輸入を事業として行っている事業者にとって、『輸入事後調査』という言葉はどこかで聞いたことがあるものかと思います。
日本の輸入通関においては、申告納税方式がとられておりますので、事後的に各輸入申告が適正なものであったかどうかを税関が判断することになります。
そこで、本日は税関が公表した資料を踏まえて、輸入事後調査の現況についてご紹介いたします。
1 輸入事後調査の現況
令和5事務年度(令和5年7月から令和6年6月)において、輸入事後調査の調査対象となった輸入者は3576者(前事務年度比108%)、その内申告漏れ等のあった輸入者は2678者であり、調査対象者全体の74.9%に上りました。
また、納付不足税額は128億2932万円(前事務年度比137.3%)であり、内関税額は8億5888万円、内国消費税額は119億7043万円でした。
加算税は総額6億2238万円、内重加算税は、4336万円でした。
いずれの統計情報でも、不足額は増加傾向にあります。
納付不足税額が多い上位5品目ですが。
①光学機器等(90類)で納付不足税額は26億4237万円、
②電気機器(85類)で納付不足税額は17億601万円、
③機械類(84類)で納付不足税額は14億8761万円
④医療品(30類)で納付不足税額は14億7569万円、
⑤自動車等(87類)で納付不足税額は12億6813万円
2 輸入事後調査に備えましょう
輸入事後調査は、貨物の輸入を事業として行っている場合にはいつ行われてもおかしくありませんので、日常的に輸入事後調査に備えておくことが重要です。
特別なことをする必要はなく、輸入を事業として行っている事業者であれば当然に実施していなければならない資料の整理等を日常的に行うことが重要です。
輸入事後調査を過度に恐れる必要はなく、日常的に行うべきことを適切に行っていただければ特段問題はないですが、なかなか後回しになり取り掛かることができないケースも多いでしょう。
既に輸入事後調査の実施が決まった、という事業者の方、将来的に事後調査が入っても問題ないように今から準備をしておきたい事業者の方、会社として準備は行っているけれどその準備が適切かどうかわからないので第三者の観点でチェックして欲しいとお考えの事業者の方等、輸入事後調査に関してご不安な点がある場合には、専門家にご相談いただくことをお勧めいたします。
弊事務所では、輸入事後調査に幅広く対応しておりますので、お気軽にご連絡いただけますと幸いです。