本日は、輸入事後調査の対応の際の注意点の1つをご紹介いたします。
輸入者の中には、「輸入事後調査の存在は知っているが、調査実施前に通知が来るはずなので、その通知が届いてから対応を検討すれば十分だろう」とお考えの方がいらっしゃいます。
しかしながら、このような考えは以下の観点からリスクがあります。
すなわち、一般的には、輸入者が調査の準備を出来るように期間を設ける趣旨から、調査より前に、調査の対象となる輸入者に対して通知が届く運用がなされているようです。
しかしながら、通知を事前に行うことについて法令上の規定があるわけではありませんので、調査実施前に通知が届かない場合や、調査日からあまり期間がないタイミング(例えば前日等)で通知が届く場合もありますので、注意が必要です。
実際に、税関のHP上では、輸入事後調査の事前通知に関して、「法令の規定に従い、申告内容、過去の調査結果、事業内容などから、事前通知をすると、①違法又は不当な行為を容易にし、正確な課税標準等又は税額等の把握を困難にするおそれ、又は、②その他、調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると判断した場合には、事前通知をしないこともあ」る、との説明が掲載されております。
身に覚えがなく、また、実際には問題がない場合であっても、税関が上記①又は②のおそれがあると判断した場合には、輸入事後調査の事前通知がなく、突然輸入事後調査が実施される可能性があります。
以上のとおり、輸入事後調査について、事前通知が届いてから対応を検討すればよいとの考えにはリスクがあります。事前に輸入に関する業務内容を整理し、日々の業務が適正に遂行できるような体制を構築することが重要です。
当事務所では、代表弁護士が通関士資格を有しており、豊富な輸入事後調査の対応経験を有しております。輸入事後調査の対応準備から実際の調査時の立会まで、輸入事後調査に関して幅広くサポートさせていただくことが可能ですので、輸入事後調査に関して少しでも不安な部分がある方は当事務所までお気軽にお問い合わせください。