年次有給休暇の時季指定権について

年次有給休暇が労働者にとって非常に重要な制度であることはこれまでのコラムにおいてご紹介してまいりました。
年次有給休暇は基本的には労働者が自由に取得することができることが原則的なルールではあります。もっとも、労働者が一斉に年次有給休暇を取得する等、一定の場合には、労働者の年次有給休暇の自由な取得を認めると企業の業務にとって非常に重大な影響が生じる可能性があります。
そこで、労働基準法上、企業の時季変更権が認められておりますが、原則としてはあくまでも労働者が自由に取得日を決定できます。

本日は、このような年次有給休暇の時季指定権をご紹介いたしますので、ご参照いただけますと幸いです。

 

1 年次有給休暇の時季指定権について

時季という言葉からわかる通り、休暇時期の特定については、「季節」と「具体的時期」の2つの指定方法があることを前提としており、厳密には両者を分けて検討する必要があります。
まず、労働者が具体的に始期と終期を特定して時季指定を行った場合、使用者が適法な時季変更権を行使しない限り、その時季に年次有給休暇が成立し、当該労働日の就労義務が消滅します。
その意味で、このような時季指定権は、形成権と把握され、適法な時季変更権を解除条件としてその効果が発生します。

このような時季指定権行使の公課が発生するのは、あくまでも、具体的に始期と終期を特定した休暇の時季指定についての判断であることには注意が必要です(白石営林署事件・最判昭和48・3・2民集27・2・191等)。

 

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