社内研修と労働時間について

「社内研修は、従業員としての本来の業務とは異なるものなので、従業員に社内研修に参加させたとしても、労働時間には該当しないのではないでしょうか?」、というご相談をお受けすることがあります。
結論としては、労働時間に該当する可能性がありますので、企業としては十分注意する必要があります。
以下、ご説明いたします。

 

1 社内研修の労働時間該当性について

繰り返しとなりますが、従業員が業務として行われる社内研修に参加した時間は、労働時間に該当する可能性があります。
そして、仮に社内研修に参加した時間が労働時間に該当すると判断される場合、例えば、休日に行われた社内研修への出席は、休日出勤として扱う必要がある等の点には注意が必要です。

ここで、法的に労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間のことを指します。
そして、このような労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かによって、客観的に定まると考えられています(最判平12・3・9判時1709・126)。

実際に、業務上必要な研修会に労働者が参加した時間は、法的に労働時間に該当すると判断した裁判例もあり、参考になります(大阪地判昭58・2・14労判405・64)。

 

2 社内研修を行う際の注意点について

上記1を踏まえ、仮に社内研修が業務の一環ではなく任意参加という形式を取っていたとしても、実際には参加しない従業員に対して、人事考課上の悪影響が及ぶ等何らかの不利益な扱いを受けるような場合には、客観的に使用者の指揮命令下に置かれていたものとして、法的には労働時間に該当すると判断される可能性もありますので、企業としては十分注意する必要があります。

 

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社内研修の労働時間該当性に関する問題をはじめとして、人事労務に関してご不明な点やご不安な点等ございましたら、お気軽に当事務所までご相談ください。

 

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