企業が未成年者を雇用する場合は多くありますが、未成年者を雇用する場合には特有の規制が存在します。
もっとも、特有の規制に関して正確に認識できていないケースも相当程度あるものと存じます。
そこで、本日は、未成年者の雇用について、就業時間の観点から設けられている特有の規制をご紹介いたします。
このページの目次
1 高校生の就業時間について
労働基準法61条により、使用者は午後10時から翌日午前5時までの時間帯においては、満18歳未満の年少者を使用することができないのが原則です。
ただし、同条の但書において、交替制勤務の場合においては、男性に限り満16歳以上のときには、満18歳未満の者でも使用することができるものとされております。
なお、ここで「交代制」とは、同一の労働者が一定期間毎に昼間勤務と夜間勤務を交代して従事する業務のことを指します(昭和23・7・5基発971号)。
2 中学生の就業時間について
繰り返しとなりますが、労働基準法では、満20歳未満の未成年者の内、満18歳未満の者を年少者として、特別な規制を課しております。
具体的には、年少者の内児童については就業をさせること自体が原則として禁止されております(労働基準法56条1項)。そして、ここでいう児童とは、満15歳に達した年度の末日に未到達、すなわち義務教育を終えていない中学生以下の者を指します。
以上のとおり、中学生は基本的に就業することはできませんが、13歳以上の場合は、軽易かつ有害でない業務については行政官庁の許可を受けることで、就学時間外に就業することができる場合があります(同条2項)。
労働基準法別表1の1から5号を除く業務が対象で、例えば、郵便の事業は11号に該当するため許容される場合があります。
もっとも、時間外労働や午後8時から翌日午前5時までの間に労働をすることはできず、かつ学校の就学時間と合わせて、1日7時間まで(同法60条2項)等の制約がある点には注意が必要です。
3 弁護士へのご相談をご希望の方へ
当事務所は、人事労務を幅広く取り扱っております。
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