Archive for the ‘コラム~通関手続、輸出入トラブル~’ Category

若者が巻き込まれる密輸の現状

2024-12-27

近年、大学生などの若者が『簡単に稼げる副業』として禁制品や金地金の密輸入に関わるケースが増加しています。

特にSNSやインターネットを通じて、「海外旅行のついでに荷物を運ぶだけ」、「観光の帰りに簡単な副業」、「実質無料で観光に行こう」等の甘い言葉で勧誘されることが多いようです。しかしながら、このような行動がもたらすリスクは非常に深刻であり、一度関与すると人生を大きく狂わせる可能性があります。

本日は、その危険性について説明します。

 

1 若者が巻き込まれる現状

警察庁の2022年の統計情報によると、日本における薬物密輸関連の検挙者数は前年より約15%増加しており、そのうち20代以下の若者が占める割合は約30%と報告されています。こうした背景には、SNSや求人アプリを通じて「割の良いバイト」として勧誘されることが挙げられます。

この傾向は2024年の現在でも同様であり、犯罪組織にとっては、社会経験の浅い若者は「リスクを理解していない」、「違法性に鈍感」等と見られるため、非常に利用しやすく、問題が発覚した場合には簡単に見捨てることができる使い勝手のよい存在です。

 

2 密輸は人生を狂わせるので、絶対に行ってはいけません

日本の法律では、禁制品の密輸は極めて重い罪です。

たとえば、麻薬取締法や関税法に基づく罰則では、以下のような処罰が規定されています。

①麻薬取締法違反:最高で無期懲役、または10年以上の懲役に加え、数千万円規模の罰金が科されることがあります。

②関税法違反:密輸入を目的とした行為は、5年以上の懲役または罰金が科されます。

 

最終的な処罰の前には逮捕、勾留、刑事裁判と続き、経済的負担や社会的信用の喪失を招きます。

 

3 実際に起こりうるリスク

(1) 刑罰とその影響

先述の通り、禁制品や金地金の密輸に関与した場合、極めて厳しい刑罰が科されます。

一度有罪判決を受けると前科がつき、就職や進学といったその後の人生にも大きな悪影響を及ぼします。

(2) 知らずに「運び屋」にされる可能性

「ただ荷物を預かっただけ」といった場合でも、禁制品や金地金が入っていれば違法行為とみなされます。

「知らなかった」という弁解は通用しないことがほとんどであるとお考えください。

 

4 誘惑に負けないために

若者が犯罪に巻き込まれないためには、以下のポイントに注意することが重要です。

①安易な勧誘に乗らない:特に「高額報酬」「簡単」といった文言には注意を払いましょう。

②荷物を預かる際のリスクを認識する:他人の荷物を運ぶ場合、その内容物に責任が伴うことを自覚しましょう。

③法律知識を身につける:日本の厳しい法律について正確に理解しておくことで、違法行為を未然に防ぐことができます。

 

5 専門家に相談することもご検討ください

禁制品の密輸は決して「簡単な副業」ではなく、人生を台無しにするほどのリスクを伴う犯罪です。

もしも自分自身やご家族が誘いを受けたり、不安に思うことがあれば、弁護士や警察に相談してください。自分自身を守るためにも、軽率な行動を避け、慎重な判断を心がけましょう。

禁制品や金地金の密輸

2024-12-22

禁制品の輸入や金地金の密輸は、いわゆる関税法違反事件となり、刑事告発された場合には、懲役刑等の厳罰に処せられる可能性もあります。

禁制品の輸入を軽い気持ちで行うことはあまりないと思いますが、他方で金地金に関しては、簡単な運び屋の気分で安易に行われてしまうケースが散見されます。

本日は、令和6年上半期(令和6年1月から6月まで)において、関税法違反事件として取り締まりが実行された案件をご紹介いたします。

 

1 不正薬物関連

まず、不正薬物の内訳としては、覚醒剤、大麻、あへん、麻薬(ヘロイン、コカイン、MDMA等)、向精神薬及び指定薬物を指すものとします。

不正薬物全体の摘発件数は500件、押収量は約1301kgであり、摘発件数は増加し、押収量は減少した模様です。

具体的な内訳をみると、

①覚醒剤

摘発件数は85件、押収量は約814kgと、共に減少した。

押収した覚醒剤は、薬物乱用者の通常使用量で約2715万回分、末端価格にして約538億円に相当するとのことです。

 

②大麻

大麻草の摘発件数は96件、押収量は約103kgであり、前年比で大幅に増加したようです。

また、大麻樹脂等(大麻リキッド等の大麻製品を含む。)の摘発件数は61件、押収量は約46kgとなり、前年比で共に大幅に増加したようです。

 

③麻薬

コカインの摘発件数は30件、押収量は約235kgでした。

また、MDMA等の摘発件数は49件、押収量は約79kgでした。

 

④指定薬物

指定薬物の摘発件数は76件、押収量は約7kgでした。

 

2 金地金

金地金の摘発件数は228件、押収量は約937kgでした。

 

3 安易に貨物を日本に持ち込む行為にはご注意ください

上記のとおり、不正薬物関連や金地金等の密輸は非常に多く行われておりますが、特段罪の意識がない若者等が運び屋として利用されてしまうケースも多くあります。

自分では大したことがなく、単に土産物のようなものを運んで日本に持って帰ってくるだけで相当程度の報酬がもらえる、と思い安易な気持ちで関与してしまう方もおりますが、自分の一生を棒に振ってしまいかねない行為ですので絶対に関わってはいけません。

あくまでも関与しないことが一番ではありますが、万一関りを持ってしまった場合には、速やかに専門家にご相談いただくことをお勧めいたします。

輸入事後調査の現況

2024-12-17

輸入を事業として行っている事業者にとって、『輸入事後調査』という言葉はどこかで聞いたことがあるものかと思います。

日本の輸入通関においては、申告納税方式がとられておりますので、事後的に各輸入申告が適正なものであったかどうかを税関が判断することになります。

そこで、本日は税関が公表した資料を踏まえて、輸入事後調査の現況についてご紹介いたします。

 

1 輸入事後調査の現況

令和5事務年度(令和5年7月から令和6年6月)において、輸入事後調査の調査対象となった輸入者は3576者(前事務年度比108%)、その内申告漏れ等のあった輸入者は2678者であり、調査対象者全体の74.9%に上りました。

 

また、納付不足税額は128億2932万円(前事務年度比137.3%)であり、内関税額は8億5888万円、内国消費税額は119億7043万円でした。

加算税は総額6億2238万円、内重加算税は、4336万円でした。

 

いずれの統計情報でも、不足額は増加傾向にあります。

 

納付不足税額が多い上位5品目ですが。

①光学機器等(90類)で納付不足税額は26億4237万円、

②電気機器(85類)で納付不足税額は17億601万円、

③機械類(84類)で納付不足税額は14億8761万円

④医療品(30類)で納付不足税額は14億7569万円、

⑤自動車等(87類)で納付不足税額は12億6813万円

 

2 輸入事後調査に備えましょう

輸入事後調査は、貨物の輸入を事業として行っている場合にはいつ行われてもおかしくありませんので、日常的に輸入事後調査に備えておくことが重要です。

特別なことをする必要はなく、輸入を事業として行っている事業者であれば当然に実施していなければならない資料の整理等を日常的に行うことが重要です。

輸入事後調査を過度に恐れる必要はなく、日常的に行うべきことを適切に行っていただければ特段問題はないですが、なかなか後回しになり取り掛かることができないケースも多いでしょう。

既に輸入事後調査の実施が決まった、という事業者の方、将来的に事後調査が入っても問題ないように今から準備をしておきたい事業者の方、会社として準備は行っているけれどその準備が適切かどうかわからないので第三者の観点でチェックして欲しいとお考えの事業者の方等、輸入事後調査に関してご不安な点がある場合には、専門家にご相談いただくことをお勧めいたします。

弊事務所では、輸入事後調査に幅広く対応しておりますので、お気軽にご連絡いただけますと幸いです。

関税等脱税事件に係る品目別の処分の実績

2024-12-12

日本に貨物を輸入(ハンドキャリーを含む)する場合には、様々な法規制が存在します。

自分としては悪いことをしている認識がなかったとしても、法規制に違反してしまうとペナルティが発生することもありますので、十分注意する必要があり、軽い気持ちで行ったことが思わぬ重大な犯罪につながることもあります。

本日は、令和5事務年度(令和5年7月から令和6年6月)における関税等脱税事件に係る品目別の処分の実績に関する統計情報(税関公表)をご説明いたします。

 

1 品目別の処分の現状

①金地金は102件、脱税額は3億5550万円、

②たばこは25件で、脱税額は933万円、

③腕時計は19件で、脱税額は2498万円、                                              

④バッグ類は7件で、脱税額は412万円、

⑤アクセサリー類は2件で、脱税額は2万円、                                                                                                                                       

⑥化粧品類は1件で、脱税額は21万円、

⑦食品・酒類は2件で、脱税額は3万円、

 

2 品目別の処分を踏まえた現在の状況

品目別の処分を踏まえた現在の状況を考えると、やはり件数、脱税額のいずれに関しても金地金の密輸が圧倒的なウェイトを占めるということが分かります。

いわゆるコロナの流行期間においては海外との往来が行われておりませんでしたが、それ以前の期間から金地金の密輸は大問題として存在しておりました。

要するに、海外で金を購入し、日本に密輸して日本で販売すれば消費税分を丸々利益にすることができるということで、若い学生などを運び屋にして金地金の密輸をすることが多かったわけですが、現状でも金地金の密輸が非常に多く行われていることが分かります。

金地金の密輸によって得られる利益は、いわゆる反社会的勢力の資金源になることも多く、今後金地金の密輸は徹底的に撲滅していくことが必要です。

海外と往来する場合に、安易な気持ちで運び屋のようなことは引き受けないということは改めて強く認識していただく必要があります。

 

3 貨物の輸入、持ち込みに伴うトラブルにはご注意ください

貨物の輸入、持ち込みに伴うトラブルには様々な種類がありますが、要するに、持ち込みが禁止されているもの(いわゆる禁制品)の持ち込みを試みるケースと、脱税目的で密輸するケースが大半です。金地金の密輸は後者です。

これらはいずれも重大な犯罪ですので、絶対に行ってはいけないことは言うまでもありませんが、軽い気持ち(バイト感覚)で知り合いから頼まれたから等の理由で行ってしまう人も一定程度存在します。

行ってしまったことは取り消せませんので、もしこれらの輸入におけるトラブルに巻き込まれてしまった場合には、速やかに専門家にご相談いただくことをお勧めいたします。

関税等脱税事件に係る脱税額の推移

2024-12-07

日本に貨物を輸入(ハンドキャリーを含む)する場合には、様々な法規制が存在します。

自分としては悪いことをしている認識がなかったとしても、法規制に違反してしまうとペナルティが発生することもありますので、十分注意する必要があり、軽い気持ちで行ったことが思わぬ重大な犯罪につながることもあります。

本日は、令和5事務年度(令和5年7月から令和6年6月)における関税等脱税事件に係る脱税額の推移に関する統計情報(税関公表)をご説明いたします。

 

1 脱税額の現状

告発に進んだケースの関税額は106万円、内国消費税額は2億5079万円(前事務年度比15.2倍)でした。

次に、通告処分で終了したケースの関税額は778万円、内国消費税額は1億3598万円(前事務年度比72%)でした。

 

2 脱税額を踏まえた現在の状況

脱税額を踏まえた現在の状況を考えると、やはり金地金の密輸が圧倒的なウェイトを占めるということが分かります。

いわゆるコロナの流行期間においては海外との往来が行われておりませんでしたが、それ以前の期間から金地金の密輸は大問題として存在しておりました。

要するに、海外で金を購入し、日本に密輸して日本で販売すれば消費税分を丸々利益にすることができるということで、若い学生などを運び屋にして金地金の密輸をすることが多かったわけですが、現状でも金地金の密輸が非常に多く行われていることが分かります。

金地金の密輸は徹底的に防ぐことが必要であることは今更言うまでもありませんが、徹底的に防ぐことが重要であることは改めて強調したいところです。

 

3 貨物の輸入、持ち込みに伴うトラブルにはご注意ください

貨物の輸入、持ち込みに伴うトラブルには様々な種類がありますが、要するに、持ち込みが禁止されているもの(いわゆる禁制品)の持ち込みを試みるケースと、脱税目的で密輸するケースが大半です。金地金の密輸は後者です。

これらはいずれも重大な犯罪ですので、絶対に行ってはいけないことは言うまでもありませんが、軽い気持ち(バイト感覚)で知り合いから頼まれたから等の理由で行ってしまう人も一定程度存在します。

行ってしまったことは取り消せませんので、もしこれらの輸入におけるトラブルに巻き込まれてしまった場合には、速やかに専門家にご相談いただくことをお勧めいたします。

貨物の原産地の表示にはご注意ください

2024-11-27

貨物を輸入する際に、原産地を貨物上に記載、掲載している場合も多いと思います。

原産地表示は、原産地規則に基づいて行う必要があり、また、日本国内で商品を販売する場合も、正確な原産地を記載しないと景品表示法等で問題となるリスクがありますので、正確に記載する必要があります。

貨物の原産地を決定するための基準の概要は、以下の通りですので、ご参考となれば幸いです。

 

1 完全生産品基準

貨物が完全に特定の国で生産された場合、この基準が適用されます。

例えば、農産物や鉱物など、その国で完全に採取・生産されたものが該当します。

 

2 実質的変更基準

 貨物がある国で加工・製造され、その結果、製品の性質や用途が大きく変わった場合に適用されます。この基準には具体的には以下の方法があります。

①HSコード変更基準

貨物の関税分類(HSコード)が製造過程で変更された場合です。

例えば、生地(HSコード:5208)が特定の国で縫製されてシャツ(HSコード:6105)になった場合、加工により商品分類(HSコード)が変わるため、実質的変更が行われたと判断されます。この基準は、単純な梱包や組み立てなどでは適用されず、製品の性質や用途が明確に異なることが求められます。

②付加価値基準

加工後の貨物における特定国での付加価値の割合が一定以上の場合です。

たとえば、自動車部品の輸入材料がある国で組み立てられ、完成車として輸出される場合です。この際、完成品に占める原材料費や輸入部品の割合を差し引いた「現地での加工付加価値」が40%以上であれば、実質的変更と見なされます。

 

③ 製造工程基準

特定の製造工程が行われた場合に適用

例えば、未加工のカカオ豆がある国でローストされ、チョコレートに加工される場合、特定の製造工程(焙煎や成形など)が行われたことにより、商品が別のものとみなされます。

この基準では、工程の重要性や不可逆性が重視されます。

 

3 原産地の表示にはご注意ください

国際貿易において『原産地規則』は非常に重要な役割を果たします。

また、日本国内で商品を販売する場合も、景品表示法等の関係で原産地表示は正確に行う必要があります。

『原産地規則』は、ある製品がどの国で「生産された」とみなされるかを決定する基準を指し、輸入ビジネスを行う上で、このルールを正しく理解することは、関税や通関の手続き、また日本国内での商品の販売のいずれにおいても不可欠です。

少しでも不安な点がある場合には、まずは専門家にお問合せいただくことをお勧めいたします。

該非判定の基本的な流れに改めてご注意ください

2024-05-22

外為法上、貨物を輸出する場合には、リスト規制、キャッチオール規制といった規制の該当性を判断しなければならないことは、貨物の輸出を業として行っている法人や個人事業主の方に広く知られていることと思います。

また、大学や各種研究機関においては、共同研究や留学生の受け入れ等、外為法の規制該当性に関して非常に微妙な判断をする必要がある場面も多くあります。

 

1 貨物の該非判定の基本的な流れ

貨物を輸出する場合には、外為法上の規制該当性を判断するための該非判定を行う必要があります。

ここでは、形式的に貨物の表面上の内容を検討するだけでは不十分であり、例えば機械の場合には、装置内部に弁やポンプ、制御装置などがある場合にはそれぞれを個別に検討する必要が生じる場合もありますし、機械に使用されている技術として、内部プログラムやマニュアルなどについて個別に検討する必要が生じる場合もあります。

貨物等省令を前提に、運用通達や役務通達を踏まえて判断していくことになりますが、単に形式的な用語を判断するだけでは不十分であり、実質的な機能などに着目する必要がある点は改めて留意が必要です。

マトリクス表の利用等、該非判定に慣れている方も改めて検討の順序や方法をご確認いただくことをお勧めいたします。

 

2 外為法の規制には十分ご注意ください

貨物を輸出する場合(及び技術を国際間で移転、提供する場合)には、外為法上の厳格な規制が存在します。

日本国内で購入したものであるから、海外に輸出しても問題ないと安易に考えることは非常に危険であり、日本国内で一般に販売されている物品であっても、海外に輸出する際には規制対象となる品目は多数存在します。

日用品として用いる小さな機械製品であっても大量破壊兵器や一般兵器に転用することが可能な場合は多数存在します。

また、外為法上の許可を取得することが煩雑であることから、安易に特例の適用があると判断することは非常にリスクの高い行為であるといわざるを得ません。

知らなかったでは済まされず、重大な犯罪行為(ひいては国際的な平和を損なう行為にもなりかねないことはくれぐれも気を付けるべきです。)となってしまい、違反した場合には重い刑事罰等も存在しますので、貨物を輸出する場合(及び技術を国際間で移転、提供する場合)において、外為法の規制内容に少しでも不安がある場合には、事前にご相談いただくことを強くお勧めいたします。

知的財産権を侵害する輸入差止物品の品目

2024-05-17

知的財産権保護は世界中で広く求められている権利保護ですが、実際問題として、知的財産権を侵害する事例は後を絶ちません。

昨今では、PCやプリンター、生成AI等の発展によって、知的財産権を侵害する物品を作成することは従来よりも大幅に容易になりました。

このような状況の中で、税関の水際で知的財産権を侵害する物品として差止を受ける商品も年々増加しております。

 

1 令和5年における知的財産権を侵害する輸入差止物品の品目

税関の公表資料によれば、

①輸入差止件数は、衣類が1万401件、次いで財布やハンドバッグなどのバッグ類が9028件、靴類が4448件、携帯電話及び付属品が3373件でした。

②輸入差止点数は、煙草及び喫煙用具が31万7764点、次いで医薬品が11万8190点、衣類が8万4403点、イヤホンなどの電気製品が6万8976点でした。

 

件数としては、近年通りの傾向であり、衣類やバッグ類、靴類が多くの割合を占めております。他方で、点数としては、煙草及び喫煙用具が圧倒的に多く、これはこれまでの年度にはなかったことでした。点数については、1度の輸入で大量に輸入しようとする事業者がいると大きく割合が変わってきますので、件数とは異なり毎年点数ベースでの品目の割合は異なってくる印象です(なお、令和4年度は、医薬品や電気製品の方が煙草及び喫煙用具よりも点数ベースで多かったです。)。

 

2 知的財産権を侵害する物品の輸出入には十分ご注意ください

知的財産権を侵害する物品を輸出入してしまった場合、単に行政罰が課されるだけではなく、悪質なケースでは告発が行われて刑事事件となるリスクもございます。

物品を輸出する以上、日本での知的財産権の侵害には該当しない等、都合のよい解釈を行って問題と誤解していた場合でも、法律に違反していれば違法となってしまいます。

また、意図的ではなかったとしても、意図的ではなかったということを証明することは難しい場合が多く、意図的だったか、それとも単なる不注意だったのか、ということは言葉で言うほど判別は簡単ではありません。

一度このような形で違法な輸出入を行ってしまうと、その後、輸出入を事業として継続することが難しくなる可能性もありますので、知的財産権を侵害する物品の輸出入にはくれぐれもご注意ください。

当事務所では、輸出入をめぐるトラブルのご相談を幅広くお受けしておりますので、既にトラブルが発生している場合や、事業を開始する前のリーガルチェック等、お気軽にご連絡ください。

知的財産権を侵害する輸入差止物品の種類

2024-05-12

知的財産権保護は世界中で広く求められている権利保護ですが、実際問題として、知的財産権を侵害する事例は後を絶ちません。

昨今では、PCやプリンター、生成AI等の発展によって、知的財産権を侵害する物品を作成することは従来よりも大幅に容易になりました。

このような状況の中で、税関の水際で知的財産権を侵害する物品として差止を受ける商品も年々増加しております。

 

1 令和5年における知的財産権を侵害する輸入差止物品の種類

税関の公表資料によれば、

①輸入差止件数は、偽ブランド品を含む商標権侵害物品が3万448件、偽キャラクターグッズを含む著作権侵害物品が863件でした。

②また、輸入差止点数としては、商標権侵害物品が50万824点、次いで加熱式たばこ用カートリッジを含む意匠権侵害物品が44万2073点、著作権侵害物品が7万9221点でした。

 

件数ベースでは、商標権侵害が9割を超えており大半を占めておりますが、点数ベースでは、商標権侵害は5割弱であり、意匠権侵害も4割強を占めております。

商標権侵害が件数ベースでも点数ベースでも1番多い割合を占めることは最近の傾向ですが、著作権侵害と意匠権侵害については、どちらの方が件数や点数が多いかは年度によってまちまちであり、一概には判断できないところです。

貨物を輸入する事業者にとっては、商標権や著作権は馴染みのある概念ですが、意匠権についてはあまりなじみがない方も多い印象ですので、改めて意匠権についても留意する必要があります。

 

2 知的財産権を侵害する物品の輸出入には十分ご注意ください

知的財産権を侵害する物品を輸出入してしまった場合、単に行政罰が課されるだけではなく、悪質なケースでは告発が行われて刑事事件となるリスクもございます。

物品を輸出する以上、日本での知的財産権の侵害には該当しない等、都合のよい解釈を行って問題と誤解していた場合でも、法律に違反していれば違法となってしまいます。

一度このような形で違法な輸出入を行ってしまうと、その後、輸出入を事業として継続することが難しくなる可能性もありますので、知的財産権を侵害する物品の輸出入にはくれぐれもご注意ください。

当事務所では、輸出入をめぐるトラブルのご相談を幅広くお受けしておりますので、既にトラブルが発生している場合や、事業を開始する前のリーガルチェック等、お気軽にご連絡ください。

知的財産権を侵害する物品の仕出国等の状況

2024-05-07

知的財産権保護は世界中で広く求められている権利保護ですが、実際問題として、知的財産権を侵害する事例は後を絶ちません。

昨今では、PCやプリンター、生成AI等の発展によって、知的財産権を侵害する物品を作成することは従来よりも大幅に容易になりました。

このような状況の中で、税関の水際で知的財産権を侵害する物品として差止を受ける商品も年々増加しております。

 

1 令和5年における知的財産権を侵害する物品の仕出国等の状況

税関の公表資料によれば、

①輸入差止件数は、3万1666件にのぼり、その内件数が多い順に、中国を仕出しとするものが2万5271件、ベトナムを仕出しとするものが2690件、韓国を仕出しとするものが751件となっております。

②また、輸入差止点数としては、105万6245点であり、その内件数が多い順に、中国を仕出しとするものが92万1579点、ベトナムを仕出しとするものが6万6487点、香港を仕出しとするものが2万7720点となっております。

 

仕出国の9割以上を中国が占めていた時期もありましたが、最近は8割前後となっており、ベトナムの割合が1割前後と増加している印象です。また、かつては韓国を仕出国とする貨物が非常に多かったようですが、最近では韓国が占める割合は少なくなっております。

自分としては正規品を輸入しているつもりであっても、知的財産権を侵害する物品を輸入してしまっているケースも相当程度あるようですので、これらの国からブランド品等を輸入する場合には、知的財産権を侵害していないかどうかについて改めてご確認いただいた方が良いでしょう。

 

2 知的財産権を侵害する物品の輸出入には十分ご注意ください

知的財産権を侵害する物品を輸出入してしまった場合、単に行政罰が課されるだけではなく、悪質なケースでは告発が行われて刑事事件となるリスクもございます。

物品を輸出する以上、日本での知的財産権の侵害には該当しない等、都合のよい解釈を行って問題と誤解していた場合でも、法律に違反していれば違法となってしまいます。

一度このような形で違法な輸出入を行ってしまうと、その後、輸出入を事業として継続することが難しくなる可能性もありますので、知的財産権を侵害する物品の輸出入にはくれぐれもご注意ください。

当事務所では、輸出入をめぐるトラブルのご相談を幅広くお受けしておりますので、既にトラブルが発生している場合や、事業を開始する前のリーガルチェック等、お気軽にご連絡ください。

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