Archive for the ‘コラム~通関手続、輸出入トラブル~’ Category

納税義務者が自ら関税額を訂正する方法について

2022-01-24

貨物の輸入をビジネスとして行っている方の中には、貨物の輸入後に輸入申告価格が間違っていたことが判明したため、輸入申告価格を訂正し、納税した関税額を訂正したいと考えたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本日は、輸入申告価格に誤りがあった場合に、納税義務者が自ら関税額を訂正する方法についてご紹介いたしますので、ご参照いただけますと幸いです。

 

1 納税義務者が自ら関税額を訂正する方法

(1)修正申告について
納税申告をした者又は納税申告を必要とする貨物についてその輸入の時までに納税申告がないことにより税関長から決定を受けた者は、納税申告、税関長が行った構成又は決定に係る課税標準又は納付すべき関税額が、その本来納付すべき関税額よりも過少であった場合には、自発的にその関税額を増額変更する申告をすることができます(関税法7条の14)。
このような増額変更のための申告を修正申告といいます。

(2)更正の請求について
また、納税申告をした者は、納税申告をした関税額又はこれについて税関長が行った更正にかかる関税額が本来納付すべき関税額よりも過大であった場合には、その過大な税額について、税関長に対して減額すべきことを請求することができます(関税法7条の15第1項)。
この税関長に対して税額の減額を請求することを更正の請求といいます。
更正の請求は、修正申告とは異なり、あくまでも税額の減額を税関長に対して請求するという形式となっている点には注意が必要です。

 

2 弁護士へのご相談をご希望の方へ

当事務所は、代表弁護士が輸出入や通関に関する唯一の国家資格である通関士資格を有しており、輸出・輸入や通関上のトラブルに関するご相談を幅広くお受けしております。
弁護士に相談をした方がよいかお悩みの方もいらっしゃるものと思いますが、お悩みをご相談いただくことで、お悩み解消の一助となることもできます。
輸出・輸入や通関に関するトラブル、税関事後調査を含む税関対応等でお悩みの場合には、ご遠慮なく当事務所までご相談ください。

通関業者の補完的納税義務について

2022-01-17

原則的な関税の納税義務者が輸入者である点については、先日のコラムでご紹介いたしました。
もっとも、例外的に通関業者が納税義務者となる場合もあります。
そこで、本日は、通関業者が納税義務を負う場合についてご紹介いたしますので、ご参照いただけますと幸いです。

 

1 通関業者の補完的納税義務について

貨物を輸入した場合、関税の原則的な納税義務者は、貨物の輸入者となります。
通関業者は、輸入者から委任を受けて、輸入者を代理して輸入貨物の通関業を行っているに過ぎませんので、通関業者が納税義務者になることは通常はありません。

しかしながら、通関業者は、通関業務に当たっては輸入者から通関に関する権限を委任されて税関に対する手続きを行うので、通関業者が委任された代理権限を越えて無権代理に類似するような行為をした場合には、例外的に、輸入者と連帯して補完的納税義務を負います(関税法13条の3)。

なお、通関業者が例外的に、輸入者と連帯して補完的納税義務を負うこととされているのは、「輸入の許可又は輸入の許可前引取りの承認を受けて引き取られた貨物について、納付された関税額に不足がある場合」において、以下の2つの要件を充足した場合に限られます。

①その輸入の許可又は輸入の許可前引取りの承認の際に当該貨物の輸入者とされたものの住所又は居所が明らかではなく、又はその者が輸入者でないと申立て、
②かつ、当該貨物の輸入に際してその通関業務を取り扱った通関業者が、その通関業務の委託をした者を明らかにすることができなかったとき

 

2 弁護士へのご相談をご希望の方へ

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税関職員の調査権限の概要について

2022-01-10

本日は、税関職員の調査権限の概要をご紹介いたします。
まず、関税等に関する法律の規定による職務の執行を円滑にし、これらの法律の実施の確保に支障がないようにする目的から、税関職員には、輸出入貨物について、輸出入者等に対して質問し、当該貨物についての帳簿書類を検査する権限が与えられております(関税法105条1項4号の2、6号)。

なお、この質問又は検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならないものとされております(関税法105条4項)。

 

1 輸出された貨物に係る調査

税関においては、輸出された貨物について、その輸出手続きなどに疑義が生じたような場合にその輸出手続等について再調査する必要があります。
このようなことから、税関職員は、輸出者、その輸出に係る通関業務を行った通関業者、当該輸出の委託者その他の関係者に質問し、又は当該貨物についての帳簿書類を検査することができることとされております(関税法105条1項4号の2)。

 

2 輸入された貨物に係る調査

貨物の輸入については、申告納税方式が前提とされているので、必ずしも、法令の規定に従った正しい申告が行われているとは限りません。
そのため、適正かつ公平な課税を実現するために、輸入貨物の通関後に納税申告が関税法等の規定意従って正しく行われているか否かを確認し、不適正な申告がある場合には、これを是正するとともに、併せて輸入者に対して適正な申告を行うよう指導する仕組みとして、輸入事後調査制度が導入されています。

輸入事後調査は、関税法105条1項6号の規定に基づいて実施されており、同号においては、税関職員の権限として、「輸入された貨物に付いて、その輸入者、その輸入に係る通関業務を取り扱った通関業者、当該輸入の委託者」、「その他の関係者に質問し、又は当該貨物を検査すること」ができることとされています。

 

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郵便物の検査について

2022-01-03

郵便物の輸出入通関手続は、通常の貨物の輸出入とは異なる特別な手続が取られておりますが、検査に関しても通常の貨物の場合とは異なる手続が想定されております。
そこで、本日は、郵便物を輸出入する際の税関における郵便物の検査について、ご紹介いたしますので、ご参照いただけますと幸いです。

 

1 郵便物の検査について

そもそも、郵便物に関してですが、日本郵便株式会社は、郵便物(信書のみを内容とするものを除きます。)を受け取ったときは、当該郵便物を輸出入しようとする者から、当該郵便物について関税法67条の輸出入申告を行う旨の申出があった場合を除き、当該郵便物を税関長に提示する必要があります(関税法76条3項)。

税関長は、日本郵便株式会社から提示された郵便物の提示を受けたときは、国際郵便を利用して不正な郵便物が輸出入されることを防止するため、当該郵便物について税関職員に必要な検査をさせます(関税法76条1項ただし書)。
税関職員は、郵便物の検査をする場合には、日本郵便株式会社の職員の立会いを受けることが必要です(関税法施行令66条の2第1項)。

以上の規定は、輸出入申告を要する20万円を超える輸出入郵便物に係る検査についても準用されます。

なお、税関職員は、検査をすべき郵便物の中に親書があると認められる場合には、郵便物の発送人又は名宛人に当該検査を受けるべき郵便物を開示させ、又はその承諾を得た上で、当該検査をする必要があります(関税法施行令66条の2第2項)。

 

2 弁護士へのご相談をご希望の方へ

当事務所は、代表弁護士が輸出入や通関に関する唯一の国家資格である通関士資格を有しており、輸出・輸入や通関上のトラブルに関するご相談を幅広くお受けしております。
弁護士に相談をした方がよいかお悩みの方もいらっしゃるものと思いますが、お悩みをご相談いただくことで、お悩み解消の一助となることもできます。
輸出・輸入や通関に関するトラブル、税関事後調査を含む税関対応等でお悩みの場合には、ご遠慮なく当事務所までご相談ください。

輸入者の製造物責任に関する裁判例

2021-12-27

本日は、輸入者の製造物責任に関連して、珍しい裁判例をご紹介いたします。
事案としては珍しいものですが、考え方は貨物の輸入をビジネスとして行っている方にとっては非常に参考になるものだと思いますので、是非ご参照いただけますと幸いです。

 

1 東京地判平成17年3月24日(判例時報1921・96)

本件は、形式的な輸入者が実質的には輸入を取り次いだにすぎず本邦の責任主体となるかが争われたもので、具体的な事案としては、ストーブを台湾の製造者の日本法人から購入して国内で販売するスーパーマーケットが本邦にいう製造業者に該当するかが問題となりました。

裁判では、販売者であるスーパーマーケットが海外製造元から直接輸入していると見るべき事情があると原告から主張され、形式的な輸入者である日本法人は単なる出先機関にすぎないかが検討されました。
結論として、判旨では、スーパーマーケットが日本法人から仕入れている事情を考慮し、日本法人が実質においても輸入者であると判断しました。

 

2 大阪地判平成22年7月7日判例時報2100・97

本件は、冷凍とんかつの輸入に関する事案ですが、形式的な輸入者から製造物を購入し、他に販売する事業者が、実質的に輸入者に該当するかが問題となりました。
裁判所は、販売事業者が形式的輸入者から購入している事情を考慮し、形式的輸入者が国内における流通の開始者として実質的にも輸入者であるとの判断をしました。

 

3 弁護士へのご相談をご希望の方へ

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輸入品の製造物責任の概要について

2021-12-23

本日は、輸入品の製造物責任について、ご紹介いたします。
貨物の輸入をビジネスとして行っている方にとっては、非常に重要な問題ですので、是非ご参照いただけますと幸いです。

 

1 輸入品の製造物責任の概要について

貨物を輸入し、当該貨物に何らかの問題がある場合、一般的に、輸入者は製造物責任を負う可能性があります(製造物責任法3条、2条3項3号)。
輸入者の製造物責任を考える場合、輸入品については、汚染時期が輸入の前後であるかが特に重要な点となります。
例えば、食品を輸入し、細菌性食中毒が発生した場合には、最近が輸入の前に食品に混入したのか、それとも輸入の後に食品に混入したのかが問題となります。
仮に、輸入の前に食品に細菌が混入している場合には、輸入者の製造物責任は肯定されます。他方で、輸入後、輸入者が業者に販売した後に細菌が混入したのであれば、輸入者の製造物責任は否定されます。

以上の参考になる裁判例としては、①カナダ産馬刺がO157に感染した事故に関する裁判例(東京地判平成16年8月31日判時1891・96)、及び②輸入瓶詰オリーブによる食中毒事故に関する裁判例(東京地判平成13年2月28日判タ1068・181)があります。

①では、細菌による汚染経路が不明であるとして輸入者の製造物責任が否定されました。

他方で、②においては、検出された細菌が国内ではほとんど検出されない細菌であるといった特徴等を踏まえて、商品の開封前に細菌が感染したと推定し、輸入者の製造物責任を肯定しました。

また、食品以外でも、輸入クロスバイク自転車で転倒事故が発生した場合に関する裁判例(東京地判平成25年3月25日判時2197・56)があり、個々では、輸入者の製造物責任が肯定されました。

 

2 弁護士へのご相談をご希望の方へ

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輸入貨物の再販売収益を売手に交付する場合について

2021-11-29

本日は、輸入貨物の再販売収益を売手に交付する場合の課税価格の考え方について、ご紹介いたします。
貨物の輸入をビジネスとして行っている方にとっては、課税価格の考え方は非常に重要な問題となりますので、是非ご参照いただけますと幸いです。

 

1 輸入貨物の再販売収益を売手に交付する場合について

買手による当該輸入貨物の処分又は使用による収益で直接又は間接に売手に帰属するものは、加算要素の一つとされております。
また、「輸入貨物の処分又は使用による収益」とは、当該輸入貨物の再販売その他の処分又は使用によって得られる売上代金、賃貸料、加工賃等を構成するものを言うとされております。さらに、輸入貨物の利潤分配取引に基づき売手が買手に対して分配する利潤は、売手に帰属する収益に該当することとされております(関税定率法4条1項5号、関税定率法基本通達4-14)。

注意点としては、例えば、買手と売手が共同で事業を行っており、毎会計年度末に、買手の当期純利益の50%を売手側に配当するという場合、買手から売手への配当金の支払いは、輸入貨物と関係ないものですので、輸入貨物の再販売その他の処分又は使用により得られる収益ではないことから、課税価格に加算する必要はありません。
ただ、ここでの配当金については実質的に判断いたしますので、形式的に配当金として交付しても意味がない点は注意する必要があります。

 

2 弁護士へのご相談をご希望の方へ

当事務所は、代表弁護士が輸出入や通関に関する唯一の国家資格である通関士資格を有しており、輸出・輸入や通関上のトラブルに関するご相談を幅広くお受けしております。
弁護士に相談をした方がよいかお悩みの方もいらっしゃるものと思いますが、お悩みをご相談いただくことで、お悩み解消の一助となることもできます。
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輸入貨物と共に輸入される容器と課税価格について

2021-11-12

本コラムにおいて、これまで貨物を輸入する際の課税価格の考え方、加算要素等について何度かご紹介してまいりました。
本日は、輸入貨物とともに輸入される容器と課税価格の考え方についてご紹介いたします。
貨物の輸入をビジネスとして行っている方にとっては、課税価格の考え方は非常に重要ですので、ご参照いただけますと幸いです。

 

1 輸入貨物と共に輸入される容器と課税価格について

輸入貨物の課税価格は、「現実支払価格」にその含まれていない限度において「加算要素」の額を加えた価格によりことを原則としております(関税定率法4条1項)。
この加算要素については、関税定率法4条1項各号において列挙されており、同行2号ロにおいて、「輸入貨物に係る輸入取引に関し買手により負担される当該輸入貨物の容器の費用」が規定されております。
そして、この「容器」とは、関税率表の解釈に関する通則5「ケースその他これに類する容器並びに包装材料及び包装容器の取扱い」の規定により「当該物品に含まれる」おのとされるケースその他これに類する容器及び包装容器をいいます。

以上のとおりですので、例えば、国内でペットボトルに飲料水を詰めて販売するために、海外か、飲料水と、ペットボトルをそれぞれ輸入した場合には、当該ペットボトルは、輸入時に飲料水を収納している容器等ではありませんので、課税価格に加算する必要はありません。飲料水とペットボトルをそれぞれ算定すればよいものと考えられます。

 

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コンテナの賃借料と課税価格について

2021-11-01

これまでの本コラムにおいて、運賃と課税価格の考え方を何度かご紹介してまいりました。
本日は、コンテナの賃借料と課税価格についてご紹介いたします。
課税価格の考え方は、輸入をビジネスとして行っている方にとっては、非常に重要な考え方となりますので、ご参照いただけますと幸いです。

 

1 コンテナの賃借料と課税価格について

まず、課税価格に加算すべき「輸入港までの運賃等」とは、原則として、輸入貨物を輸入港まで運送するために実際に要した運送費用及び保険料並びに当該運送に伴う積卸しその他の取扱いのための費用をいいます。
そして、コンテナは貨物を運搬するための運搬具ですので、その賃借料のうち、輸入貨物の本邦の輸入港到着までの期間に対応する額は、課税価格に加算する必要があります。

ただし、算入される賃料の額は、輸入貨物の本邦の輸入港到着までの期間に対応する額が明確な場合には、当該期間に対応する額となりますが、明確ではない場合には、支払われる賃料の全額となります。
すなわち、賃借料の総額しかわからない場合には、当該総額が課税価格に加算することになりますが、輸入港到着日の翌日以降の期間に対応する額が明白である場合には、その額を控除し、コンテナのリース開始日から輸入貨物が本邦に到着した日までの賃料のみを加算することができます。

以上のとおり、コンテナの賃借料と課税価格の考え方においては特別な考え方が採られておりますので注意が必要です。

 

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当事務所は、代表弁護士が輸出入や通関に関する唯一の国家資格である通関士資格を有しており、輸出・輸入や通関上のトラブルに関するご相談を幅広くお受けしております。
弁護士に相談をした方がよいかお悩みの方もいらっしゃるものと思いますが、お悩みをご相談いただくことで、お悩み解消の一助となることもできます。
輸出・輸入や通関に関するトラブル、税関事後調査を含む税関対応等でお悩みの場合には、ご遠慮なく当事務所までご相談ください。

特例申告書を提出期限までに提出しない罪等について

2021-10-20

これまで、本コラムにおいて、関税法上の犯罪に関する規定を何度かご紹介してまいりました。
本日は、関税法上の犯罪に関する規定のうち、あまり知られてはいない規定ではありますが、特例申告書を提出期限までに提出しない罪、税関職員の質問に答弁しない等の罪、そして重大な過失犯に関する規定を、ご紹介いたします。
特に税関職員の質問に答弁しない等の罪に関しては、輸出入をビジネスとして行っている方にとっては身近な問題ですのでご参照いただけますと幸いです。

 

1 特例申告書を提出期限までに提出しない罪

正当な理由がなく、特例申告書をその提出期限までに提出しなかった場合、1年以下の懲役または200万円以下の罰金に処せられます。
ただし、上場によりその刑を免除することができます(関税法113条の2)。

 

2 税関職員の質問に答弁しない等の罪

関税法105条の規定による税関職員の質問に対して答弁をせず、若しくは偽りの陳述をし、又はその職務の執行を拒み、妨げ若しくは忌避した者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます(関税法114条の2第16号)。
税関職員の質問に対する答弁許否又は忌避、虚偽答弁を処罰することとし、その権限の行使を実行ある者にするための規定です。

 

3 重大な過失犯

重大な過失により111条1項2号(許可を受けないで輸出入する等の罪)、113条(許可を受けないで不開港に出入する罪)、114条、114条の2(16号及び17号を除く。)、115条(報告を怠った等の罪)、又は115条の2(1号、7号及び16号を除く。)(帳簿の記載を怠った等の罪)の罪を犯した者についても、当該各条の罰金刑が科される。

 

4 弁護士へのご相談をご希望の方へ

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