ECサイトの利用の拡大、副業の拡大によって、輸入を事業として行う企業、個人は増加傾向にあります。
通常の輸入に関しては、日本は申告納税方式が採用されておりますので、問題のある申告を行っていた場合でも輸入許可が下りてしまうことがあるのですが、そのような問題のある申告を取り締まり、事業者間の公平や法秩序を維持するために、輸入事後調査という税関による調査が行われております。
1 輸入通関時の資料等は適切に保管する必要があります
輸入事後調査は、要するに、輸入申告が適切に行われていたかどうか、より具体的には適切な税番や申告価格で申告されていたか、ということを輸入通関時の資料や、送金関連資料、また、契約関連資料を踏まえて判断していくことになります。
そのため、仮に適切に申告をしていたとしても裏付けとなる資料を適切に保管していない場合には、調査を行う税関の立場からすると適切な申告を行っていたかどうかを判断することができません。
以上を踏まえ、まずは必要な資料を常日頃から保管しておくことが非常に重要です。
これは、そもそも輸入事業者は上記の資料を保管する法的な義務がありますので当然のことではありますが、なかなか実現できていない事業者も多く存在する印象です。
どのような資料をどのように保管すればよいか、ということから漏れがないように整理していく必要がありますので、ご不明な点等ありましたら、お問い合わせください。
2 輸入事後調査対応の準備は日常的に行う必要があります
輸入事後調査の準備については、日常的に行うことが非常に重要です。
といいますのも、数年間にわたる関連資料を一度に収集整理しようとすると、それだけで大量の時間が必要となり、日常の業務に支障が生じます。
また、一部の記録に関しては数年単位の保管しかされていないこともあり、いざ輸入事後調査が入ることになった場合には、既に資料がどこにも存在しないということにもなりかねません。
また、通常の取引についても、例外的な取引が発生する場合は相当程度ありますが、都度適切にメモを取っておかないと、事後的になぜそのような例外的な取り扱いをすることになったのか記憶が不明瞭となってしまう場合もあります。
日常的に多数の取引を行っていると、例外的な対応といってもそれなりの分量となってしまいますので、記憶を頼りにすることは非常にリスクがある点にはご留意ください。
弊事務所では、輸入事後調査の準備から実際の対応まで幅広く対応しておりますので、お力になれること等ありましたら、ご遠慮なくお問い合わせください。