「退職後の従業員が、他の優秀な従業員に対して繰り返し引き抜き行為をしており、会社としては非常に困っている。このような行為は違法ではないか。」というご相談をお受けすることがあります。
経営者の方にとっては到底納得はいかないものと思いますが、結論としては、基本的には退職後の従業員が他の従業員に対して行う引き抜き行為は自由であり適法と考えられております。
もっとも、例外的に違法であると判断される場合がありますので、以下でご説明いたします。ご参照いただけますと幸いです。
このページの目次
1 退職後の従業員による他の従業員に対する引き抜き行為が違法と判断される場合について
この点について、フレックスジャパン対アドバンテック事件(大阪地判平成14年9月11日)でにおいて、裁判所は、以下のとおり判示しました。
【判示内容】
従業員が勤務先の会社を退職した後に当該会社の従業員に対して引き抜き行為を行うことは原則として違法性を有しないが、その引き抜き行為が社会的相当性を著しく欠くような方法・態様で行われた場合には、違法な行為と評価されるのであって、引き抜き行為を行った元従業員は、当該会社に対して不法行為責任を負うと解すべきである
以上のとおり、「引き抜き行為が社会的相当性を著しく欠く」と判断される場合には、引き抜き行為は違法と判断される可能性があります。例えば、従業員を大量に引き抜く場合や勧誘の態様が極めて悪質であると認められる場合等には、「社会的相当性を著しく欠く」と判断される可能性が高まるものと考えられます。
2 弁護士へのご相談をご希望の方へ
当事務所は、人事労務に関するご相談を幅広くお受けしております。
弁護士に相談をした方がよいかお悩みの方もいらっしゃるものと思いますが、お悩みをご相談いただくことで、お悩み解消の一助となることもできます。
日々の業務の中で発生する人事労務に関するご相談や、新しい労働関連法規の成立、修正により自社にどのような影響が生じているかを確認したいといった場合まで、人事労務に関してご不明な点やご不安な点等ございましたら、お気軽に当事務所までご相談ください。

有森FA法律事務所の代表弁護士、有森文昭です。東京大学法学部および法科大学院を卒業後、都内の法律事務所での経験を経て、当事務所を開設いたしました。通関士や行政書士の資格も有し、税関対応や輸出入トラブル、労働問題など、依頼者の皆様の多様なニーズにお応えしています。初回相談から解決まで一貫して対応し、依頼者の最良のパートナーとして、共に最適な解決策を追求してまいります。