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事前教示制度~業務委託料の考え方~
輸入・輸出を業として行われている方は、事前教示制度という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
事前教示制度とは税番や関税評価について実際の輸出入を行う前に税関に対して照会を行い、税関側の判断を確認するための制度です。
税関のHPにおいては、事前教示制度における実際の回答内容が公表されておりますので、本日は、参考となる一例ご紹介いたします。
1 事案
日本所在のA社はE国所在の製造者であるB社との間で委託加工貿易を締結し日本から無償で提供した材料を加工させ、当該加工によって出来上がった製品である機器をCIF条件にて輸入しています。
そして、A社は輸出、輸入の手続を日本国内のX社に業務委託をしています。
このような取引状況について、照会者の見解は以下のとおりです。
『輸入者と輸出者は、輸入貨物の品質、数量、価格等について取り決め、瑕疵、数量不足等の危険を負担する者であることから、輸入者と輸出者による取引となります。そして、当該取引においてX社は、輸入者と締結した業務委託契約に基づき、輸入者の指示により輸入者の代理として当該取引に関する通関業務を行う手助けをしている者であることから、当該契約のうち輸入業務に関して支払われる対価の額は、関税定率法第4条第1項第2号イの「仲介料その他の手数料」に該当せず、課税価格に算入する必要はないものと考えます。他方で、輸出に関してX社に支払う手数料は、関税定率法第4条第1項第3号イの無償提供材料に係る費用の一部として、課税価格に算入する必要があると考えます。』
2 回答内容
輸入者がX社に支払う業務委託手数料のうち、E国への無償支給材料の輸出に係る業務に対する手数料については、輸入者が関税定率法第4条第1項第3号イに規定されている「輸入貨物に組み込まれている材料、部分品又はこれらに類するもの」を輸出者に提供するために要した運賃等の費用であって買手により負担されるものに該当することから輸入貨物の課税価格に算入されます。
他方で、E国からの輸入貨物の輸入に係る業務に対する手数料については、関税定率法第4条第1項第2号に規定されている「輸入貨物に係る輸入取引に関し買手により負担される手数料又は費用」には該当しないことから輸入貨物の課税価格に算入されません。
3 事前教示制度を利用する際には弁護士への事前相談もご検討ください
事前教示制度においては、正確な情報を税関に対して伝えることが非常に重要であり、間違った情報を踏まえた税関からの回答では何らの意味もありません。
税関に対してどのような情報をどのように伝え理解してもらうかということはなかなか難しいところでもあり、慎重に執り行う必要があります。
当事務所は、輸出入や貿易関連のトラブル、事前教示制度の利用や税関事後調査をはじめとする税関対応等を幅広く取り扱っておりますので、事前教示制度の利用をご検討いただいている場合には、まずはご相談ください。

有森FA法律事務所の代表弁護士、有森文昭です。東京大学法学部および法科大学院を卒業後、都内の法律事務所での経験を経て、当事務所を開設いたしました。通関士や行政書士の資格も有し、税関対応や輸出入トラブル、労働問題など、依頼者の皆様の多様なニーズにお応えしています。初回相談から解決まで一貫して対応し、依頼者の最良のパートナーとして、共に最適な解決策を追求してまいります。
近時の犯則調査の実施状況
輸入・輸出を業として行われている方は、犯則調査という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
知り合いの会社が、税関から犯則調査を実施され大変な事態となっていた等の話を聞いた経験がある方も相当程度いらっしゃるものと思われます。
犯則調査が行われた場合には、告発され刑事事件化されるケースとそこまではいたらず通告処分で終わるケースがあります。
本日は犯則調査の概要についてご紹介いたします。
1 犯則調査による処分
税関のHPにおいて公表された資料を整理した結果となりますが、犯則調査の実施状況は次のとおりです。
①平成29事務年度の処分件数は、841件、その内告発された件数は33件、通告処分となった件数は808件
②平成30事務年度の処分件数は、536件、その内告発された件数は12件、通告処分となった件数は524件
③令和元事務年度の処分件数は、271件、その内告発された件数は9件、通告処分となった件数は262件
④令和2事務年度の処分件数は、36件、その内告発された件数は4件、通告処分となった件数は32件
⑤令和3事務年度の処分件数は、39件、その内告発された件数は2件、通告処分となった件数は37件
犯則調査による処分件数は減少しているように見えますが、あくまでもコロナ禍において海外との往来が制限されていたことから処分件数が減少したにすぎず一過性の傾向となります。
今後は従来の件数程度まで件数自体が戻るものと考えられます。
2 犯則調査の対象となった場合
犯則調査の対象となった場合には、通告処分で終わりどうせ刑事事件にはならないから大丈夫だろうと高を括ってしまう方もいらっしゃいます。
しかしながら、上記のとおり、犯則調査の結果、告発がなされ、刑事事件化される場合もありますので、犯則調査は刑事事件の前段階であるという意識を強く持ち慎重に対応することが必須です。
また、税関に対して虚偽の事実を伝えて何とか処分を軽くしようとする方もおりますが、このような対応は絶対に行ってはいけないことはくれぐれも留意していただく必要があります。
加えて、最近の件数を踏まえて、犯則調査によって処分が行われた事件の内告発されたケースが少ないからと言って刑事事件化されないだろうと安易に考えることも絶対に避けた方が良いと言えます。
まずは、冷静に落ち着いて状況を確認し、その後の流れを確認する意味でも、万一犯則調査の対象となってしまった場合には、速やかに弁護士にご相談いただくことをお勧めいたします。
当事務所は、輸出入や貿易関連のトラブル、税関事後調査をはじめとする税関対応等を幅広く取り扱っておりますので、犯則調査の対象となった場合には、まずはご相談ください。

有森FA法律事務所の代表弁護士、有森文昭です。東京大学法学部および法科大学院を卒業後、都内の法律事務所での経験を経て、当事務所を開設いたしました。通関士や行政書士の資格も有し、税関対応や輸出入トラブル、労働問題など、依頼者の皆様の多様なニーズにお応えしています。初回相談から解決まで一貫して対応し、依頼者の最良のパートナーとして、共に最適な解決策を追求してまいります。
犯則調査の実施状況
輸入・輸出を業として行われている方は、犯則調査という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
知り合いの会社が、税関から犯則調査を実施され大変な事態となっていた等の話を聞いた経験がある方も相当程度いらっしゃるものと思われます。
犯則調査が行われた場合には、告発され刑事事件化されるケースとそこまではいたらないケースがあります。
本日は犯則調査の概要についてご紹介いたします。
1 犯則調査による処分
税関のHPにおいて公表された資料を整理した結果となりますが、犯則調査の実施状況は次のとおりです。
①平成26事務年度の処分件数は、333件、その内告発された件数は5件、通告処分となった件数は328件
②平成27事務年度の処分件数は、465件、その内告発された件数は13件、通告処分となった件数は452件
③平成28事務年度の処分件数は、561件、その内告発された件数は12件、通告処分となった件数は549件
④平成29事務年度の処分件数は、841件、その内告発された件数は33件、通告処分となった件数は808件
⑤平成30事務年度の処分件数は、536件、その内告発された件数は12件、通告処分となった件数は524件
2 犯則調査の対象となった場合
犯則調査の対象となった場合には、非常に動転される方も多い一方で、どうせ刑事事件にはならないから大丈夫だろうと高を括ってしまう方もいらっしゃいます。
しかしながら、上記のとおり、犯則調査の結果、告発がなされ、刑事事件化される場合もありますので、犯則調査は刑事事件の前段階であるという意識を強く持ち慎重に対応することが必須です。
税関に対して虚偽の事実を伝えて何とか処分を軽くしようとする方もおりますが、このような対応は絶対に行ってはいけないことはくれぐれも留意していただく必要があります。
また、犯則調査によって処分が行われた事件の内告発されたケースが少ないからと言って刑事事件化されないだろうと安易に考えることも絶対に避けた方が良いと言えます。
まずは、冷静に落ち着いて状況を確認し、その後の流れを確認する意味でも、万一犯則調査の対象となってしまった場合には、速やかに弁護士にご相談いただくことをお勧めいたします。
当事務所は、輸出入や貿易関連のトラブル、税関事後調査をはじめとする税関対応等を幅広く取り扱っておりますので、犯則調査の対象となった場合には、まずはご相談ください。

有森FA法律事務所の代表弁護士、有森文昭です。東京大学法学部および法科大学院を卒業後、都内の法律事務所での経験を経て、当事務所を開設いたしました。通関士や行政書士の資格も有し、税関対応や輸出入トラブル、労働問題など、依頼者の皆様の多様なニーズにお応えしています。初回相談から解決まで一貫して対応し、依頼者の最良のパートナーとして、共に最適な解決策を追求してまいります。
犯則調査による処分
輸入・輸出を業として行われている方は、犯則調査という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
知り合いの会社が、税関から犯則調査を実施され大変な事態となっていた等の話を聞いた経験がある方も相当程度いらっしゃるものと思われます。
犯則調査が行われた場合には、告発され刑事事件化されるケースとそこまではいたらないケースがあります。
1 犯則調査による処分
税関のHPにおいて、犯則調査とは「犯則事件について、証拠を発見・収集し、犯則事実の有無及び犯則者を確定させるための手続きであり、告発又は通告処分を終局の目標として行う調査」の表現されております。
簡単にいうと、犯則事件とは、税金に関する犯罪を指しますが、税関の調査対象は、主として関税及び内国消費税となります。
犯則調査の結果、刑事事件相当であると判断された場合には告発されることとなりますが、他方で、通告処分で済む場合もあります。
通告処分という言葉について補足いたしますと、税関による犯則調査の結果、その情状が罰金刑に相当すると判断された場合において、税関長がその罰金に相当する金額の納付を求める処分のことを指し、刑事処分ではなくあくまでも行政処分であるという点が特色です。
そのため、反則者の立場からすると、刑事事件にならず通告処分で終わって欲しいと考えることが通常です。
2 犯則調査の対象となった場合
犯則調査の対象となった場合には、非常に動転される方も多い一方で、刑事事件ではないから大丈夫だろうと高を括ってしまう方もいらっしゃいます。
しかしながら、上記のとおり、犯則調査の結果、告発がなされ、刑事事件化される場合もありますので、犯則調査は刑事事件の前段階であるという意識を強く持ち慎重に対応することが必須です。
税関に対して虚偽の事実を伝えて何とか処分を軽くしようとする方もおりますが、このような対応は絶対に行ってはいけないことはくれぐれも留意していただく必要があります。
まずは、冷静に落ち着いて状況を確認し、その後の流れを確認する意味でも、万一犯則調査の対象となってしまった場合には、速やかに弁護士にご相談いただくことをお勧めいたします。
当事務所は、輸出入や貿易関連のトラブル、税関事後調査をはじめとする税関対応等を幅広く取り扱っておりますので、犯則調査の対象となった場合には、まずはご相談ください。

有森FA法律事務所の代表弁護士、有森文昭です。東京大学法学部および法科大学院を卒業後、都内の法律事務所での経験を経て、当事務所を開設いたしました。通関士や行政書士の資格も有し、税関対応や輸出入トラブル、労働問題など、依頼者の皆様の多様なニーズにお応えしています。初回相談から解決まで一貫して対応し、依頼者の最良のパートナーとして、共に最適な解決策を追求してまいります。
最近の犯則調査の事例
輸入・輸出を業として行われている方は、犯則調査という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
また、税関から犯則調査を実施された場合には会社の存亡にかかわる重大な事態となってしまう等の噂や事例を聞いたことがある方も相当程度いらっしゃるものと思われます。
本日は税関から公表されている犯則調査の具体的な事例についてご紹介いたします。
1 犯則調査の事例について
例年、犯則調査の内、7割前後は金地金に関する密輸事件が占めている状況です。
金地金に関する密輸事件に関して税関のHPにて公表されている具体的な事例を紹介いたしますと、
犯則者は、マレーシアから入国する際に、金地金4キログラムを身辺に隠匿し、税関長の許可を受けることなく輸入しようとした事案において、消費税及び地方消費税約150万円を不正に免れようとしました。そして、その後の税関による犯則調査の結果、犯則者は、過去、マレーシア、シンガポール及び台湾から入国する際に、同様の手口で金地金合計62キログラムを税関長の許可を受けることなく輸入し、消費税及び地方消費税約2200万円を不正に免れていたことが認められました。
2 犯則調査の対象となった場合
犯則調査の対象となった場合には、突然のことで動転してしまい混乱してしまう方も多い一方で、刑事事件ではないから大丈夫だろう等と高を括ってしまう方もいらっしゃいます。
犯則調査とは、要するに脱税事件の調査であり、場合によっては刑事事件に発展する可能性も十分にありますので、実質的には刑事事件と同様の対応が必須です。そのため、安易な対応や軽率な対応は非常にリスクがあるものであると言わざるを得ません。
他方で、恐怖のあまり、早く事件を解決させようと虚偽の主張や虚偽の自白をしてしまおうとされる方もおりますが、このような対応は絶対にとってはいけません。このような対応を取るとどこかで客観的な事実との間での整合性が取れず、さらに税関から厳しい追及を受けることになる等厄介な状況となってしまうでしょう。
冷静に対応しつつ、税関側の調査に協力し、自分が行ってしまったことの反省をしていただくことが重要ではありますが、なかなか一般の方で突然このような対応を取ることは至難の業といえるでしょう。
まずは、冷静に落ち着いて状況を確認し、その後の流れを確認する意味でも、万一犯則調査の対象となってしまった場合には、速やかに弁護士にご相談いただくことをお勧めいたします。
当事務所は、輸出入や貿易関連のトラブル、税関事後調査をはじめとする税関対応等を幅広く取り扱っておりますので、犯則調査の対象となった場合には、まずはご相談ください。

有森FA法律事務所の代表弁護士、有森文昭です。東京大学法学部および法科大学院を卒業後、都内の法律事務所での経験を経て、当事務所を開設いたしました。通関士や行政書士の資格も有し、税関対応や輸出入トラブル、労働問題など、依頼者の皆様の多様なニーズにお応えしています。初回相談から解決まで一貫して対応し、依頼者の最良のパートナーとして、共に最適な解決策を追求してまいります。
犯則調査の事例
輸入・輸出を業として行われている方は、犯則調査という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
税関から犯則調査を実施された場合には会社の存亡にかかわる重大な事態となってしまう等の噂を聞いたことがある方も相当程度いらっしゃるものと思われます。
本日は税関から公表されている犯則調査の事例についてご紹介いたします。
1 犯則調査の事例について
例年、犯則調査の内、7割前後は金地金に関する密輸事件が占めている状況です。
税関のHPにて公表されている具体的な事例を紹介いたしますと、
香港からの航空貨物によって、自動車用サスペンション内に隠匿した金地金合計220キログラムを税関長の許可を受けることなく輸入しようとしたという事案において、反則者は、消費税及び地方消費税約8200万円を不正に免れようとしました。税関による犯則調査の結果、当該反則者は過去に、同様の手口で金地金合計609キログラムを税関長の許可を受けることなく輸入し、消費税及び地方消費税約2億2千万円を不正に免れていたことが認められました。
2 犯則調査の対象となった場合
犯則調査の対象となった場合には、突然のことで動転してしまい混乱してしまう方も多い一方で、刑事事件ではないから大丈夫だろう等と高を括ってしまう方もいらっしゃいます。
犯則調査とは、要するに脱税事件の調査であり、場合によっては刑事事件に発展する可能性も十分にありますので、実質的には刑事事件と同様の対応が必要となる状況です。そのため、安易な対応は非常に危険であると言わざるを得ません。
他方で、恐怖のあまり、早く事件を解決させようと虚偽の主張や虚偽の自白をしてしまおうとされる方もおりますが、このような対応は絶対にとってはいけません。このような対応を取るとどこかで客観的な事実との間での整合性が取れず、さらに厄介な状況となってしまうでしょう。
冷静に対応しつつ、税関側の調査に協力し、自分が行ってしまったことの反省をしていただくことが重要ではありますが、なかなか一般の方で突然このような対応を取ることは至難の業といえるでしょう。
まずは、冷静に落ち着いて状況を確認し、その後の流れを確認する意味でも、万一犯則調査の対象となってしまった場合には、速やかに弁護士にご相談いただくことをお勧めいたします。
当事務所は、輸出入や貿易関連のトラブル、税関事後調査をはじめとする税関対応等を幅広く取り扱っておりますので、犯則調査の対象となった場合には、まずはご相談ください。

有森FA法律事務所の代表弁護士、有森文昭です。東京大学法学部および法科大学院を卒業後、都内の法律事務所での経験を経て、当事務所を開設いたしました。通関士や行政書士の資格も有し、税関対応や輸出入トラブル、労働問題など、依頼者の皆様の多様なニーズにお応えしています。初回相談から解決まで一貫して対応し、依頼者の最良のパートナーとして、共に最適な解決策を追求してまいります。
金地金に関する犯則調査
輸入・輸出を業として行われている方は、犯則調査という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
知り合いの会社が、税関から犯則調査を実施され大変な事態となっていた等の経験がある方も相当程度いらっしゃるものと思われます。
本日は犯則調査の概要についてご紹介いたします。
1 犯則調査の状況について
税関が公表する情報を踏まえてご説明いたしますと、
①平成29事務年度の処分件数は841件(内金地金の件数は、720件)
②平成30事務年度の処分件数は536件(内金地金の件数は、404件)
③令和元事務年度の処分件数は271件(内金地金の件数は、199件)
④令和2事務年度の処分件数は36件(内金地金の件数は、20件)
⑤令和3事務年度の処分件数は39件(内金地金の件数は、13件)
犯則調査の対象となった事件としては、平成30事務年度までは、金地金の密輸事案が非常に多かったと言えます。
しかしながら、伝染病の影響で海外との往来に制限が掛かった昨今はそもそも密輸事案が発生する状況になり得ませんので、全体の件数自体が非常に減っております。
ただ、この傾向はあくまでも伝染病由来のものですので、基本的には、年間で1000件前後は犯則調査を踏まえて処分が実施されたものと考えてよいでしょう。
2 犯則調査の対象となった場合
犯則調査の対象となった場合には、非常に動転しどうしてよいか分からないと混乱してしまう方も多い一方で、刑事事件ではないから大丈夫だろう等と高を括ってしまう方もいらっしゃいます。
犯則調査とは、要するに脱税事件の調査であり、場合によっては刑事事件に発展する場合もあります。そのため、安易な対応は非常に危険であると言わざるを得ません。
ただ、その一方で恐怖のあまり、早く事件を解決させようと虚偽の主張や自白をしてしまおうとされる方もおりますが、このような対応は絶対にとってはいけません。このような対応を取るとどこかで整合性が取れず、ますます厄介な状況となってしまうでしょう。
冷静に対応しつつ、税関側の調査に協力し、自分が行ってしまったことの反省をしていただくことが重要ではありますが、なかなか一般の方で突然このような対応を取ることは至難の業といえるでしょう。
まずは、冷静に落ち着いて状況を確認し、その後の流れを確認する意味でも、万一犯則調査の対象となってしまった場合には、速やかに弁護士にご相談いただくことをお勧めいたします。
当事務所は、輸出入や貿易関連のトラブル、税関事後調査をはじめとする税関対応等を幅広く取り扱っておりますので、犯則調査の対象となった場合には、まずはご相談ください。

有森FA法律事務所の代表弁護士、有森文昭です。東京大学法学部および法科大学院を卒業後、都内の法律事務所での経験を経て、当事務所を開設いたしました。通関士や行政書士の資格も有し、税関対応や輸出入トラブル、労働問題など、依頼者の皆様の多様なニーズにお応えしています。初回相談から解決まで一貫して対応し、依頼者の最良のパートナーとして、共に最適な解決策を追求してまいります。
犯則調査にご注意ください
輸入・輸出を業として行われている方は、犯則調査という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
知り合いの会社が、税関から犯則調査を実施され大変な事態となっていた等の経験がある方も相当程度いらっしゃるものと思われます。
1 犯則調査とは
税関のHPにおいて、犯則調査とは「犯則事件について、証拠を発見・収集し、犯則事実の有無及び犯則者を確定させるための手続きであり、告発又は通告処分を終局の目標として行う調査」の表現されております。
簡単にいうと、犯則事件とは、税金に関する犯罪を指しますが、税関の調査対象は、主として関税及び内国消費税となります。
令和3事務年度においては、税関が行った犯則調査の結果、令和3事務年度に処分又は税関長による通告処分した件数は39件、脱税額は、総額で約8千万円となりました。
犯則調査の対象として特に顕著な例は、金地金に関する事件や、バッグや時計などの有名ブランド品に関する事件が多いといえます。
なお、通告処分という言葉について補足いたしますと、税関による犯則調査の結果、その情状が罰金刑に相当すると判断された場合において、税関長がその罰金に相当する金額の納付を求める処分のことを指し、刑事処分ではなくあくまでも行政処分であるという点が特色です。
2 犯則調査の対象となった場合
犯則調査の対象となった場合には、非常に動転される方も多い一方で、刑事事件ではないから大丈夫だろうと高を括ってしまう方もいらっしゃいます。
犯則調査とは、要するに脱税事件の調査であり、場合によっては刑事事件に発展する場合もありますので、安易な対応は非常に危険であると言わざるを得ません。
ただ、その一方で恐怖のあまり、早く事件を解決させようと虚偽の主張や自白をしてしまおうとされる方もおりますが、このような対応は絶対にとってはいけません。
冷静に対応しつつ、税関側の調査に協力し、自分が行ってしまったことの反省をしていただくことが重要ではありますが、なかなか一般の方で突然このような対応を取ることは至難の業といえるでしょう。
まずは、冷静に落ち着いて状況を確認し、その後の流れを確認する意味でも、万一犯則調査の対象となってしまった場合には、速やかに弁護士にご相談いただくことをお勧めいたします。
当事務所は、輸出入や貿易関連のトラブル、税関事後調査をはじめとする税関対応等を幅広く取り扱っておりますので、犯則調査の対象となった場合には、まずはご相談ください。

有森FA法律事務所の代表弁護士、有森文昭です。東京大学法学部および法科大学院を卒業後、都内の法律事務所での経験を経て、当事務所を開設いたしました。通関士や行政書士の資格も有し、税関対応や輸出入トラブル、労働問題など、依頼者の皆様の多様なニーズにお応えしています。初回相談から解決まで一貫して対応し、依頼者の最良のパートナーとして、共に最適な解決策を追求してまいります。
輸入事後調査実施の際の事前通知について
輸出入をビジネスとして行っている方の中には、税関事後調査という仕組を理解している方も多いのではないでしょうか。
税関事後調査とは、簡単に言うと、貨物の輸出入通関の適切さを、輸出入の後に税関が調査する制度のことを指します。
このうち、例えば、輸入事後調査については、申告価格が誤っていた場合には過少申告加算税等が課される可能性がある等注意が必要です。
そこで、本日は、輸入事後調査実施の際の事前通知についてご紹介いたしますので、ご参照いただけますと幸いです。
1 輸入事後調査実施の際の事前通知について
まず、上記のとおり、税関は、輸入貨物の通関後に、輸入者による納税申告の適正さ確認するために、輸入事後調査を実施することができます(関税法105条1項6号)。
この輸入事後調査については、税関職員が、輸入者の事務所等を訪問し、輸入業務や経理事務の担当者等に対して、輸入取引の形態や貨物代金の決済方法等について質問し、関係資料を調査するといった流れで実施されます。
このような輸入事後調査の実施に当たっては、税関長は、事前に、輸入者に対して、調査を実施する旨を通知するとともに、調査を開始する日時等を記載した書面を調査の開始前に交付することとされております。
もっとも、税関長が違法または不当な行為を容易にし、正確な課税標準等又は税額等の把握を困難にする恐れその他調査の適正な推敲に支障を及ぼす恐れがあると認める場合には、上記の通知を要しないものとされております。(関税法105条の2、通則法74条の9、74条の10)
2 弁護士へのご相談をご希望の方へ
当事務所は、代表弁護士が輸出入や通関に関する唯一の国家資格である通関士資格を有しており、輸出・輸入や通関上のトラブルに関するご相談を幅広くお受けしております。
弁護士に相談をした方がよいかお悩みの方もいらっしゃるものと思いますが、お悩みをご相談いただくことで、お悩み解消の一助となることもできます。
輸出・輸入や通関に関するトラブル、税関事後調査を含む税関対応等でお悩みの場合には、ご遠慮なく当事務所までご相談ください。

有森FA法律事務所の代表弁護士、有森文昭です。東京大学法学部および法科大学院を卒業後、都内の法律事務所での経験を経て、当事務所を開設いたしました。通関士や行政書士の資格も有し、税関対応や輸出入トラブル、労働問題など、依頼者の皆様の多様なニーズにお応えしています。初回相談から解決まで一貫して対応し、依頼者の最良のパートナーとして、共に最適な解決策を追求してまいります。
税関による貨物の検査について
貨物を輸入しようとしたところ税関検査のためなかなか輸入許可が下りず困った、という経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本日は、税関による貨物の検査についてご紹介いたします。
1 輸出入貨物の税関検査
輸入申告のあった貨物について、税関は必要に応じて検査をすることが可能です(関税法67条)。
当該検査は、取引相手との約束や輸入国側の要請に基づき、検査機関に委託して行うものとは異なり、日本の法令の下、税関行政の一環として実施されるものですので、関係者は甘受せざるを得ません。
税関検査は、原則として、税関長の指定する場所で行う必要があり、「指定地検査」と呼ばれております。
ただし、巨大な貨物、危険物等でやむを得ない場合には、あらかじめ税関長の許可を受けることで指定された場所以外の場所で検査を受けることも可能です。このことを「指定地外検査」といいます。
税関検査の検査方法には、①見本検査、②一部指定検査、③全部検査、の3種類があります。検査の目的に応じて、いずれかの方法で実施されることになります。
2 搬入前・事前検査
(1)輸出時の搬入前検査
次の場合には、輸出貨物が保税地域等に搬入される前に税関の検査を受けることが出来ます。
①再包装が困難な貨物等でインボイス等によって貨物の内容が明らかで搬入前検査をすることに支障がない場合
②コンテナー貨物に付いて輸出者から申し出があった場合で、搬入前検査を実施することに支障がなく、インボイスなどにより貨物の内容が明らかで、搬入前検査終了後速やかに保税地域などに搬入されることが確実である場合
(2)輸入時の事前検査
一定の場合には、輸入申告の前に検査を行うことができます。
この事前検査の場合、税関は、インボイス等の通関関係書類の提出を求めてきますので、適切に対応することが必要となります。
3 弁護士へのご相談をご希望の方へ
当事務所は、代表弁護士が、輸出入や通関に関する唯一の国家資格である通関士資格を有しており、輸出入トラブルや通関トラブルに関するご相談を幅広くお受けしております。
輸出入や通関に関してお悩みの方や、ご不明な点やご不安な点等ございましたら、ご遠慮なく当事務所までご相談ください。

有森FA法律事務所の代表弁護士、有森文昭です。東京大学法学部および法科大学院を卒業後、都内の法律事務所での経験を経て、当事務所を開設いたしました。通関士や行政書士の資格も有し、税関対応や輸出入トラブル、労働問題など、依頼者の皆様の多様なニーズにお応えしています。初回相談から解決まで一貫して対応し、依頼者の最良のパートナーとして、共に最適な解決策を追求してまいります。