「ハローワークで求人票をみて応募し就職が決まったものの、実際の労働条件は求人票の記載とは大きく異なるものでした。これって問題ではないですか。」というような話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
実際、ニュースでも定期的にこのような話題が取り上げられているように思います。
労働条件は、労使双方にとって非常に重要となりますので、本日は、求人票の記載についてご紹介いたします。
1 虚偽求人について
職業安定法65条9号(罰則を定めた規定)に、「虚偽の条件を提示して、公共職業安定所又は職業紹介を行う者に求人の申込みを行った者」という規定がありますので、求人票には虚偽の記載をしてはいけません。
仮に虚偽の記載をした場合には、罰則としては、6月以下の罰金又は30万円以下の罰金に処せられる可能性があります。
また、厚生労働大臣の定める指針(平成29年厚生労働省告示232号)の第3の1の3号においては、労働者の募集を行う者等は「明示する従事すべき業務の内容等は、虚偽又は誇大な内容としないこと」と規定されております。
労働者の募集や求人の申込みの際には、少なくとも以下の事項を書面により明示する必要があります。
この明示は、求職者が希望する場合には、電子メールにより明示することも可能です。
求人票において記載すべき事項は、以下の各事項になります。
①業務内容、②契約期間、③試用期間、④就業場所、⑤就業時間、⑥休憩時間、⑦休日、⑧時間外労働、⑨賃金、⑩加入保険、⑪募集者の氏名又は名称、⑫派遣労働者として雇用する場合
仮に、求人票とは異なる条件での契約締結を求める場合には、事前のなるべく早い段階で、その変更内容を書面で比較対照できる形式で明示する必要がありますので、ご注意ください。
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