懲戒処分決定までの自宅待機の二重処分該当性について

懲戒処分(特に懲戒解雇)に相当するような問題行為をなした従業員に対して、懲戒処分決定までの間、自宅に待機させ、出勤を停止する処分を行うことがあります。
そして、このような自宅待機をさせること自体が懲戒処分に当たり、これに加えて、懲戒処分をする場合、1つの事案について二重処分をすることになるので、認められないのではないか、という問題点があります。
結論としては、一定の限定の下では二重処分には該当せず有効であるものと判断されますが、無条件に有効と判断されるわけではありません。

そこで、本日は、懲戒処分決定までの自宅待機が、当該社員に対する二重処分に該当するかどうかについて、ご紹介いたしますので、ご参照いただけますと幸いです。

 

1 懲戒処分決定までの自宅待機の二重処分該当性について

この点については、当該自宅待機が、懲戒処分としての出勤停止処分ではなく、処分決定までの間の証拠隠滅や同種行為の再発防止のため、就業制限を命じるものであり、その期間中の当該従業員に対する賃金を支払う前提のもとになされたものであり、かつ、自宅待機の処置及び本件解雇処分が極めて密接した期間内になされたものである場合には、懲戒処分には該当せず、その準備的な行為として有効であるものと判断した裁判例があります(昭和45・4・17大阪地判、淀川製鋼所事件)。

なお、この自宅待機期間の賃金は100%ではなく平均賃金の60%(労働基準法26条)でよく、休職発令がなされる場合であっても右の合理的妥当性が客観的に認められる場合ならば、60%の賃金で差し支えない点には注意が必要です。

 

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