企業の中には、従業員に対して通勤定期代の支給をしている場合も多いものと思います。
しかしながら、通勤定期代を後払いとする場合には、労働基準法に違反する可能性がありますのでご注意ください。
本日は、通勤定期代の支給方法について、ご紹介いたします。
このページの目次
1 賃金毎月払いの原則について
まず、賃金について簡単にご説明いたしますが、賃金とは、賃金、給与、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対象として使用者が労働者に支払うすべてのものを指します(労働基準法11条)。
そして、賃金は、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければなりません(労働基準法24条)。
ここで、この賃金毎月払いの原則に関連して、通勤定期代がよく問題となりますので注意が必要です。
通勤定期代は、就業規則や賃金規程で定めた場合には、原則、労働基準法11条の賃金に該当すると考えられております(昭和25・1・18基収130号、昭和33・2・13基発90号参照)。
そして、賃金毎月払いの原則の例外として、臨時に支払われる賃金その他これに準ずるもので省令(労基則8条)で定める賃金については、例外となるとされておりますが、通勤定期代は、この例外には該当しないと考えられております。
2 通勤定期代と賃金毎月払いの原則の関係について
通勤定期代について、数ヶ月分を一括で支払う場合が問題となります。
本人が出費をしなくて済むように、通勤定期代の前払いをする場合には、賃金毎月払いの原則には反しないものと考えられます。
他方で、通勤定期代の後払いをする場合には、賃金毎月払いの原則に反する可能性もありますので、注意が必要です。
一定の期間分をまとめて後払いすることにしている場合や、そのような取扱いに今後することを想定している場合には、慎重な判断が必要となりますので、ご注意ください。
3 弁護士へのご相談をご希望の方へ
当事務所は、人事労務を幅広く取り扱っており、従業員への賃金の支払いに関するご相談もお受けしております。
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有森FA法律事務所の代表弁護士、有森文昭です。東京大学法学部および法科大学院を卒業後、都内の法律事務所での経験を経て、当事務所を開設いたしました。通関士や行政書士の資格も有し、税関対応や輸出入トラブル、労働問題など、依頼者の皆様の多様なニーズにお応えしています。初回相談から解決まで一貫して対応し、依頼者の最良のパートナーとして、共に最適な解決策を追求してまいります。