近年、中小企業の海外進出は増加傾向にあると言われております。
本日は、中小企業庁が公表している「中小企業白書2019年版」に掲載されている統計を踏まえ、中小企業の海外進出の概況をご紹介いたします。
前提として、中小企業の海外進出の概況と言っても、海外と直接取引する場合から、現地に自社の子会社を設立する場合まで様々な段階があります。一般的には、以下の①から③の3段階に分類されることが多いようです。
①間接輸出:日本の中小企業が、主に商社を利用して、自社の商品を海外市場に輸出するケースです。
②直接輸出:日本の中小企業が、自社自身で直接海外の企業と取引を行うケースです。
③直接投資:日本の中小企業が、海外に自社の拠点を設けて海外で取引を行うケースです。拠点の確保の方法としては、自社の子会社を設立する方法や、現地の企業を買収する方法等があります。
以上の3段階について、現在の状況をみると、②直接輸出を行う中業企業の割合は徐々に増加しており、2016年度では、21.4%となっております。
また、③直接投資の内、海外で現地子会社を保有する中小企業の割合も年々増加しているようで、2016年度では、14.2%となっております。
中小企業が現地子会社を保有する国としては、90年代後半から2000年代前半にかけては中国の割合が高く、一時期は50%を大きく超える状況でした。しかしながら、2000年代後半からはASEAN諸国の割合が増加し、2017年度は、ASEANの割合が42.9%、中国の割合が21.4%と、ASEANに現地子会社を保有する中小企業の割合が、中国に現地子会社を保有する中小企業の割合の2倍以上となっております。
今後の展望としては、2018年12月30日に環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(TPP11協定)が発行し、2019年2月1日には日EU経済連携協定(日EU・EPA)が発行されましたので、ますます、中小企業の海外進出は増加するものと思われ、その進出先としては以前のように中国中心ということではなく、幅広い国、地域が対象となっていくことが予想されます。
海外進出に限らず、海外の企業との取引をする際には、様々な法規制の問題があります。
どうしてもビジネスの中身の具体化に集中しがちですが、法規制をクリアしないことには、ビジネスを進めることも困難となりますので、海外の企業との取引を検討されている場合には、一度専門家にご相談いただくことをお勧めいたします。

有森FA法律事務所の代表弁護士、有森文昭です。東京大学法学部および法科大学院を卒業後、都内の法律事務所での経験を経て、当事務所を開設いたしました。通関士や行政書士の資格も有し、税関対応や輸出入トラブル、労働問題など、依頼者の皆様の多様なニーズにお応えしています。初回相談から解決まで一貫して対応し、依頼者の最良のパートナーとして、共に最適な解決策を追求してまいります。