ウィーン売買条約の具体的な内容について

ウィーン売買条約が国際取引において非常に重要な規程であることは先日のコラムでご紹介いたしました。
そこで、本日は、ウィーン売買条約の具体的な規定内容をご紹介いたします。ご参照いただけますと幸いです。

 

1 ウィーン売買条約の具体的な規定内容について

(1)ウィーン売買条約は、以下の場合に適用されます(1条)。

①売買当事者の営業の場所(営業所)が異なる国にあること
②かつ、営業所の所在している国が、いずれの条約の締約国であること
②または、国際司法の準則によって、締約国の方が適用される場合
ただし、締約国によっては、条約適用の条件として、「当事者双方の営業所が締約国に所在するべき」旨の宣言を行っていることが必要な場合があります。

 

(2)ウィーン売買条約は、次の場合には適用されません(2条、3条、5条)。

①個人用、家族用、家庭用に購入する物品の売買
②競売
③法令(強制執行など)にもとづく売買
④有価証券(株式、投資証券など)、通過の売買
⑤船舶、航空機の売買
⑥電機の売買
⑦労働などサービスを提供する契約
⑧物品によって引き起こされた人の死亡、身体障害についての売主の責任

以上の他にも、当事者の言明、行為の解釈、慣習や慣行(8条、9条)に関する規定や、売買契約の方式を定める規定(11条、12条、13条、29条、96条)や、契約の成立に関する規定(23条、15条、16条、17条、18条、19条)等が存在します。

国際取引においては、当事者間の契約で明確に排除しない限り、本条約の規定が適用されることになります。
そのため、国際取引の当事者は、事前にウィーン売買条約を十分理解した上で売買契約を適切に締結することが非常に重要です。

 

2 弁護士へのご相談をご希望の方へ

ウィーン売買条約の規定は、日本の国内法との関係性とともに理解する必要がありますので、海外業者との間で売買契約を締結する場合には、まずは専門家にご相談いただくことをお勧めいたします。

 

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