本日は、従業員の労働条件と職場規律を統一的・画一的に規定した成文の規範である【就業規則】の従業員への周知に関して、ご説明いたします。
就業規則は、企業にとって最も重要なルールの一つですので、是非ご理解いただき、仮に従業員への周知に不備がある場合には、至急改善いただく必要がありますので、ご注意ください。
1 就業規則の従業員への周知について
使用者は、就業規則を所轄の労働基準監督署に提出後、確定した就業規則の内容を従業員に対して周知することが必要です。
すなわち、労働基準法106条は、「使用者は、この法律及びこの法律に基づく命令の要旨並びに就業規則」「を、常時各作業場の見やすい場所へ提示し、又は備え付けること、書面を交付することその他の厚生労働省令で定める方法によって、労働者に周知させなければならない」と規定しております。
2 就業規則の具体的な周知方法について
同法施行規則52条の2では、就業規則の具体的な周知方法について、以下の3つの方法を規定しております。
①常時各作業場の見やすい場所へ提示し、又は備え付けること
②書面を労働者に交付すること
③磁気テープ、磁気ディスク、その他これらに準ずる物に記録し、かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を乗じ確認できる機器を設置すること
なお、③の方法によって周知を行う場合には、「法令等の内容を磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、当該記録の内容を電子的データとして取り出し乗じ確認できるよう、各作業場にパーソナルコンピューター等の機器を設置し、かつ、労働者に当該機器の操作の権限を与えること」(平成11年1月29日基発45号)が必要であるものと考えられております。
就業規則は、一定の企業には作成義務が課されるなど、企業の人事労務の中心となる規定と言えますが、細かなルールを正確に把握し遵守することができていないケースも見られます。
このような状況は企業にとって好ましいものではありませんので、早急に適切な運用に軌道修正する必要があります。
当事務所は、企業の人事労務を幅広く取り扱っておりますので、就業規則に関してご不明な点や気になる点等がございましたら、お気軽にご相談ください。