従業員に対して懲戒処分を行う場合、初めに確認する必要があるのは、就業規則上の懲戒事由に該当するかどうかです。
就業規則上の懲戒事由に該当しない場合には懲戒処分を行うことができませんので注意が必要です。
本日は、就業規則上に規定されていない事由を理由とする懲戒処分に関する裁判例をご紹介いたします。
ご参照いただけますと幸いです。
このページの目次
1 立川バス事件(東京高判平2・7・19労判580・29)
【判示の概要】
本件で懲戒処分の根拠とされた「重要な経歴資格を偽ったとき」(五三条四号)についても、原則として懲戒解雇を予定し、情状により、出勤停止又は減給若しくは格下げに止めることができる旨を規定していることが明らかである。
このような懲戒に関する規定からみると、五三条は、懲戒解雇にふさわしい態様の非行を対象とした規定であり、懲戒の内容もそれに応じ、仮に情状酌量しても、出勤停止又は減給若しくは格下げに止めるものとして定められているのであり、更にそれを減じて譴責処分に付することは予定されていないものと解される。
したがって、本件のように、就業規則五三条の経歴詐称に該当することを理由に譴責処分に付することは、就業規則に違反し、無効といわなければならない。
繰り返しとなりますが、就業規則上の懲戒事由に該当しない場合には懲戒処分を行うことができませんので、懲戒処分を検討されている場合にはご注意ください。
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有森FA法律事務所の代表弁護士、有森文昭です。東京大学法学部および法科大学院を卒業後、都内の法律事務所での経験を経て、当事務所を開設いたしました。通関士や行政書士の資格も有し、税関対応や輸出入トラブル、労働問題など、依頼者の皆様の多様なニーズにお応えしています。初回相談から解決まで一貫して対応し、依頼者の最良のパートナーとして、共に最適な解決策を追求してまいります。