知的財産権の侵害は、独創的な技術やアイデアの発展を損なうものですので、幅広く規制が行われていますが、輸入品が知的財産権を侵害しているとして問題になる場合も多くあります。
本日は、税関が公表した令和5年上半期における知的財産権侵害物品の差止状況についてご紹介いたします。
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1 令和5年上半期における知的財産権侵害物品の具体的な差止実績について
税関(財務省)から公表された令和5年上半期における知的財産権侵害物品の具体的な差止実績のうち、どのような製品が実際に差止となっているか、その概要は、以下の通りです。
①輸入差止件数としては、衣類が5,041件(構成比28.1%、前年同期比50.3%増)と最も多く、次に、財布やハンドバッグなどのバッグ類が4,292件(同23.9%、同3.8%増)、携帯電話及び付属品が2,618件(同14.6%、同200.9%増)、靴類が1,931件(同10.8%、同5.7%減)となりました。
②輸入差止点数としては、煙草及び喫煙用具が78,064点(構成比16.7%、前年同期比約758倍)と最も多く、次いで医薬品が62,587点(同13.4%、同10.8%増)、イヤホンなどの電気製品が38,123点(同8.2%、同33.5%減)、衣類が37,474点(同8.0%、同1.4%減となりました。
権利者側としては、自身の権利を侵害する貨物が出回っていないかを常に注意するとともに、もしそのような疑いがある場合には速やかに税関に相談する、差止の申し立てを行う等適切な対応を取り、権利を守っていく姿勢を示すことが重要です。
2 輸出、輸入に関しては様々な法規制がありますのでご注意ください
日本は貿易大国ですが、輸出や輸入に関しては様々な法規制が存在します。
輸出に関しては、外為法を中心に厳格な規制が存在しており、それに反する輸出をすると刑事事件等に発展するリスクがあります。
また、輸入に関しては、基本的には申告納税方式が採用されておりますが、輸入後には輸入事後調査等が存在しておりますので、安易に間違った申告をすることは絶対に避ける必要があります(場合によっては脱税等に該当するリスクもあります。)。
事業として輸出や輸入に従事している以上は、知らなかったでは済まされませんので、自社の事業に関する輸出や輸入に関連した法規制については十分注意する必要があります。
これらの法規制は変更になることも多いので、定期的に自社に関連する法規制を確認いただく必要があることは改めてご留意ください。
なかなか自社で法規制を確認することが難しい場合には、適宜専門家を含めてご相談等いただくことを強くお勧めいたします。

有森FA法律事務所の代表弁護士、有森文昭です。東京大学法学部および法科大学院を卒業後、都内の法律事務所での経験を経て、当事務所を開設いたしました。通関士や行政書士の資格も有し、税関対応や輸出入トラブル、労働問題など、依頼者の皆様の多様なニーズにお応えしています。初回相談から解決まで一貫して対応し、依頼者の最良のパートナーとして、共に最適な解決策を追求してまいります。