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有期雇用労働者の無期転換申込権の具体的な要件について
先日のコラムにおいて、有期雇用労働者の無期転換申込権の概要をご紹介いたしました。
有期雇用労働者の無期転換申込権は労働者にとって非常に重要な制度であるとともに、使用者側も正確理解しておくことが求められる制度といえます。
そこで、本日は、当該申込権の具体的な内容等をご紹介いたします。
先日のコラムと併せてご参照いただき、人事労務に反映していただけますと幸いです。
1 無期転換申込権の具体的な要件
有期雇用労働者の無期転換申込権については、労働契約法18条で規定されておりますが、具体的には以下のとおりです。
①同一の使用者(事業場単位ではなく事業主単位で判断する)との間における2以上の有期労働契約であること
②通算雇用期間が5年を超えること(平成25年4月1日以降に開始する労働契約が対象となります)
なお、労働契約と労働契約の間に労働契約が存在しない機関がある場合に、どのように労働契約期間を算定するかは、クーリング期間の考え方として特別な考え方をいたしますので、注意が必要です。
2 無期転換申込権の消滅について
無期転換申込権は、現に締結している有期労働契約の契約期間満了までに行使することが必要である点には注意が必要です。
なお、契約が更新され、次の契約期間が開始した場合には、更新された各期間において、都度、無期転換申込権は発生すると考えられております。
3 弁護士へのご相談をご希望の方へ
当事務所は、人事労務に関するご相談を幅広くお受けしております。
弁護士に相談をした方がよいかお悩みの方もいらっしゃるものと思いますが、お悩みをご相談いただくことで、お悩み解消の一助となることもできます。
日々の業務の中で発生する人事労務に関するご相談や、新しい労働関連法規の成立、修正により自社にどのような影響が生じているかを確認したいといった場合まで、人事労務に関してご不明な点やご不安な点等ございましたら、お気軽に当事務所までご相談ください。

有森FA法律事務所の代表弁護士、有森文昭です。東京大学法学部および法科大学院を卒業後、都内の法律事務所での経験を経て、当事務所を開設いたしました。通関士や行政書士の資格も有し、税関対応や輸出入トラブル、労働問題など、依頼者の皆様の多様なニーズにお応えしています。初回相談から解決まで一貫して対応し、依頼者の最良のパートナーとして、共に最適な解決策を追求してまいります。
有期雇用労働者への無期転換権の付与について
「雇止め」は、社会問題となっておりますし、よくニュース等でも使用されますので、ご存知の方も多いものと思います。
簡単に言うと、有期雇用労働者の有期雇用契約を、会社の都合で更新しないことを指します。
もっとも、現在は、このような雇止めに一定の規制が課せられております。
以下、ご説明いたしますので、ご参照いただけますと幸いです。
1 有期雇用労働者への無期転換権の付与について
労働契約法18条1項は、同一の使用者との間で締結された2以上の有期労働契約の通算契約期間が5年を超える労働者が、当該使用者に対し、現に締結している有期労働契約の契約期間が満了する日までの間に、期間の定めのない労働契約の締結の申込みをしたときは、使用者は当該申込みを承諾したものとみなす、と規定しております。
そして、転換後の労働条件については、「当該申込みに係る期間の定めのない労働契約の内容である労働条件は、現に締結している有期労働契約の内容である労働条件(契約期間を除く。)と同一の労働条件」(同条項)と規定されております。
この点については、無期労働契約への転換をもって、他の無期労働契約者との間の労働条件と同等のものとすることまでは使用者に対して要求するものではないものと考えられております。
要するに、もちろん、同一労働同一賃金の原則という観点から、一定の制約はあるものと考えられますが、無期転換という事実だけをもって、労働条件全体の変更を求めるものではないと考えられます。
2 弁護士へのご相談をご希望の方へ
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試用期間について
多くの企業では、本採用の前に従業員としての適格性等を判断するための期間として試用期間を設けております。
そこで、本日は、このような試用期間の法的性質等について、ご説明いたします。
1 試用期間の法的な位置づけ
試用期間の法的位置づけについて、裁判所は、個別の契約毎に具体的に判断されるとの留保を付しつつ、通常は、解約権留保付労働契約として構成されると考えているようです(最大判昭48・12・12民集27・11・1536(三菱樹脂事件))。
また、試用期間の長さについては、基本的に法令上制約はありませんが、1から6ヶ月程度とする企業が大多数であるようです。
もっとも、合理的理由がないにもかかわらず、長期に試用期間を設定する場合、公序良俗違反等と認定されてしまう場合もあるので、注意が必要です。
2 企業による解約権の行使
試用期間中に企業が解約権を行使する場合、その有効性は、通常の解雇の場合よりも広く認められます。
しかしながら、無制約に解約権の行使が有効であると認められるわけではなく、あくまでも、解約権留保の趣旨、目的に照らして客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当として是認されうる場合にのみ有効であるものと判断されます。
そして、企業側は、従業員の適格性がないと判断した根拠を客観的な資料に基づき示す必要がありますので、単に直属の上司が感覚的に当該従業員の適格性がないと判断した、等ということでは解約権の行使が有効であるとは認められない可能性が高いですので、注意が必要です。
3 弁護士へのご相談をご希望の方へ
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ご存知ですか?~通告処分について~
通告処分という言葉を聞いたことがある方は少ないのではないでしょうか。
なかなか一般の方が通告処分の対象になることは多くはないので、あまり知られておりませんが、輸出入をビジネスとして行っている方にとっては、非常に重要な制度です。
以下では、通告処分の概要をご紹介いたしますので、これまで通告処分をご存知でなかった方は是非ご参照いただけますと幸いです。
1 通告処分について
税関長は、犯則事件の調査により販促の心証を得たときは、その理由を明示し、罰金に相当する金額、没収に該当する物件、追徴金に相当する金額、書類の送達並びに差し押さえ物件の運搬及び保管に要した費用を税関に納付すべき旨を書面により通告する必要があります(関税法146条1項)。
当該通告処分は、敢えて刑事上の処罰をもって臨むことを要しない犯則事件について、行政秩序の維持等を図るため、行政官庁の行政処分としてなされるものです。
反則者が通告の旨を履行したときは、同一事件について再び公訴を提起されることはありません(関税法146条5項)。
関税法の規定による通告処分は行政処分であるので、反則者が仮にその旨を履行したとしても法的には、単に行政処分に服従したにとどまり、必ずしも、国の刑事件が消滅したことになるとはいえません。
そのため、犯則者が更に刑事訴追を受けることがあるとすれば適当ではないので、関税法では、このような不合理を避けるため、明文の規定をもって、犯則者が通告の旨を履行したときは、一事不再理と同様の法律効果を生じることを規定しています。
2 弁護士へのご相談をご希望の方へ
当事務所は、代表弁護士が輸出入や通関に関する唯一の国家資格である通関士資格を有しており、輸出・輸入や通関上のトラブルに関するご相談を幅広くお受けしております。
弁護士に相談をした方がよいかお悩みの方もいらっしゃるものと思いますが、お悩みをご相談いただくことで、お悩み解消の一助となることもできます。
輸出・輸入や通関に関するトラブル、税関事後調査を含む税関対応等でお悩みの場合には、ご遠慮なく当事務所までご相談ください。

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関税法上の両罰規定について
本日は、関税法上規定されている両罰規定についてご紹介いたします。
貨物の輸出入と直接的に関係のある話ではありませんが、貨物の輸出入の際にはどのような行為が違法とされているのか、また、違法行為を行った場合にはどのような罰則があるのか、という点を理解しておくことは、貨物の輸出入をビジネスとして行っている方にとっては有益といえますので、ご参照いただけますと幸いです。
1 関税法上の両罰規定について
法人(人格のない社団等(法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるもの)は、法人とみなします。)の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産について、以下に該当する違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対してそれぞれの条の罰金刑を課することとされております(関税法117条1項、3項)。
①関税法108条の4から112条まで(輸出してはならない貨物を輸出する罪、輸入してはならない貨物を輸入する罪、輸入してはならない貨物を保税地域に置く等の罪、関税を免れる等の罪、許可を受けないで輸出入する等の罪、密輸貨物の運搬等をする罪)
②同法112条の2(用途外に使用する等の罪)
③同法113条の2(特例申告書を提出期限までに提出しない罪)
④同法114条の2(報告等を怠った等の罪)
⑤同法115条の2(帳簿の記載を怠った等の罪)
⑥同法116条(重大な過失犯)
2 弁護士へのご相談をご希望の方へ
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解雇対象者選定の合理性について
整理解雇がどのような場合に有効と判断されるかについては、本コラムでも繰り返しご紹介してまいりました。
整理解雇が客観的に合理的で社会的に相当な解雇であるかどうかを判断する際には、4つの要素に着目する必要があります。
本日は、当該4要素の内の解雇対象者選定の合理性について、ご紹介いたします。
他のコラムと併せてご参照いただけますと幸いです。
1 解雇対象者選定の合理性について
まず、整理解雇の有効性を判断する際に着目される4つの要素とは、すなわち、人員削減の必要性、解雇回避努力義務、解雇対象者選定の合理性、説明・協議等の解雇手続の相当性、です。
このうち、解雇対象者選定の合理性に関してみると、合理性を否定される典型例としては、労働組合員や共働きの女性を対象とする等の法令違反(労働組合法7条、男女雇用機会均等法6条4号)の場合ですが、その他に、客観的基準を設けずに使用者の恣意的選択で行う場合も含まれます。
しかしながら、あらゆる事案に妥当する客観的基準があるわけではなく、複数のありうべき客観的基準のうちいずれかを選択するかは当事者に委ねられる余地があります。
例えば、勤務成績不良者という基準と、再就職が用意で解雇の打撃の小さい者という基準は、相互に矛盾し得るものですが、設定された基準が違法な差別を含まず、使用者の恣意的選択を排除する客観的基準である場合には、合理性が認められる可能性が高くなります。
2 弁護士へのご相談をご希望の方へ
当事務所は、人事労務に関するご相談を幅広くお受けしております。
弁護士に相談をした方がよいかお悩みの方もいらっしゃるものと思いますが、お悩みをご相談いただくことで、お悩み解消の一助となることもできます。
日々の業務の中で発生する人事労務に関するご相談や、新しい労働関連法規の成立、修正により自社にどのような影響が生じているかを確認したいといった場合まで、人事労務に関してご不明な点やご不安な点等ございましたら、お気軽に当事務所までご相談ください。

有森FA法律事務所の代表弁護士、有森文昭です。東京大学法学部および法科大学院を卒業後、都内の法律事務所での経験を経て、当事務所を開設いたしました。通関士や行政書士の資格も有し、税関対応や輸出入トラブル、労働問題など、依頼者の皆様の多様なニーズにお応えしています。初回相談から解決まで一貫して対応し、依頼者の最良のパートナーとして、共に最適な解決策を追求してまいります。
関税の徴収の引継ぎについて
関税の徴収について、どのようなイメージをお持ちでしょうか。
基本的には税関から通知が届いて支払うとか、通関業者からの連絡に従って支払う等のイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。
関税の徴収は税関にとって重要な業務ですので、効率的に行う仕組として様々な施策を取っておりますが、本日は、このうち関税の徴収の引継ぎについて、ご紹介いたします。
輸入をビジネスとしている方にとってもなかなか馴染みのない話であるものと思われますが、ご参照いただけますと幸いです。
1 関税の徴収の引継ぎについて
関税の徴収及び滞納の整理は、貨物の輸入地を管轄する税関長及びその所属の徴収職員が行うのが原則です。
しかし、貨物の輸入地を管轄する税関長は、当該貨物に係る関税の徴収について、他の税関長に引継ぎを行うことにより、関税法11条の規定に基づく関税の徴収を効率的に行うことができると認められる場合に、他の税関長に引継ぎをすることができることとなっています(関税法10条の2第1項)。
そして、税関長が関税の徴収について他の税関長に引継ぐことができる場合の具体的基準については、関税法基本通達10の2-1に規定されております。
関税の徴収の引継ぎについては、納税義務者に大きく関連することですので、関税の徴収の引継ぎがあった場合は、引継ぎを受けた税関長は、遅滞なく、その旨を納税義務者に通知するものとされております(関税法10条の2第2項)。
2 弁護士へのご相談をご希望の方へ
当事務所は、代表弁護士が輸出入や通関に関する唯一の国家資格である通関士資格を有しており、輸出・輸入や通関上のトラブルに関するご相談を幅広くお受けしております。
弁護士に相談をした方がよいかお悩みの方もいらっしゃるものと思いますが、お悩みをご相談いただくことで、お悩み解消の一助となることもできます。
輸出・輸入や通関に関するトラブル、税関事後調査を含む税関対応等でお悩みの場合には、ご遠慮なく当事務所までご相談ください。

有森FA法律事務所の代表弁護士、有森文昭です。東京大学法学部および法科大学院を卒業後、都内の法律事務所での経験を経て、当事務所を開設いたしました。通関士や行政書士の資格も有し、税関対応や輸出入トラブル、労働問題など、依頼者の皆様の多様なニーズにお応えしています。初回相談から解決まで一貫して対応し、依頼者の最良のパートナーとして、共に最適な解決策を追求してまいります。
外国貨物に係る関税の徴収の順位について
「税金は徴収の順位がある」ときいても、よくわからないとお考えの方は多いのではないでしょうか。
税金には徴収の順位というものがあり、他の税金よりも優先的に徴収するものもあれば、そのような優先的な取扱いがなされない種類の税金もあります。
そこで、本日は、関税の徴収の順位についてご紹介いたします。
輸入をビジネスとして行っている方にとってもなかなか馴染みのない話とは思いますが、ご参照いただけますと幸いです。
1 外国貨物に係る関税の徴収の順位について
まず、外国貨物に係る関税は、国税徴収法、地方税法その他の法令の規定に関わらず、関税を徴収すべき外国貨物について、他の公課(国、地方公共団体その他の公共団体が賦課する税金および手数料等)及び債権に先立って徴収します(関税法9条の5第1項)。
ただし、国税徴収の例により徴収する場合には、他の国税と同順位となる点には注意が必要です(関税法9条の5第2項)。
そして、国税徴収の例により関税等を徴収する場合には、他の国税、地方税の中での徴収順位を明確にする必要があるので、未納の租税の徴収権を持っている機関が、その未納の租税の徴収のために、納税義務者の一般財産を差し押さえた場合には、その差し押さえた一般財産の売却代金については、他の租税に優先して徴収できます(関税法11条、徴収法12条)。
このことを、差押先着主義ともいいます。
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輸出・輸入や通関に関するトラブル、税関事後調査を含む税関対応等でお悩みの場合には、ご遠慮なく当事務所までご相談ください。

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年次有給休暇取得への配慮と代替要員確保について
年次有給休暇は従業員にとって非常に重要な制度であり、このような年次有給休暇を従業員は基本的に自由に取得することが出来ます。
一定の場合には、企業が時季変更権を行使することが出来ますが、この場合にも、企業は、可能な限り従業員に対して配慮をする必要があります
以下、ご説明いたしますので、ご参照いただけますと幸いです。
1 年次有給休暇取得への配慮と代替要員確保について
企業が、時季変更権を行使することができる場合として、「事業の正常な運営を妨げる場合」と規定されています。
そして、「正常な運営を妨げる」とは、当該労働者の労働が「事業」の運営にとって不可欠で、かつ代替要員確保が困難なことを言います。
これは、蓋然性で足り、結果的に事業が正常な運営されたとしても時季変更権行使の適法性判断に葉影響しません。
ただし、判例(弘前電報電話局事件・最判昭和62・7・10民集41・5・1229)は、「できるだけ労働者が指定した時季に休暇を取れるよう状況に応じた配慮」を要請しています。
したがって、通常の配慮をすれば代替要員配置が客観的に可能なのにそのような配慮をしない場合、事業の正常な運営を妨げる場合に該当するとの主張は認められません。
他方で、通常の配慮をしても客観的に大体勤務者を確保することが不可能な場合には、配慮をしたと考えうる具体的行為をしなくてもよいものとされています(電電公社関東電気通信局事件・最判平成元・7・4民集43・7・767)。
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年次有給休暇の時季変更権について
年次有給休暇が労働者にとって非常に重要な制度であり、企業にとっても労働者に適切な年次有給休暇を取得させることが重要であることはこれまでのコラムにおいてご紹介してまいりました。
このような年次有給休暇は、基本的には労働者が自由に取得することができることが原則的なルールではあります。もっとも、労働者が一斉に年次有給休暇を取得する等、一定の場合には、労働者の年次有給休暇の自由な取得を認めると企業の業務にとって非常に重大な影響が生じる可能性があります。
そこで、労働基準法上、企業の時季変更権が認められております。
本日は、このような年次有給休暇の時季変更権をご紹介いたしますので、ご参照いただけますと幸いです。
1 年次有給休暇の時季変更権について
労働者が、時季指定権を行使して年休時季を指定した場合には、使用者は、「請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる」(労働基準法39条5項但書)とされております。
時季変更権の行使方法としては、単に「承認しない」というのみでも足り。他の時季を使用者が指定する必要がありません。
ただし、「ほかの時季にこれを与える」可能性がなければならないので、当該労働者の退職前などで他の時季に与える可能性がない場合には、時季変更権をこうしすることはできないものと解されております。
また、休暇の全部ではなく、一部についてのみ変更権を行使することも可能です。
なお、変更権は、休暇開始前に行使することが原則ですが、時季指定が指定年休日の開始時期に接着しており、事前に判断する余裕がなかった場合につき、判例では、年休開始後の時季変更権行使も適法としております(時事通信社事件・最判平成4・6・23民集46・4・306)。
2 弁護士へのご相談をご希望の方へ
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