Author Archive
配偶者居住権について
相続法の改正により、配偶者の居住の権利(配偶者居住権及び配偶者短期居住権)に関する規定(民法1028条から1041条まで)については、2020年4月1日から施行されています。
この配偶者居住権に関しては、新たに創設されたものであり、よくご相談いただくことがありますので、本日は、配偶者居住権の概要についてご紹介いたします。
1 配偶者居住権の成立要件
配偶者居住権の成立要件は、①配偶者が相続開始時に、被相続人所有の建物に居住していたこと、及び②その建物について配偶者に配偶者居住権を取得させる旨の遺産分割、遺贈又は死因贈与がなされたことです(民法1028条1項、554条)。
2 配偶者居住権成立のための注意点
配偶者居住権成立のための注意点をいくつかご紹介いたします。
以下の3点は、代表的な注意点ですが、これら以外にも注意点はありますので、実際に配偶者居住権の取得をご検討いただく場合には、専門家にご相談いただくことをお勧めいたします。
①配偶者居住権が認められる配偶者には、法律上被相続人との間で婚姻関係が成立している必要があり、内縁関係にとどまる者は含まれません。
②配偶者居住権の目的となる建物は、相続開始の時点で、被相続人の財産に属した建物である必要があります。そのため、被相続人が賃借していたに過ぎない建物に関しては、当然配偶者居住権は成立しません。
③建物が純粋に居住用建物ではなく、店舗兼住宅であった場合でも、配偶者は配偶者居住権を取得することができるものと考えられております。そしてこの場合、配偶者居住権を取得した配偶者は、居住建物の全体について使用及び収益をすることができることとなります。
3 弁護士へのご相談をご希望の方へ
配偶者居住権は、新たに創設された制度であり、実務の運用もまだまだ固まっておりません。
そのため、配偶者居住権の取得の検討は、慎重に進める必要があります。
当事務所は、配偶者居住権を含めて、相続に関するご相談もお受けしておりますので、相続に関してご不明な点やご不安な点等ございましたら、ご遠慮なく当事務所までご相談ください。

有森FA法律事務所の代表弁護士、有森文昭です。東京大学法学部および法科大学院を卒業後、都内の法律事務所での経験を経て、当事務所を開設いたしました。通関士や行政書士の資格も有し、税関対応や輸出入トラブル、労働問題など、依頼者の皆様の多様なニーズにお応えしています。初回相談から解決まで一貫して対応し、依頼者の最良のパートナーとして、共に最適な解決策を追求してまいります。
無断欠勤を続ける従業員の解雇について
「従業員が無断欠勤を続けており、連絡を取ろうと何度も試みたものの連絡が取れない状態が続いている。当該従業員を解雇しても問題はないか。」というご相談をお受けすることがあります。
そこで、本日は、無断欠勤を続ける従業員を解雇する場合に会社側が行うべき対応について、ご紹介いたします。
1 無断欠勤を続ける従業員の解雇
通常、従業員は、会社側に対して退職の意思表示をしてから退職します。
しかしながら、残念なことに、従業員の中には、突然無断で欠勤し、そのまま出勤しなくなるといった人もいます。
このような場合、どのように対処すべきか、より具体的にいうと、会社側がどのように当該従業員を解雇するか、という点が問題となります。
例えば、就業規則において、「無断欠勤が14日以上に及んだ場合」に、懲戒解雇する等と規定している会社は多くあります。
懲戒解雇は、会社が従業員に対して行うべき意思表示ですので、効力の発生には、当該従業員に対して意思表示が到達する必要があります(民法97条1項)。
仮に、身元保証人等を設けていた場合であっても、懲戒解雇の意思表示はあくまでも当該従業員本人に対して行う必要があり、身元保証人に対して行っても効力は発生しません。
しかしながら、従業員とは連絡がつかない状況ですので、従業員に対して懲戒解雇の意思表示を行うことは困難と言わざるを得ません。
そこで、このような場合に備えて、民法上は、「意思表示は、表意者が相手方を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、公示の方法によってすることができる」との規定を設けておりますので(民法98条1項)、会社側は、この公示の方法によって、懲戒解雇の意思表示をすることになります。
もっとも、公示による意思表示は、所在不明となった社員の最後の住所を所轄する簡易裁判所に申立てをしなければならず、費用と手間が掛かりますので、一連の手続きを専門家にご依頼いただくことをお勧めいたします。
以上に対して、就業規則において、無断欠勤の社員に対する取り扱いに関する規定を設けていない会社の場合には、懲戒解雇をすることはできず、普通解雇を含めて慎重に対応を検討する必要があります。
2 弁護士へのご相談をご希望の方へ
当事務所は、人事労務に関するご相談を幅広くお受けしております。
無断欠勤を続ける従業員を解雇する場合も含めて、人事労務に関してご不明な点やご不安な点等ございましたら、ご遠慮なく当事務所までご相談ください。

有森FA法律事務所の代表弁護士、有森文昭です。東京大学法学部および法科大学院を卒業後、都内の法律事務所での経験を経て、当事務所を開設いたしました。通関士や行政書士の資格も有し、税関対応や輸出入トラブル、労働問題など、依頼者の皆様の多様なニーズにお応えしています。初回相談から解決まで一貫して対応し、依頼者の最良のパートナーとして、共に最適な解決策を追求してまいります。
解雇の類型について
本日は、普通解雇以外の解雇の類型として、諭旨退職、諭旨解雇、懲戒解雇をご紹介いたします。
上記3つは、就業規則内でそれぞれ規定されることが多い表現です。
いずれも似たような表現ですが、法的な意味合いは全く異なる場合がありますので、それぞれの表現が何を意味するかは慎重に確認することが必要です。というのも、これらは法律上の定義があるわけではありませんので、当該規定毎に少しずつ意味合いが異なることも十分考えられるからです。
以下では、よく使われる意味を前提にご紹介いたします。
普通解雇にはなじみのある方も多いものと思われますが、その他の解雇の類型も重要ですので、ご一読いただけますと幸いです。
1 諭旨解雇
諭旨解雇とは、会社が社員に対して、自主的な退職を勧告し、これに従った場合には、退職として取り扱う一方で、従わない場合には、懲戒解雇として取り扱うというものです。
通常の場合、自主的な退職をするかどうかの判断期間として一定期間内に退職することが勧告されます。
退職又は解雇の選択を求めている点で、社員にとっては非常に重い処分と言わざるを得ませんが、自主的に退職する場合には、退職金の全部又は一部が支払われる取扱いがなされるのが一般的です。
2 諭旨退職
諭旨解雇ではなく、諭旨退職という表現が就業規則上用いられている場合もあります。
基本的には、諭旨解雇と同じことを意味している場合がほとんどであり、まずは、社員に対して自主的な退職を促すことを指しています。
3 懲戒解雇
懲戒解雇とは、労働契約を一方的に終了させる処分のことを指します。懲戒処分の中では最も重いものとなります。
就業規則等の規定にもよりますが、懲戒解雇の場合、当該従業員は、通常、退職金の支給を受けることはできません。
4 弁護士へのご相談をご希望の方へ
当事務所は、人事労務を幅広く取り扱っております。
従業員の解雇を含む、人事労務に関してご不明な点やご不安な点等ございましたら、ご遠慮なく当事務所までご相談ください。

有森FA法律事務所の代表弁護士、有森文昭です。東京大学法学部および法科大学院を卒業後、都内の法律事務所での経験を経て、当事務所を開設いたしました。通関士や行政書士の資格も有し、税関対応や輸出入トラブル、労働問題など、依頼者の皆様の多様なニーズにお応えしています。初回相談から解決まで一貫して対応し、依頼者の最良のパートナーとして、共に最適な解決策を追求してまいります。
家屋の相続について
「家屋を相続したが、遺産分割協議が難航しており、家屋の所有者が確定していない。もっとも、家屋を遺産分割協議が確定するまで手付かずの状態で放置するわけにもいかず、家屋の管理等をする必要があるが、単独の相続人が家屋の管理等を行って問題ないか。」というご相談をお受けすることがあります。
家屋の所有者が確定する前に行う家屋の管理等に関しては、行う作業によって相続人の同意が必要な範囲が異なりますので、注意が必要です。
以下、概要をご紹介いたしますので、ご参照いただけますと幸いです。
1 家屋の管理等について
まず、遺産分割が未了の場合、家屋は相続人の共有状態といえます。
そして、共有状態においては、各持分権者は、共有物に対して行う作業によっては、他の持分権者の同意が必要となります。
具体的には、以下のとおり、家屋の保存行為、管理行為、処分・変更行為毎に検討する必要があります。
(1)家屋の保存行為
相続人の一人が、家屋内の清掃等、民法上の保存行為に該当する作業を行う場合には、他の持分権者である相続人の同意を得る必要はなく、単独で行うことが可能です(民法252ただし書き)。
(2)家屋の管理行為
家屋が賃貸借契約の対象となっている場合における賃貸借契約の解除等、家屋の管理行為に該当する作業を行う場合には、持分権者の過半数の同意を得た上で行うことが必要です(民法252条本文)。
(3)家屋の処分・変更行為
家屋を大規模修繕する、また、家屋を解体するといった作業は、家屋の処分・変更行為に該当しますので、持分権者である相続人全員の同意が必要です。
なお、家屋の固定資産税は、相続人が連帯して納付する義務があります(地方税法10条の2第1項)。
そのため、法定相続分に応じて自己の分だけを納税し、納税義務から解放されるといったことはできませんので、注意が必要です。
2 弁護士へのご相談をご希望の方へ
当事務所は、不動産に関するご相談を幅広くお受けしております。
不動産に関して、ご不明な点やご不安な点等ございましたら、ご遠慮なく当事務所までご相談ください。

有森FA法律事務所の代表弁護士、有森文昭です。東京大学法学部および法科大学院を卒業後、都内の法律事務所での経験を経て、当事務所を開設いたしました。通関士や行政書士の資格も有し、税関対応や輸出入トラブル、労働問題など、依頼者の皆様の多様なニーズにお応えしています。初回相談から解決まで一貫して対応し、依頼者の最良のパートナーとして、共に最適な解決策を追求してまいります。
郵便物の輸出(輸入)通関手続について
郵便物は、通常の貨物とは異なる輸出通関・輸入通関手続が必要となりますので、注意が必要です。
本日は、各手続の概要をご紹介いたしますので、郵便物を輸出又は輸入なさる場合にはご参照いただけますと幸いです。
1 郵便物の輸出通関
(1)輸出郵便物の簡易手続き
輸出される郵便物で課税価格が20万円以下のもの、及び寄贈物品である郵便物については、輸出通関の迅速性の観点から、簡易手続きが行われ、輸出者は輸出申告をする必要があります(関税法76条)。
なお、かつては全ての郵便物について簡易手続きが行われておりました。
しかしながら、2009年2月16日以降は、課税価格が20万円を超える郵便物については、上記のとおり、寄贈物品である郵便物を除き輸出申告が必要となりますので注意が必要です。
(2)郵便物の輸出申告
課税価格が20万円を超えて輸出申告が必要となる郵便物は、通関業者に委託して、又は輸出者自身で輸出申告を行う必要があります。
2 郵便物の輸入通関
(1)輸入郵便物の簡易手続き
輸入される郵便物で課税価格が20万円以下のものおよび以下に掲げる①及び②については、輸入通関の迅速性の観点から簡易手続きが行われ、輸入者は輸入申告をする必要がありません(関税法67条)。
なお、かつては全ての郵便物について簡易手続きが行われていました。しかしながら、2009年2月16日以降は、課税価格が20万円を超える郵便物については、上記のとおり、以下に掲げるものについては、輸入申告が必要となる点には注意が必要です。
①寄贈物品である郵便物
②無償で貸与されることその他の事由により、名宛人において課税価格を把握し、または定率法別表の適用上の所属区分を判断することが困難と認められる郵便物
(2)郵便物の輸入申告
課税価格が20万円を超えて輸入申告が必要となる郵便物は、名宛人に対して輸入申告の手続が必要である旨の案内文書が通常送付されますので、それに従い輸入申告を行うことが必要となります。
3 弁護士へのご相談をご希望の方へ
当事務所は、代表弁護士が通関士資格を有しており、輸入・輸出に関するご相談を幅広く承っております。
輸入・輸出に関してご不明な点やご不安な点等ございましたら、お気軽にご相談いただけますと幸いです。

有森FA法律事務所の代表弁護士、有森文昭です。東京大学法学部および法科大学院を卒業後、都内の法律事務所での経験を経て、当事務所を開設いたしました。通関士や行政書士の資格も有し、税関対応や輸出入トラブル、労働問題など、依頼者の皆様の多様なニーズにお応えしています。初回相談から解決まで一貫して対応し、依頼者の最良のパートナーとして、共に最適な解決策を追求してまいります。
未成年者を雇用する場合の注意点
企業が未成年者を雇用する場合は多くありますが、未成年者を雇用する場合には特有の規制が存在します。
もっとも、特有の規制に関して正確に認識できていないケースも相当程度あるものと存じます。
そこで、本日は、未成年者の雇用について、就業時間の観点から設けられている特有の規制をご紹介いたします。
1 高校生の就業時間について
労働基準法61条により、使用者は午後10時から翌日午前5時までの時間帯においては、満18歳未満の年少者を使用することができないのが原則です。
ただし、同条の但書において、交替制勤務の場合においては、男性に限り満16歳以上のときには、満18歳未満の者でも使用することができるものとされております。
なお、ここで「交代制」とは、同一の労働者が一定期間毎に昼間勤務と夜間勤務を交代して従事する業務のことを指します(昭和23・7・5基発971号)。
2 中学生の就業時間について
繰り返しとなりますが、労働基準法では、満20歳未満の未成年者の内、満18歳未満の者を年少者として、特別な規制を課しております。
具体的には、年少者の内児童については就業をさせること自体が原則として禁止されております(労働基準法56条1項)。そして、ここでいう児童とは、満15歳に達した年度の末日に未到達、すなわち義務教育を終えていない中学生以下の者を指します。
以上のとおり、中学生は基本的に就業することはできませんが、13歳以上の場合は、軽易かつ有害でない業務については行政官庁の許可を受けることで、就学時間外に就業することができる場合があります(同条2項)。
労働基準法別表1の1から5号を除く業務が対象で、例えば、郵便の事業は11号に該当するため許容される場合があります。
もっとも、時間外労働や午後8時から翌日午前5時までの間に労働をすることはできず、かつ学校の就学時間と合わせて、1日7時間まで(同法60条2項)等の制約がある点には注意が必要です。
3 弁護士へのご相談をご希望の方へ
当事務所は、人事労務を幅広く取り扱っております。
未成年者の雇用も含めて、人事労務に関してご不明な点やご不安な点等ございましたら、お気軽に当事務所までご相談ください。

有森FA法律事務所の代表弁護士、有森文昭です。東京大学法学部および法科大学院を卒業後、都内の法律事務所での経験を経て、当事務所を開設いたしました。通関士や行政書士の資格も有し、税関対応や輸出入トラブル、労働問題など、依頼者の皆様の多様なニーズにお応えしています。初回相談から解決まで一貫して対応し、依頼者の最良のパートナーとして、共に最適な解決策を追求してまいります。
通勤定期代の支給方法にはご注意ください!
企業の中には、従業員に対して通勤定期代の支給をしている場合も多いものと思います。
しかしながら、通勤定期代を後払いとする場合には、労働基準法に違反する可能性がありますのでご注意ください。
本日は、通勤定期代の支給方法について、ご紹介いたします。
1 賃金毎月払いの原則について
まず、賃金について簡単にご説明いたしますが、賃金とは、賃金、給与、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対象として使用者が労働者に支払うすべてのものを指します(労働基準法11条)。
そして、賃金は、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければなりません(労働基準法24条)。
ここで、この賃金毎月払いの原則に関連して、通勤定期代がよく問題となりますので注意が必要です。
通勤定期代は、就業規則や賃金規程で定めた場合には、原則、労働基準法11条の賃金に該当すると考えられております(昭和25・1・18基収130号、昭和33・2・13基発90号参照)。
そして、賃金毎月払いの原則の例外として、臨時に支払われる賃金その他これに準ずるもので省令(労基則8条)で定める賃金については、例外となるとされておりますが、通勤定期代は、この例外には該当しないと考えられております。
2 通勤定期代と賃金毎月払いの原則の関係について
通勤定期代について、数ヶ月分を一括で支払う場合が問題となります。
本人が出費をしなくて済むように、通勤定期代の前払いをする場合には、賃金毎月払いの原則には反しないものと考えられます。
他方で、通勤定期代の後払いをする場合には、賃金毎月払いの原則に反する可能性もありますので、注意が必要です。
一定の期間分をまとめて後払いすることにしている場合や、そのような取扱いに今後することを想定している場合には、慎重な判断が必要となりますので、ご注意ください。
3 弁護士へのご相談をご希望の方へ
当事務所は、人事労務を幅広く取り扱っており、従業員への賃金の支払いに関するご相談もお受けしております。
従業員への賃金の支払いに関して、ご不明な点やご不安な点等ございましたら、ご遠慮なくご相談ください。

有森FA法律事務所の代表弁護士、有森文昭です。東京大学法学部および法科大学院を卒業後、都内の法律事務所での経験を経て、当事務所を開設いたしました。通関士や行政書士の資格も有し、税関対応や輸出入トラブル、労働問題など、依頼者の皆様の多様なニーズにお応えしています。初回相談から解決まで一貫して対応し、依頼者の最良のパートナーとして、共に最適な解決策を追求してまいります。
インターネット上の誹謗中傷への対応に関する注意点
「インターネット上で、自分への誹謗中傷の投稿がなされているので、何とかならないだろうか。」といったご相談をいただくことは多くあります。
インターネット上で誹謗中傷が記載された投稿への対応としては、大きく、次の①から③の3段階が考えられます。
①誹謗中傷の削除、②発信者の特定、③発信者への民事上、刑事上の責任追及
1 インターネット上で誹謗中傷が記載された投稿への対応には高いハードルがあります
表現の自由が憲法上保障されている以上、誹謗中傷が記載された投稿であるとはいえ、上記①から③の対応を取ることには高いハードルがあることは認識する必要があります。
もちろん、誹謗中傷が記載された投稿があるにもかかわらず泣き寝入りをするしかない、ということではありません。高いハードルがあることを認識した上で、各手段のメリット、デメリットを踏まえて、どのような対応を取ることが望ましい結果を得ることにつながるかを慎重に検討することが非常に重要です。
このような検討をするためには、対応経験がある専門家にご相談いただくことをお勧めいたします。
例えば、インターネット上の誹謗中傷への対応として、サイト管理者に対して、サイト上のフォームから任意での投稿の削除を請求することが考えられたとしても、サイトによっては、削除請求の内容を、サイト上公開するという対応を取っている場合もあります。
このような公開をされてしまうと、さらなる誹謗中傷の投稿を招くリスクがありますので、慎重に対応する必要があります。
また、上記①から③のいずれの対応を検討するにしても、様々な高いハードルがありますので、対応を取ったとしても、結果としては、何の成果も得られないことが多くあります。
仮に何らかの成果が出たとしても、費用倒れに終わることは十分考えられます。
そのため、どのような対応をとるか、それによってどのような成果が得られる可能性があるか、費用や時間はどの程度かかるか、といったことを慎重に対応する検討を進める必要があります。
2 弁護士へのご相談をご希望の方へ
以上のとおり、誹謗中傷が記載された投稿への対応については、経験のある専門家にご相談いただくことが非常に重要となります。
当事務所は、誹謗中傷が記載された投稿への対応経験がありますので、お気軽にご相談ください。

有森FA法律事務所の代表弁護士、有森文昭です。東京大学法学部および法科大学院を卒業後、都内の法律事務所での経験を経て、当事務所を開設いたしました。通関士や行政書士の資格も有し、税関対応や輸出入トラブル、労働問題など、依頼者の皆様の多様なニーズにお応えしています。初回相談から解決まで一貫して対応し、依頼者の最良のパートナーとして、共に最適な解決策を追求してまいります。
環境問題に関する代表的な国際的協定と貨物の輸出入の関係性について
環境問題に関する国際協定が貨物の輸出入にどのように関係しているのか、疑問をお持ちの方もいらっしゃるものと思われます。
しかしながら、世界的に環境問題に関する意識が高まり、今後ますますその傾向は強まることが予測されるところです。
今後、環境問題の観点から輸出入に一定の規制が課されることが考えられますので、現時点でそのような規制を伴う国際協定の概要を認識しておくことが重要です。
そこで、本日は、環境問題に関する代表的な国際協定等の概要について、ご紹介いたします。
1 ワシントン条約
ワシントン条約とは、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」のことを指し、「希少動植物の輸出入取引の制限及び禁止」を目的としております。
具体的には、ワシントン条約の既製品を輸出する場合には、外為法、輸出貿易管理令により、経済産業大臣の承認が必要です。
また、ワシントン条約付属書Ⅰに掲げられた既製品を輸入する場合においても、外為法、輸入貿易管理令により、経済産業大臣の承認が必要です。
2 モントリオール議定書
ウィーン条約に基づくもので、フロン・ハロン等の特定物質によるオゾン層の破壊からオゾン層を保護すること(特定フロン・ハロン等の全廃)を目的としております。
3 バーゼル条約
バーゼル条約とは、「有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関する条約」のことを指し、有害廃棄物の移動及び処分の規制を目的としています。
また、これら有害廃棄物を輸出をする場合には、外為法、輸出貿易管理令により、経済産業大臣の承認が必要です。
輸入に関しても、外為法、輸入貿易管理令により、経済産業大臣の承認が必要です。
4 弁護士へのご相談をご希望の方へ
上記のとおり、今後、環境問題の観点から、新たに輸出入に一定の規制が課されることも考えられます。
当事務所は、代表弁護士が、輸出入や通関手続きに関する唯一の国家資格である通関士資格を有しており、輸出入や通関手続きのトラブルに関して幅広くご相談をお受けしております。
環境問題の観点から輸出入に課される規制をはじめとして、輸出入や通関手続きに関してご不明な点等ありましたら、お気軽に当事務所までご相談ください。

有森FA法律事務所の代表弁護士、有森文昭です。東京大学法学部および法科大学院を卒業後、都内の法律事務所での経験を経て、当事務所を開設いたしました。通関士や行政書士の資格も有し、税関対応や輸出入トラブル、労働問題など、依頼者の皆様の多様なニーズにお応えしています。初回相談から解決まで一貫して対応し、依頼者の最良のパートナーとして、共に最適な解決策を追求してまいります。
労働基準監督署について
「労働基準監督署による調査があるとの連絡があったのですが、どのように対応すればいいでしょうか」、「労働基準監督署って何をする機関なんですか」というご質問をいただくことがあります。
そこで、本日は、労働基準監督署の権限等の概要をご紹介いたします。
以下でご説明する内容は、あくまでも一般的な内容となります。実際に労働基準監督署が問題視している内容に応じて、企業としては適切な対応を行う必要がありますので、専門家にご相談をいただくことを含めて慎重にご対応いただくようご注意ください。
1 労働基準監督署について
まず、厚生労働大臣の下に労働基準局が、各都道府県には国の機関たる都道府県労働局、そして現場で監督に当たる労働基準監督署が置かれています。
各企業に対して調査等を行う主体は基本的には労働基準監督署ということになります。
労働基準監督署長には、臨検・書類提出要求・尋問(労働基準法101条)、許可(同33条1項等)、認定(同19条2項等)、審査・仲裁(85条)の権限が付与されています(99条3項)。
また、労働基準監督官には、臨検、書類提出要求、尋問、労基法違反について司法警察員の職務、すなわち、逮捕、逮捕の際の令状によらない差押え、創作、懸賞、令状による差押え、創作、検証等の権限が付与されています(102条)。
なお、労働基準監督署法の実効性を確保するため、使用者には次のような義務が課せられている点にも留意が必要です。
具体的には、法令、就業規則、労使委員会決議の周知義務(106条)、労働者名簿の調整義務(107条)、賃金台帳の調整義務(108条)、記録の保存義務(109条)、報告・出頭義務(104条の2)等です。
2 弁護士へのご相談をご希望の方へ
当事務所は、人事労務を幅広く取り扱っております。
労働基準監督署への対応に関するご相談等もお受けしておりますので、労働基準監督署への対応に関してご不安な点やご不明な点等ありましたら、お気軽にご相談ください。

有森FA法律事務所の代表弁護士、有森文昭です。東京大学法学部および法科大学院を卒業後、都内の法律事務所での経験を経て、当事務所を開設いたしました。通関士や行政書士の資格も有し、税関対応や輸出入トラブル、労働問題など、依頼者の皆様の多様なニーズにお応えしています。初回相談から解決まで一貫して対応し、依頼者の最良のパートナーとして、共に最適な解決策を追求してまいります。
