があります。
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