輸出事後調査の現状

近年、経済安保の関係で外為法(外国為替及び外国貿易法)の重要性が高まる中で、輸出事後調査が注目されています。この調査は、過去に行われた輸出取引の適正性を確認し、法令違反のリスクを未然に防ぐための重要な手続きです。本記事では、輸出事後調査の概要とその意義についてご説明いたします。

 

1 輸出事後調査とは?

輸出事後調査とは、過去の輸出取引について、外為法や関連する輸出規制への適合性を検証するために行う内部的または外部的な調査です。特に以下の点を確認します:

①規制対象の確認(該非判定)
輸出した製品や技術が、輸出規制リストやキャッチオール規制に該当していないかを再確認します。

②輸出許可手続きの適正性
該当する場合、必要な輸出許可や申請が適切に行われていたかを確認します。

③輸出先や用途の妥当性
輸出先や最終用途が適正であり、軍事転用や不正利用のリスクがなかったかを調査します。

 

2 調査で確認対象となる主なポイント

輸出事後調査では、以下の項目が重点的に確認されます。

①該非判定の記録
輸出前に行われた該非判定が正確であり、その記録が適切に保存されているかを確認します。

②輸出先の調査
取引先が規制対象の国や人物ではないか、また再輸出のリスクがないかを確認します。

③輸出許可の取得状況
規制対象の場合、輸出許可が適切に取得されていたか、またその手続きが法的要件を満たしているかを検証します。

④関連文書の保存状況
輸出に関する契約書や申請書類、取引記録などが適切に保存されているかを確認します。

 

3 輸出事後調査の意義と専門家に依頼するメリット

輸出事後調査は、外為法や関連規制に基づいて輸出取引の適正性を確認し、法令違反や経済安全保障上のリスクを防ぐために欠かせない制度です。

輸出事後調査は単なる過去の問題点の洗い出しにとどまらず、企業のコンプライアンス体制の向上や信頼性の確保に直結しますので、輸出事後調査を機にしっかりとした輸出管理体制を維持することで、将来的に行政や取引先からの信頼を得るだけでなく、事業の安定と成長を支えることにもつながります。

輸出事後調査は、外為法をはじめとした様々な法規制を踏まえて行われることになりますので、専門的な知識が必要となるため、なかなか初回の調査の際にスムーズに対応することは難しい場合が多いのが実情です。

適切な対応や確認を行うために、日常的に専門家のアドバイスを受けることが有益です。

輸出管理や外為法の遵守に不安を感じている企業の方は、ぜひ弁護士などの専門家にご相談いただくことをお勧めいたします。

 

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