輸入許可前貨物の引取承認制度について

貨物の輸入をビジネスとして行っている方はもちろんのこと、貨物を輸入した経験がある方は、貨物を輸入する場合には、輸入許可を取得する必要があることはご存知だと思います。
原則として、輸入許可取得後でなければ輸入貨物を引き取ることができませんが、特別な事情があり、輸入申告の後、関税額に相当する担保を提供し、税関長の承認を受けた場合は、輸入許可前に貨物を引き取ることが可能です。
この制度を「輸入許可前引取り」(関税法第73条)(「BP通関」等と呼ばれる場合もあります。)といいます。

以下、輸入許可前引取りについてご紹介いたしますので、ご参照いただけますと幸いです。

 

1 輸入許可前引取りについて

輸入許可前引取りは、輸入申告において他法令による許可、承認等が必要な場合はそれらを得ていることを税関に証明することが必要です。
このほか、申告貨物について原産地の虚偽表示・誤認表示がある場合、当該貨物が輸入を許可するにふさわしくない、または申請がもっぱら関税の延納を目的とするなど、明らかに本制度の本旨に反すると認められる場合には輸入許可前引取りの承認は受けられませんので注意が必要です。

輸入許可前引取りが承認されるのは以下の場合です。

①税関側の事情により輸入許可が遅延する場合
新規輸入品など課税標準の審査に日時を要する場合、分析、検定を要するなどの理由により関税率表の分類に時間を要する場合など

②申告者側において、特に引き取りを急ぐ理由があると認められる場合
輸入貨物が消散、漏洩、変質または損傷のおそれがあるものである場合や、輸入貨物である原材料の在庫がなく、工場の操業などに支障をきたす場合など

③申告者側の事情により輸入許可が遅延する場合
インボイスがプロフォーマであること、または契約が揚地ファイナルであることなどの理由により、課税標準の決定に日時を要する場合など

④その他の場合
税関長が輸入許可前引取りを承認すべきやむを得ない理由があると認める場合など

 

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