企業は、そのビジネスを行うためには従業員による業務の遂行が必要不可欠です。
そして、企業と従業員の間の関係性が常に良好であれば問題はないのですが、残念ながら、実際には、労使関係には紛争がつきものです。
紛争が発生した際には、話し合いで双方が納得した上で解決できることが最善ではありますが、話し合いでの解決が困難であることも多く、そのような場合には、法令の規定に則った解決を図ることとなります。
もっとも、労使関係をめぐる法令は多岐にわたり、その全部を正確に把握することは困難と言わざるを得ません。
ただ、このような状況であっても、代表的な法令の概要だけでも把握しておくことは有益です。
そこで、本日は、企業が人を雇用する際に注意する必要がある代表的な労働関連の法令をご紹介いたします。
代表的な労働関連の法令は以下のとおりです。
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①労働基準法
労働基準法において、労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならないと規定されており(1条1項)、労働基準法で規定する基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効となります(13条)。
そのため、企業としては、労働基準法に違反しない労働条件を労働契約に盛り込むことが必要となります。
②労働契約法
労働契約法は、労働者及び使用者の自主的な交渉の下で、労働契約が合意により成立し、又は変更されるという合意の原則その他労働契約に関する基本的事項を定めることにより、合理的な労働条件の決定又は変更が円滑に行われるようにすることを通じて、労働者の保護を図りつつ、個別の労働関係の安定に資することを目的として規定されております(1条)。
労働契約の成立、変更、継続、終了等、労働契約に関する内容が規定されております。
③最低賃金法
最低賃金法は、賃金の低廉な労働者について、賃金の最低額を保障することにより、労働条件の改善を図り、もつて、労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の公正な競争の確保に資するとともに、国民経済の健全な発展に寄与することを目的として規定されております(1条)。
最低賃金額は全国一律ではなく、各都道府県ごとにその金額が定められますので、注意が必要です。
以上、本日は、代表的な労働関連の法令をご紹介いたしました。
当事務所は人事労務を幅広く取り扱っておりますので、人事労務に関してご不明な点等ございましたら、お気軽にご相談ください。