法律上解雇が制限される場合について

企業にとっては、従業員をどのような場合に解雇することができるか、ということは、非常に重要です。
なぜなら、企業はあくまでも従業員の労働によってそのビジネスを行う必要があるところ、企業が従業員を解雇できない場合には、企業がビジネスにとって不要又はビジネスの阻害となると判断した従業員の雇用を継続し続けなければならないこととなり、企業のビジネス遂行に大きな悪影響をもたらすリスクがあるとさえいえるからです。
そのため、経営者の方にとっては、従業員の解雇がどのような場合に認められないのか、ということを正確に理解していただくことが必要となりまっす。

そこで、本日は、法律上解雇が制限される場合について、ご紹介いたします。

 

1 法律上解雇が制限される場合について

法律上解雇が制限される代表的な規定は以下のとおりです。

①不当労働行為となる解雇の禁止(労働組合法7条)

②業務上の負傷疾病による休業、産前産後休業中およびその後の30日の解雇禁止(労働基準法19条)

③国籍、信条等を理由とする解雇の禁止(労働基準法3条)

④監督機関等行政機関に対する申告・申出を理由とする解雇の禁止(労働基準法104条、安全衛生法97条、個別紛争解決法4条3項、5条2項、派遣法49条の3第2項)

⑤性別を理由とする解雇の禁止(男女雇用機会均等法6条4号)

⑥女性の婚姻、妊娠、出産を退職理由と予定した定めの禁止(男女雇用機会均等法9条1項)

⑦婚姻、妊娠、出産、産休、育児、介護休業および育児、介護関連措置の利用等を理由とする解雇の禁止(男女雇用機会均等法2条3項、育休・介護法10条、16条等)

⑧妊娠中及び出産後一年以内の女性の解雇禁止(男女雇用機会均等法9条4項)

⑨労基法等の手続き補償についての不同意や過半数代表者への不利益取扱いの解雇禁止(労働基準法38条の4第1項6号、同施行規則6条の2第3項)

⑩公益通報をしたことを理由とする解雇の禁止(公益通報者保護法3条)

 

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