労働基準法の規定に反する労働条件は無効となるということを聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
このような労働基準法上の効力は、強行的直律的効力といわれるものであり、非常に重要な効力です。これは、労働者を保護するために設けられている効力です(このような効力がない場合、労働者が使用者に搾取されるという構造になってしまうことは歴史上明らかです。)。
そこで、本日は、このような労働基準法上の強行的直律的効力について、ご紹介いたしますので、ご参照いただけますと幸いです。
1 労働基準法の強行的直律的効力について
労働基準法13条は、「この法律に定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする」、と規定されており、強行的効力を定めております。
これに加えて、「この場合において、無効となった部分は、この法律で定める基準による」として直律的効力を規定しております。
例えば、労働基準法の法32条2項は1日8時間労働を定め、27条は8時間を超える労働に対して割増賃金支払を義務付けているところ、1日10時間労働で割増賃金は支払わないという労働契約を締結しても、8時間を超える労働義務を定める部分は無効となり、1日8時間労働の契約に修正されます。
また、8時間を越える労働について割増沈賃金を支払わないという契約も無効であり、37条に従って割増賃金請求権が発生します。
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