労使間の規律の一つに労働協約がありますが、労働協約についてあまりご存知ない経営者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
労働協約は、就業規則等と並び、労使間の規律として非常に重要な規程となります。
そこで、本日は、労働協約の概要、及び労働協約と類似のものである労使協定をご紹介いたしますので、ご参照いただけますと幸いです。
このページの目次
1 労働協約について
労働協約とは、使用者と労働組合との間で結ばれた労働条件や労使関係を規律する所定の様式を備えた書面による合意のことを指します(労働組合法(以下法名略)14条)。
労働協約の設定する労働条件規範は、労働組合の組合員の労働契約に対して規範的効力を有します(16条)。
また、労働協約には、使用者と労働組合間の契約としての効力もあり、集団的労使関係ルールを規律する規範となります。
2 労使協定について
労働協約とは類似のものとして労使協定がありますが、労働協約とは異なるものなので、注意が必要です。
ここで、労使協定とは、使用者と過半数を代表する組合、そのような組合が存在しない場合は過半数を代表する労働者との間で結ばれる事業場協定を指します。
労使協定は、労基法等の労働保護法の最低基準行を解除する効力及び罰則を免れしめる効力である免罰効が認められます。
もっとも、労働協約とは異なり、労働契約自体を規律する司法上の効力は認められませんので注意が必要です。
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