Archive for the ‘コラム~人事労務・労使トラブル~’ Category

固定残業代について

2021-07-27

本日は、固定残業代について、ご紹介いたします。
固定残業代という仕組を利用している企業は増えておりますが、認められる場合に関して誤解がある場合が多いですので、ご注意ください。

以下、概要をご紹介いたしますので、ご参照いただけますと幸いです。

 

1 固定残業代について

固定残業代について、一定の固定残業代を事業者に対して支給することで、無制限に残業を実施することが可能となると誤解されていることがあります。
しかしながら、このような考えは誤りです。
固定残業代が認められる場合についての考え方については、テックジャパン事件(最高判平成24.3.8)における櫻井裁判官の補足意見が参考になります。

同裁判官の判示は以下のとおりです。

①毎月の給与の中にあらかじめ一定時間の残業手当を算入して支給されている場合には、その旨が雇用契約上も明確にされている必要がある。
②支給時に支給対象の時間外労働の時間数と残業手当の額が労働者に明示されている必要がある。
③上記②を超えて残業が行われた場合には、当然そのような所定の支給日に別途上乗せして残業手当を支給する旨もあらかじめ明らかにされていなければならない。

以上を踏まえますと、固定残業代は、その金額だけではなく、当該固定残業代が何時間分であるかについてまで明記する必要がありますので、例えば、
「固定残業代5万円。20時間分の時間外労働手当として支給。時間外労働の有無にかかわらずこれを減額しない。実際の時間外労働時間数がこの時間数を超過した場合には、超過額を支給する。」
という形で記載する必要があります。

 

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定年後の継続雇用制度について

2021-07-25

かつては、定年制が広く採用されており、55歳や60歳等一定の年齢になった従業員は定年退職をするということが一般的でした。
しかしながら、昨今では、少子高齢化や、人不足、また、高年齢者の就労意欲の高さ等から、このような定年制は必ずしも以前のように通用しているわけではないというのが実情です。
また、政策としても定年後の継続雇用制度が採用されており、企業としては、適切に対応することが非常に重要です。

そこで、本日は定年後の継続雇用制度についてご紹介いたします。

 

1 定年後の継続雇用制度について

平成24年改正の高年齢者雇用安定法(平成25年4月1日施行)の改正は以下のとおりです。
会社が65歳未満の定年を規定している場合で、「高年齢者雇用確保措置」として継続雇用制度の導入を選択している場合には、原則として、就業規則上の解雇事由又は退職事由に該当しない希望者全員を、65歳まで継続雇用制度の対象者とすることが必要となりました。

もっとも、例外として、旧法の段階で既に労使協定などで継続雇用制度の適用対象者の「選抜基準」を規定し、その基準に基づき対象者の選抜を実施していた企業については、経過措置の適用が認められております。
この経過措置に該当する企業は、下記の時期ごとに規定する年齢までは、希望者全員の継続雇用が必要になるものの、当該年齢以降については、旧法の段階で規定した選抜基準に基づいて対象者の選抜が可能です。

①平成31年3月31日まで・・・・62歳までについては希望者全員
②平成34年3月31日まで・・・・63歳までについては希望者全員
③平成37年3月31日まで・・・・64歳までについては希望者全員

 

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虚偽求人にはご注意ください!

2021-07-24

「ハローワークで求人票をみて応募し就職が決まったものの、実際の労働条件は求人票の記載とは大きく異なるものでした。これって問題ではないですか。」というような話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
実際、ニュースでも定期的にこのような話題が取り上げられているように思います。
労働条件は、労使双方にとって非常に重要となりますので、本日は、求人票の記載についてご紹介いたします。

 

1 虚偽求人について

職業安定法65条9号(罰則を定めた規定)に、「虚偽の条件を提示して、公共職業安定所又は職業紹介を行う者に求人の申込みを行った者」という規定がありますので、求人票には虚偽の記載をしてはいけません。
仮に虚偽の記載をした場合には、罰則としては、6月以下の罰金又は30万円以下の罰金に処せられる可能性があります。

また、厚生労働大臣の定める指針(平成29年厚生労働省告示232号)の第3の1の3号においては、労働者の募集を行う者等は「明示する従事すべき業務の内容等は、虚偽又は誇大な内容としないこと」と規定されております。
労働者の募集や求人の申込みの際には、少なくとも以下の事項を書面により明示する必要があります。
この明示は、求職者が希望する場合には、電子メールにより明示することも可能です。

求人票において記載すべき事項は、以下の各事項になります。
①業務内容、②契約期間、③試用期間、④就業場所、⑤就業時間、⑥休憩時間、⑦休日、⑧時間外労働、⑨賃金、⑩加入保険、⑪募集者の氏名又は名称、⑫派遣労働者として雇用する場合

仮に、求人票とは異なる条件での契約締結を求める場合には、事前のなるべく早い段階で、その変更内容を書面で比較対照できる形式で明示する必要がありますので、ご注意ください。

 

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就業規則の変更に基づく労働条件の不利益変更について

2021-07-23

就業規則は、事業所における労働条件を一律に規定するものです。
そのため、就業規則を利用することで労使間の労働条件を一律に変更することが可能となりますので、就業規則の変更をうまく利用することは、会社にとって非常に重要な取扱いとなります。
もっとも、就業規則を会社が自由に変更することができるわけではなく、特に就業規則を従業員の不利益となるように変更する場合には、一定の規律がありますので、当該規律を把握することがまずは重要となります。

そこで、本日は、就業規則の変更に基づく労働条件の不利益変更に関する規律をご紹介いたします。
ご参照いただけますと幸いです。

 

1 就業規則の変更に基づく労働条件の不利益変更について

労働条件の不利益変更ついて労働者の個別の合意が得られない場合、使用者としては、就業規則の変更によって労働条件を変更することを検討することになります。
そのためには、就業規則の変更が合理的であると評価されることが必要であるところ、その評価に際しては、労働契約法10条により、①労働者の受ける不利益の程度、②労働条件の変更の必要性、③変更後の就業規則の内容の相当性、④労働組合等との交渉の状況、⑤その他の就業規則の変更に係る事情が斟酌されることになります。
そして、⑤の事情としては、不利益変更に伴う代償措置その他関連する他の労働条件の改善状況、他の労働組合又は他の従業員の対応や同種時効に関すル日本における一般的な状況等が考慮されることになります。

以上の考慮要素の内、重要なのは、①と②といわれております。

 

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労働者の個別合意に基づく労働条件の不利益変更について

2021-07-21

労働条件は、労使間で合意をすればよく、最終的には個別の労働者と合意を締結すれば、どのような労働条件であっても規定することができるはずである、という誤解をされている方がいらっしゃいます。
労働条件は労使間で個別の合意をすることが、労働条件の一つの決定方法であることは間違いありませんが、とはいえ、個別の合意をすればどのような条件でも規定することができるわけではありませんので、注意が必要です。

以下、労働者の個別合意に基づく労働条件の不利益変更について、ご紹介いたしますので、ご参照いただけますと幸いです。

 

1 労働者の個別合意に基づく労働条件の不利益変更について

労働契約法8条において、会社は、社員の合意を得ることで、労働条件を社員に不利益になるように変更することが出来ます。
もっとも、ここにいう労働者の合意は、労働者の自由な意思に基づく必要があります。
特に、労働者にとって、重要な労働条件である賃金や退職金に関する不利益変更について労働者の同意を取得する際には、留意が必要です。

この点に関し、判例では、就業規則に規定されている労働条件についても、個別の合意により労働者の不利益に変更できることを認めつつ、賃金や退職金に係る労働条件の不利益変更への労働者の同意については、それが労働者の自由な意思に基づいてなされたと認めるに足りる客観的かつ合理的な理由の存在を認めており、具体的には、①労働者の受ける不利益の内容及び程度、②労働者により同意がされるに至った経緯及びその態様、③労働者の同意に先立つ労働者への情報提供または説明の内容が斟酌されるべきであると判示しています。

 

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人事考課とパワハラ

2021-07-20

これまで本コラムにおいて、パワハラの代表的な事案についてご紹介してまいりました。
パワハラの態様は様々なものがあり、全ての事案を詳細にご紹介することは難しいですが、代表的な事案だけでも把握することは非常に重要です。
そこで、本日は、社員に対する人事考課とパワハラに関して参考となる事案をご紹介いたします。ご参照いただけますと幸いです

 

1 東京地判平成7.12.4労判771・32(バンクオブアメリカイリノイ事件)

(1)事案の概要
勤務先Y社の管理職だったXが、Y社がXに対して行った降格とその後の配転という一連の嫌がらせ行為は、Xら中高年管理職を退職に追い込む意図をもってなされた不法行為であるとしてY社に対して損害賠償請求をした事案です。

(2)判示
上記降格については、Y社において、新経営方針の推進・徹底が急務とされていたことから、これに積極的に協力しない管理職を降格する業務上・組織上の高度の必要性があったことなどを理由に、Y社の裁量権を逸脱したものとは言えないと判断しましたが、その後の総務課への配転については、総務課の受付は、それまで20代前半の女性の契約社員が担当していた業務であり、外国所感の受発送、書類の各課への配送等の単純労務と来客の取次ぎを担当し、業務受付とはいえ、Xの旧知の外部者の来訪も少ない職場であって、勤続33年に及び課長まで経験したXにふさわしい職務であるとは到底言えず、Xが著しく名誉・自尊心を傷つけられたであろうことは推測に難くなく、Xに対する総務課への配転は、Xの人格権を侵害し、職場内外で孤立させ、勤労意欲を失わせ、やがて退職に追いやる意図をもってなされたものであり、Y社の裁量権を逸脱した違法なものであるとして、Y社の不法行為を認定しました。

 

2 弁護士へのご相談をご希望の方へ

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社員に対する過大な要求とパワハラ

2021-07-19

昨今パワーハラスメント(以下「パワハラ」といいます)は社会全体の問題となっており、実際に、パワハラに関するご相談をお受けすることは多くなっております。
そこで、本日は、パワハラと認められる事由について、裁判例を踏まえてご紹介いたします。
以下の事案がそのままあらゆる場合に適用できるわけではなく、あくまでも社員に対する過大な要求に関する判断となりますので、ご注意ください。

 

1 横浜地判平成11.9.21労判771・32(神奈川中央交通事件)

(1)事案の概要
Y1社の営業所に所属する運転しXが、駐車車両に路線バスを接触させたため、営業所所長Y2から下車勤務として約1ヶ月の同営業所構内除草などを命じられたことにつき精神的損害を受けたと主張して、Y1社とY2に対して、損害賠償請求をした事案です。

(2)判示
路線バスを駐車車両に接触させた事故につき、Xには過失がなかったにもかかわらず、十分な調査をつくさず過失があったことを前提に、Y2が、期限を定めずに連続した出勤日に下車勤務形態のなかでもっとも過酷な作業である炎天下における構内除草作業のみを選択して、病気になっても仕方がないとの認識のもとにXを従事させることは、Xに対する人権侵害の程度が非常に大きく、下車勤務の目的を大きく逸脱しているのであって、むしろ恣意的な懲罰の色彩が強く、安全運転をさせるための手段としては不適当であり、所長としての裁量の範囲を逸脱した違法な業務命令であるとして、Y2による不法行為を認定しました。

 

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社員の私的事由への立入とパワハラ

2021-07-17

昨今パワーハラスメント(以下「パワハラ」といいます)は社会全体の問題となっており、実際に、パワハラに関するご相談をお受けすることは多くなっております。
そこで、本日は、パワハラと認められる事由について、裁判例を踏まえてご紹介いたします。
以下の事案がそのままあらゆる場合に適用できるわけではなく、あくまでも社員の私的事由への立入りに関する判断となりますので、ご注意ください。

 

1 横浜地判平成2.5.29労判579・35(ダイエー事件)

(1)事案の概要
Y社の従業員が、Y社の取引先であるA社の監査役から賃借していた建物について、当該監査役がXに当該建物の明渡に応じるようにY1社の専務に協力を求めたところ、当該専務、Xの直属の上司Y2及び所轄人事部長Y3が、Xに対して人事権・考課権を盾に当該建物の明渡を強要し、Xがこれを拒否したために不当な人事考課をしたと主張して、Y1社らに対して損害賠償請求をしたという事案になります。

(2)判示
裁判所は、部下がすでにみずからの責任において、家主との間で自主的解決に応じないことを決断している場合に、会社の都合で上司が職制上の優越的地位を利用して、家主との和解ないしは明渡請求に応じるように執拗に強要することは、許された説得の範囲を超え、部下の私的問題に関する自己決定の事由を侵害するものであって、不法行為を構成するものというべきであると述べた上で、Y2がXに対し、人事上の不利益をほのめかしながら、少なくとも2か月間・計8回にわたり執拗に上記建物を上記監査y買うに明け渡すことを説得し続けたというのであるから、上司として許された説得の範囲を超えた違法な行為に該当するとして、Y2により不法行為を認定しました。

なお、Y3については、Xとの直接の接触が一回に過ぎなかった点で許容範囲内と判断しております。

 

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業務上の不利益措置とパワハラ

2021-07-16

昨今パワーハラスメント(以下「パワハラ」といいます)は社会全体の問題となっており、実際に、パワハラに関するご相談をお受けすることは多くなっております。
そこで、本日は、パワハラと認められる事由について、裁判例を踏まえてご紹介いたします。
以下の事案がそのままあらゆる場合に適用できるわけではなく、あくまでも業務上の不利益措置に関する判断となりますので、ご注意ください。

 

1 東京高判平成5.11.12判時1484・135(松陰学園事件)

(1)事案の概要
学校法人Yの設置する高等学校の教諭であるXが、Y側によって、それまで担当していた学科の授業、クラス担任等一切の仕事を外されたうえ、何らの仕事も与えられないまま4年半にわたって別室に隔離され、さらに7年近くにわたって自宅研修をさせられ、年度末一時金の支給停止等の差別的取り扱いをされているのは不法行為である等として慰謝料の支払いを求めた事案です。

(2)判示
YがXに対し、仕事を外し、職員室内隔離、自宅研修という過酷な処遇を行い、更に賃金等の差別をしてきた原因については、Xが二度にわたって産休をとったこと及びその後の態度が気にくわないという多分に感情的な校長の嫌悪感に端を発し、その後些細なことについての行き違いから、Y側が勘定に走った言動に出て、執拗とも思えるほど始末書の提出をXに要求し続け、これにXが応じなかったため意固地になったことにあると認められるのであって、その経過において、Xのとった対応にも反省すべき点がなかったわけではないが、この点を考慮しても、Y側の一連の行為の正当性を基礎づける理由とはならず、業務命令権の濫用として違法・無効であり、また、Xの精神的苦痛は誠に甚大であるとして、Y側による不法行為を認定しました。

 

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暴言・暴行とパワハラ

2021-07-14

昨今パワーハラスメント(以下「パワハラ」といいます)は社会全体の問題となっており、実際に、パワハラに関するご相談をお受けすることは多くなっております。
そこで、本日は、パワハラと認められる事由について、裁判例を踏まえてご紹介いたします。
以下の事案がそのままあらゆる場合に適用できるわけではなく、あくまでも暴行に関する参考となる事案ですので、ご注意ください。

 

1 名古屋高判平成20・1・29労判967・62

(1)事案の概要
A社の従業員であったXが、勤務中、同社の従業員であったYから胸倉を掴まれ、頭・背中・腰を板壁にたたきつけられたり、頭突きをされたりといった暴行を受けるとともに、その後の労災保険申請手続等において、A社の従業員Zから、暴言を言われ、これによって、外傷性ストレス障害(PTSD)にり患したと主張して、A社らに対し、不法行為による損害賠償請求をした事案です。

(2)判示
裁判所は、YのXに対する上記暴行やZのXに対する暴言につき違法性があると判断しました。
ただし、この裁判例の注意点としては、Xが主張したPTSDについては認定せず、A社がXに損害を加えようとしているという類の被害妄想を焦点とする妄想性障害を罹患したと認定しました。

上記裁判例は、事案として明確に暴言や暴行が認められるというそもそも違法性の認定のハードルが低い事案であったとは考えられますが、実際にパワハラとして暴言や暴行がなされることは、パワハラの典型的なケースといえますので、今後の参考となる裁判例といえます。

 

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