これまで、本コラムにおいて、関税法上の犯罪に関する規定を何度かご紹介してまいりました。
本日は、関税法上の犯罪に関する規定のうち、あまり知られてはいない規定ではありますが、特例申告書を提出期限までに提出しない罪、税関職員の質問に答弁しない等の罪、そして重大な過失犯に関する規定を、ご紹介いたします。
特に税関職員の質問に答弁しない等の罪に関しては、輸出入をビジネスとして行っている方にとっては身近な問題ですのでご参照いただけますと幸いです。
このページの目次
1 特例申告書を提出期限までに提出しない罪
正当な理由がなく、特例申告書をその提出期限までに提出しなかった場合、1年以下の懲役または200万円以下の罰金に処せられます。
ただし、上場によりその刑を免除することができます(関税法113条の2)。
2 税関職員の質問に答弁しない等の罪
関税法105条の規定による税関職員の質問に対して答弁をせず、若しくは偽りの陳述をし、又はその職務の執行を拒み、妨げ若しくは忌避した者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます(関税法114条の2第16号)。
税関職員の質問に対する答弁許否又は忌避、虚偽答弁を処罰することとし、その権限の行使を実行ある者にするための規定です。
3 重大な過失犯
重大な過失により111条1項2号(許可を受けないで輸出入する等の罪)、113条(許可を受けないで不開港に出入する罪)、114条、114条の2(16号及び17号を除く。)、115条(報告を怠った等の罪)、又は115条の2(1号、7号及び16号を除く。)(帳簿の記載を怠った等の罪)の罪を犯した者についても、当該各条の罰金刑が科される。
4 弁護士へのご相談をご希望の方へ
当事務所は、代表弁護士が輸出入や通関に関する唯一の国家資格である通関士資格を有しており、輸出・輸入や通関上のトラブルに関するご相談を幅広くお受けしております。
弁護士に相談をした方がよいかお悩みの方もいらっしゃるものと思いますが、お悩みをご相談いただくことで、お悩み解消の一助となることもできます。
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