知的財産権侵害物品の具体的な差止実績

知的財産権の侵害は、独創的な技術やアイデアの発展を損なうものですので、幅広く規制が行われていますが、輸入品が知的財産権を侵害しているとして問題になる場合も多くあります。

本日は、税関が公表した令和5年上半期における知的財産権侵害物品の差止状況についてご紹介いたします。

 

1 令和5年上半期における知的財産権侵害物品の具体的な差止実績について

税関(財務省)から公表された令和5年上半期における知的財産権侵害物品の具体的な差止実績の概要は、以下の通りです。

①輸入差止件数は、偽ブランド品などの商標権侵害物品が14,991件(構成比95.8%、前年同期比25.1%増)で、引き続き全体の大半を占めました。次に、偽キャラクターグッズなどの著作権侵害物品が374件(同2.4%、同5.1%減)でした。

②輸入差止点数は、商標権侵害物品が238,004点(構成比51.0%、前年同期比11.0%減)で、次いで意匠権侵害物品が178,916点(同38.4%、同295.4%増)、著作権侵害物品が41,112点(同8.8%、同44.9%減)でした。

 

知的財産権侵害物品の差止状況ですが、全体としては年々増加傾向にあるといえます。

知的財産権侵害については、権利者にとっては回復できない損害を与えるものですので、税関としても検査や摘発を厳しく行っているといえますが、問題のある輸入はなかなか減らない現状です。

権利者側としては、自身の権利を侵害する貨物が出回っていないかを常に注意するとともに、もしそのような疑いがある場合には速やかに税関に相談する、差止の申し立てを行う等適切な対応を取り、権利を守っていく姿勢を示すことが重要です。

 

2 輸出、輸入に関しては様々な法規制がありますのでご注意ください

日本は貿易大国ですが、輸出や輸入に関しては様々な法規制が存在します。

輸出に関しては、外為法を中心に厳格な規制が存在しており、それに反する輸出をすると刑事事件等に発展するリスクがあります。

また、輸入に関しては、基本的には申告納税方式が採用されておりますが、輸入後には輸入事後調査等が存在しておりますので、安易に間違った申告をすることは絶対に避ける必要があります(場合によっては脱税等に該当するリスクもあります。)。

事業として輸出や輸入に従事している以上は、知らなかったでは済まされませんので、自社の事業に関する輸出や輸入に関連した法規制については十分注意する必要があります。

これらの法規制は変更になることも多いので、定期的に自社に関連する法規制を確認いただく必要があることは改めてご留意ください。

なかなか自社で法規制を確認することが難しい場合には、適宜専門家を含めてご相談等いただくことを強くお勧めいたします。

 

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