従業員へのお祝い金、賃金に該当する可能性があることをご存知ですか?

賃金は、従業員の業務への対価であるため、例えば、従業員が結婚したことに対して、会社が当該従業員に対してお祝い金を給付したとしても、当該お祝い金は従業員の業務への対価ではないため賃金に該当するはずはない、とお考えの方は非常に多いものと思います。
しかしながら、お祝い金を含めて、直接的には従業員の業務への対価ではないように思われるものに関しても、労働基準法上、賃金と扱う必要がある場合もありますので、注意が必要です。

そこで、本日は、このような場合として、①慶弔禍福の給付金、②退職金、③賞与に関してご紹介いたします。
なお、賃金に関しては、別のコラムでもご紹介しておりますので、併せてご参照いただけますと幸いです。

 

1 慶弔禍福の給付金について

結婚祝い金、災害見舞金、弔慰金等のいわゆる恩恵的給付は、原則として従業員の労働の対価とはいえず、基本的には、その給付の法的性格は、贈与に該当するものと考えられております。
もっとも、これらの給付であっても、労働協約、就業規則、労働契約等でその支給基準が明確化され、かつ、当該基準に従って企業側に支払義務が存在する場合には、労働の対価として賃金に該当すると考えられています(昭和22・9・13発基17等)。

 

2 退職金について

退職金は、支給基準が就業規則等で規定されておらず、その支払が企業側の裁量に依存する場合は、労働基準法上の賃金には該当しないと考えられております。
他方で、退職金について就業規則等に規定があり、その支給基準が明記され、それに従って企業側に支払義務が生じている場合は、賃金に該当します。

 

3 賞与について

退職金同様に、就業規則等で支給基準が規定されておらず、その支払が企業側の裁量に依存する場合は、賃金には該当しないと考えられております。
他方で、労働協約、就業規則等に規定があり、その支給基準が明記され、それに従って企業側に支払義務が生ずる場合は、賃金に該当します。

 

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当事務所は、人事労務を幅広く取り扱っております。
従業員に対して支給する金員に関の賃金該当性が不明確な場合も含めて、賃金に関してご不明な点等ありましたら、お気軽にご連絡ください。

 

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