貨物を輸入する場合には、適切に輸入申告を行い輸入許可を受ける必要があります。
しかしながら、一定の場合には、貨物が輸入されたものとみなすという対応が取られる場合があることをご存知でしょうか。
本日はこのような、みなし輸入について、ご紹介いたします。
ご参照いただけますと幸いです。
1 みなし輸入について
保税展示場又は総合保税地域に入れられた外国貨物が保税展示場等内で販売された場合には、その販売が輸入とみなされます(関税法62条の4第2項、第62条の15)。
また、外国貨物が輸入される前に本邦において使用され、又は消費される場合には、その使用し、又は消費する者がその使用又は消費の時に当該外国貨物を輸入する物とみなされます(関税法2条3項)。
これは、関税法2条1項1号に掲げる輸入の定義においては、「輸入とは、外国貨物を本邦に(保税地域を経由する者については、保税地域を経由して本邦に)引き取ることをいう。」と規定しているため、貨物を保税地域内又は保税地域以外の場所で使用し、又は消費することを輸入とすることはできないので、これを特に輸入とみなすこととしたものです。
貨物の使用、消費の例としては、所定の輸入手続きをする前に、外国貨物である自動車を乗り回すことや、酒類を飲用すること等があります。
また、保税地域に蔵置されている外国貨物の一部を、その所有者が分析のための見本として当該保税地域内で消費する行為や保税展示場内において観覧者が外国貨物である食品を試食する行為も、使用、消費に該当するものと考えられております。
2 弁護士へのご相談をご希望の方へ
当事務所は、代表弁護士が輸出入や通関に関する唯一の国家資格である通関士資格を有しており、輸出・輸入や通関上のトラブルに関するご相談を幅広くお受けしております。
輸出・輸入や通関に関するトラブル、税関事後調査を含む税関対応等でお悩みの場合には、ご遠慮なく当事務所までご相談ください。